日本図書館学草創期の要人の1人でありながら今日顧みられることの少ない毛利宮彦は分類法との関わりも深く,「日本十進分類法(NDC)」第1版とほぼ同時期となる1929年8月に「簡明十進分類法」を発表した。これは鈴木賢祐の批評を受け標準分類法論争を招く端緒となった。また,毛利はその後二度にわたってこの分類法を改訂・刊行するかたわらでNDC を批判し続けた。簡明十進分類法(簡明十進分類表とも)は簡略な記号法ながら国内刊行書を主な対象とし,書架分類を目的とする単純な記号で構成した分類法であった。
本研究では大阪府立中央図書館のデータを用い,日毎の来館者数・貸出冊数を予測するモデルの構築を試みた。曜日,祝日,月,長期休暇,イベント,天候等のデータを説明変数として用いることで,高い精度で日毎の利用数を予測できること,特に曜日の影響が大きいことが示された。来館者数と貸出冊数では貸出冊数の方が高い精度で予測でき,貸出冊数の中でも一般書よりも児童書の方が高精度で予測可能であった。また,来館者数,貸出冊数(一般書),貸出冊数(児童書)という利用の指標ごとに,利用の影響要因には異なる傾向があった。