マグネシア・クロム質耐火物の構成成分であるMgCr2O4とMgOのバルク試料とリボンドマグネシア・クロム質耐火物について,熱力学的安定相の予測と高温での反応実験により雰囲気の酸素分圧を制御した上でFeO-SiO2系銅スラグ融体との界面反応を調べた。熱力学的安定相の予測によればMgCr2O4/slag界面には主にスピネル相の生成が予想された。SEM-EDSによる微細構造の観察結果はその界面にFe含有量の多いFe-Cr-Al-O酸化物層の形成を明らかにした。
MgO/slag界面ではMgとFeの相互拡散により(Mg, Fe)O固溶体相やOlivine(Mg, Fe)2SiO4相の生成が予測と実験の双
方で認められた。熱力学的安定相の予測と高温での界面反応の実験結果は定性的に一致していた。さらにスラグ融体が耐火物のMgCr2O4粒子周囲の空隙へ浸透していることがわかった。
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