耐火物
Online ISSN : 2759-3835
Print ISSN : 0039-8993
63 巻, 6 号
耐火物 第63巻 第6号
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  • 硬化に伴うキャスタブル諸特性の変化
    前田 榮造, 角間 貞男
    2011 年 63 巻 6 号 p. 270-278
    発行日: 2011/06/01
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル 認証あり
    低セメントキャスタブルの硬化機構における検討不十分な3つの点,すなわち(1)凝析の過程,(2)硬化とアルミナセメントの水和との関係,(3)硬化におよぼすpHの影響をより詳細に解明するため,硬化前後におけるキャスタブルの硬度,超音波伝播速度,温度の変化と,キャピラリー水中の成分,pHの変化を測定した。その結果,過去に報告した硬化機構を一部修正して補強する以下の結論を得た。Ca2+イオン濃度が一定値に達すると超微粉粒子からなるコロイドが不安定になって凝析すると考えていたが,そのコロイドは混練直後から既に不安定で,それが時間と共に拡大して凝析に至ると修正される。アルミナセメントの水和は明らかに低セメントキャスタブルの硬化の後に起こり,このキャスタブルの硬化とは全く別の現象である。硬化に対し,pHは支配的でない。
  • 藤田 基成, 北 基, 伊賀棒 公一, 崎田 真一, 紅野 安彦, 難波 徳郎, 三浦 嘉也, 山口 明良
    2011 年 63 巻 6 号 p. 279-286
    発行日: 2011/06/01
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル 認証あり
    MgO-Al2O3系スピネルにZrO2を添加することによって,微細構造や耐スラグ侵食性がどのように変化するか検討した。ZrO2添加による緻密化は,特に量論組成のMgO含有量50mol%で顕著であった。また,ZrO2添加により緻密化の開始温度が低下し,その効果はZrO2添加量が2vol%でも認められた。相対密度の上昇に伴い,溶融スラグによる損耗量は減少する傾向が認められた。ZrO2添加量が2vol%の試料では,他の試料と同程度の相対密度であっても損耗量が低くなっていたが,10vol%添加では無添加試料よりわずかに損耗量が大きくなっていた。これより,ZrO2は溶融スラグに溶出するが,スラグ粘度が上昇することによってスラグの浸潤が抑制されたと結論付けた。
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