接着歯学
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32 巻, 1 号
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  • 田村 ゆきえ, 島村 穣, 瀧本 正行, 村山 良介, 坪田 圭司, 高見澤 俊樹, 黒川 弘康, 宮崎 真至, 日野浦 光
    2014 年 32 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2014年
    公開日: 2022/04/02
    ジャーナル オープンアクセス
    試作 2 ステップセルフエッチシステム KBV-100 および Clearfil Mega Bond への光線照射において,照射光源の違 いがエナメル質および象牙質への接着強さに及ぼす影響について,剪断接着強さを測定するとともに,その接着界面 を観察することによって検討を加えた.ウシ歯エナメル質および象牙質に,製造者指示条件に従って歯面処理をした 後,レジンペーストを填塞,ハロゲン照射器あるいは LED 照射器で照射を行い,これを接着試片とした.接着試片 は,37℃精製水中に 24 時間保管した後,剪断接着強さの測定を行うとともに,接着試験と同様に製作した試片を用 いて接着界面について SEM 観察した.その結果,Clearfil Mega Bond においては,エナメル質および象牙質におい ても,照射器の違いによる接着強さの影響は認められなかった.一方,KBV-100 においては,エナメル質および象牙 質ともに,ハロゲン照射器よりも LED 照射器を用いた条件で,接着強さが向上する傾向を示した.また,接着界面 の観察からは,エナメル質および象牙質いずれの被着体に対しても,ギャップの形成は認められず良好な接着界面を 形成していた.本実験の結果から,試作 2 ステップセルフエッチシステム KBV-100 は,照射器の種類に関わらず充 分な歯質接着性を示すことが明らかとなった.
  • 入江 正郎, 田仲 持郎, 松本 卓也, 丸尾 幸憲, 西川 悟郎, 吉山 昌宏
    2014 年 32 巻 1 号 p. 8-13
    発行日: 2014年
    公開日: 2022/04/02
    ジャーナル オープンアクセス
    コンポジットレジンシステム(以後 CRS と表記)における初期硬化頃の歯質接着強さの推移を詳細に把握するた め,光照射直後から 24 時間後までのエナメル質および象牙質に対する接着強さを測定した.   材 料 は, 市 販 の 9 種 の CRS[QuiXX + Xeno IV (Dentsply/Caulk),Filtek P-60 + Adper Prompt L-Pop (3M ESPE),Herculite XRV + OptiBond All-in-One (Kerr),Tetric N-Ceram + AdheSE One VivaPen (Ivoclar Vivadent),Solare P + G-Bond (GC),BEAUTIFIL Ⅱ + BeautiBond (Shofu),Metafil AP + Brush & Bond (SunMedical),Estelite P quick + Tokuyama Bond Force (Tokuyama Dental),Clearfil Majesty Posterior + Clearfil tri-S Bond (Kuraray Noritake Dental)] を用いた.方法として,エナメル質および象牙質に対するせん断接 着強さを,光照射直後,10 分間,30 分間,1 時間,6 時間,12 時間および 24 時間 37℃蒸留水中に浸漬後,測定した.  その結果,エナメル質では,光照射直後の接着強さ(8.0-14.6 MPa)は,24 時間後(13.6-21.8 MPa)の 51-86% を 示し,光照射直後と比較して,10 分後では 3 種の CRS が,6 時間後では 3 種の CRS においてそれぞれ有意に接着強 さが向上した.象牙質では,光照射直後の接着強さ(7.8-13.3 MPa)は,24 時間後(11.0-23.3 MPa)の 54-73% を示 し,光照射直後の接着強さと比較して,1 時間後では 1 種の CRS が,6 時間後では 7 種の CRS においてそれぞれ有 意に接着強さが向上した.  よって,CRS の歯質接着強さは,光照射直後からほぼ 24 時間後まで経時的に徐々に向上することが示された.
