電子写真学会誌
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36 巻, 2 号
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論文
  • 佐藤 徹哉, 新ヶ江 龍一
    1997 年 36 巻 2 号 p. 70-74
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    テトラフェニルブタジエン誘導体(1, 1-Bis (p-diethyl aminophenyl)-4, 4-diphenyl-1, 3-butadiene.)をCTM(Carrier Transport Material)として用いたOPC(Organic Photoconductor)を試作し,CTL(Carrier Transport Layer)に発生する代表的な欠陥の一つであるクラックに及ぼす,加熱乾燥・冷却条件の影響を調べた.
    CTLの加熱乾燥時間やCTM濃度のクラックに及ぼす影響は比較的小さく,他の特性を維持できる範囲で欠陥をなくすることはできなかったが,冷却速度のクラックに及ぼす影響は顕著であり,加熱処理後の冷却速度を一定以上とすることで,クラックの発生率を大幅に改善できることを見出した.
    この高冷却速度で作製したOPCの,機械強度および静電特性は,自然冷却で作製したOPCと差がなく,CTLはマクロ的には冷却速度が変わっても変化しないと考えられる.一方,ミクロ的には自然冷却で比較的低い冷却速度で作製したOPCは,CTL中でCTM分子が会合状態にあり,また極表面にもCTM分子が偏析し,クラックの原因になるものと予想した.
  • 保坂 靖夫, 中尾 英之, 石井 浩一
    1997 年 36 巻 2 号 p. 75-84
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    レスオゾン固体チャージャは,イオンを発生する固体化イオン発生器と発生オゾンを分解する加熱領域からなる.10 mm幅のセラミック基板上に5 mm幅にわたりイオン発生電極を設けた固体化イオン発生器に5 kHz, 2.4 kVp-pの交流電圧を印加し,OPC感光体を20 PPM相当の高速で帯電する電極構造を決定した.このセラミック基板背面にヒータを設け,NOxによる硝酸イオン発生を防止してイオン発生を安定化させている.さらに,イオン発生電極を薄膜SiO2で被覆し,コロナイオン衝撃による電極磨耗を防止して40万枚相当の長寿命化を図った.一方,オゾンが熱分解する間に気中を拡散する距離500μmの領域を加熱し,オゾン発生量をワイアチャージャの20%以下に抑えることに成功した.
  • 安藤 祐二郎, 当麻 均, 落合 俊彦, 山路 雅章
    1997 年 36 巻 2 号 p. 85-90
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    トナー画像によるディスプレイ装置が開発された.このような装置においては感光体は画像表示中の光疲労のため用いることが困難である.従ってマグネスタイラス記録法が採用された.マグネスタイラス記録法では帯電も除電も必要としない.そして記録には摩擦帯電を利用しないので環境変化に対し安定であると思われた.
    ここではこの導電性磁性トナーを用いた画像表示装置における記録システムについて報告する.トナーの粒径と記録層の厚さはガンマ特性に大きな影響を持つ.30ボルトの記録電圧で充分な濃度が得られるシステムが実現された.マグネットローラの磁極数は横方向の線の解像のためには重要である.クリーニングとトナーの循環システムも画像の繰り返し形成には重要である.残留電荷による残像の発生防止と,記録シートの摩擦帯電によるカブリの発生防止のためクリーニングブラシにはバイアス電圧が印加された.
  • 山本 紀和, 高橋 恭介
    1997 年 36 巻 2 号 p. 91-99
    発行日: 1997年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    ゾル-ゲル法を用いてX型無金属フタロシアニン(x-H2Pc)を酸化チタン中に分散した系において光電流の紫外光によるクェンチングという特異な光電挙動を示すことを見い出した.x-H2Pcは光励起により表面に酸素が吸着するタイプであり,酸化チタンは吸着酸素が脱離するタイプであることから,この現象は酸化チタンで生成したホールがx-H2Pc表面のO2-吸着酸素を中和することにより励起子の解離,即ちキャリア分離が行えなくなる特異な相互作用によるものと考えた.
技術解説
Imaging Today
『トナーを用いた各種イメージング技術』
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