耐火物
Online ISSN : 2759-3835
Print ISSN : 0039-8993
64 巻, 6 号
耐火物 第64巻 第6号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
  • ―第3報:ユニットの内部空間における伝熱の抑制―
    樋本 伊織, 北 英紀
    2012 年 64 巻 6 号 p. 258-267
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル 認証あり
    著者らは,アルミニウム溶湯搬送用途への適用を想定し,容器内壁部がセラミックス中空ユニットで構成された球状容器の開発に着手した。新規に設計されたこの容器は,従来の容器内壁部がキャスタブルで構成された円筒状容器に比べ,飛躍的な軽量化と高い保温性が期待される。一方,ユニットの内部空間における放射および対流による伝熱の抑制は重要な課題である。本報告では,ユニットの内部空間に軽量断熱材としてセラミックファイバーあるいは低熱放射材として金属箔を適用することにより,ユニットの内部空間における伝熱を抑制した。さらに,ユニットの背面構造および伝熱経路に関する検討を行なった。ユニットの熱通過率の評価を行ない,断熱性および軽量性の両立が可能となるユニットの構造を明らかにした。
  • Parr Christopher, Fryda Hervé, Iiyama Makoto, Borovsky Adriana, Letour ...
    2012 年 64 巻 6 号 p. 268-275
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル 認証あり
    分散キャスタブル(deflocculated castable)の流動性低下(flow decay),流動性喪失(stiffening),凝結(setting)にいたる挙動はマトリックス成分およびそれらの間の相互作用に依存することが知られている。ここで,粒子充填,粒子表面間力,およびアルミナセメントの反応の三つの主要な概念が認められている。硬化進行中のキャスタブルの気孔内溶液を遠心力により抽出する方法が開発され既に報告されている1)。この論文では,流動性喪失段階後および凝 結硬化開始中の気孔内溶液を抽出する補足的な方法について詳述する。本実験と解析はシリカフュームの役割と,アルミナセメント,トリポリりん酸ナトリウム,シリカフューム間の相互作用について新たな知見を示している。これまで信じられてきたこととは異なり,可使時間(working time)中においてもカルシウムイオンが連続的に溶出し,その濃度は作業性(workability)が失われた段階でゼロになることが示されている。また,作業性が失われ流動性喪失が始まった後に生じてくる溶液中での反応は複雑であることが明らかとなった。
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