  • 高田 真代, 加藤 千景, 有田 祥子, 川嶋 里貴, 鈴木 雅也, 新海 航一
    2014 年 32 巻 1 号 p. 14-21
    発行日: 2014年
    公開日: 2022/04/02
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は重合したコンポジットレジン(ビューティフィルⅡ:Group 1 ~ 3 あるいはエステライトΣクイック: Group 4 ~ 6)への新規多目的接着システムの剪断接着強さ(SBS)を検討した.多目的接着システム(ビューティ ボンドマルチ PR プラス:Group 3 あるいはユニバーサルプライマー:Group 6)あるいは従来型シランカップリング 剤(ポーセレンプライマー:Group 2 あるいはセラミックスプライマー:Group 5)を用いて各レジン重合体の平坦 な研削面を表面処理した.Group 1 および Group 4 は未処理とした.各ボンディング材応用後,フロアブルコンポジッ トレジンを築盛し接着試料を作製し,SBS を測定した(n=10).測定データは one-way ANOVA と Tukey HSD 検定 を用いて統計学的に解析した.Group 2,3,5 および 6 は Group 1 と 4 に比較して SBS が有意に高かった(p<0.05). Group 2,3,5 および 6 の間には接着強さに有意差が認められなかった(p>0.05).以上から,新規多目的接着システ ムは重合したコンポジットレジンに対して従来型シランカップリング剤と同等の接着強さを示すことが判明した.
  • 有田 祥子, 高田 真代, 川嶋 里貴, 鈴木 雅也, 加藤 千景, 新海 航一
    2014 年 32 巻 1 号 p. 22-29
    発行日: 2014年
    公開日: 2022/04/04
    ジャーナル オープンアクセス
    酸処理材による前処理がオールインワンアドヒーシブの象牙質接着強さに及ぼす影響を検討した.ヒト抜去大臼歯 に象牙質平坦面を形成し,デンチンコンディショナー(D),表面処理材グリーン(S),アクセル(A)ならびにK エッチャントGEL(K)の各酸処理材を用いて前処理を施した.コントロールは前処理なし(N)とした.オールイ ンワンアドヒーシブとしてビューティボンドマルチ(B)とプライムフィルプライマー(P)で各々歯面処理した後, 各フロアブルコンポジットレジン(ビューティフィルフローF00 とプライムフィル)を用いて接着試料を作製し,小 型卓上試験機EZ Test 500N にて剪断接着強さを測定した(n=10).結果は二元配置分散分析とTukey HSD 検定に より有意差を検定した.二元配置分散分析の結果,接着システムに有意差は認められなかったが(p>0.05),酸処理 材に有意差が認められた(p<0.01).そこでTukey HSD にて多重比較を行った結果,プライムフィルを使用した実験 群で,NP-DP,NP-SP,NP-AP,KP-DP およびKP-AP 間に有意差(p<0.01)が認められた.
  • 峰元 里子, 迫口 賢二, 嶺﨑 良人, 柳田 廣明, 鈴木 司郎, 田中 卓男, 南 弘之
    2014 年 32 巻 1 号 p. 30-35
    発行日: 2014年
    公開日: 2022/04/02
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,接着性レジンと金銀パラジウム合金との接着耐久性をより高めることを目的として,貴金属接着プラ イマーを組み合わせて用いることが両者の接着に与える効果について検討した.金銀パラジウム合金試料を #600 耐 水研磨紙にて研磨後サンドブラスト処理し,さらに 3 種類のプライマー(V-Primer: VP, M.L.Primer: ML, Metaltite: MT)のいずれかにて処理したものと,3 種類を混和(MIX)もしくは順次滴下(DAP)して処理したものを準備し た.これに被着面積を直径 5 mm に規定して接着性レジン(Super-Bond C&B)を筆積み法にて築盛し,その上に荷 重用ハンドルを配置して接着試験片とし,熱サイクル試験の前後で剪断接着強さを比較した.その結果,熱サイクル 200,000 回後に MIX は,単独使用の VP, ML, MT よりも有意に高い値を示し,DAP は VP, ML よりも有意に高い値 を示した.したがって,金銀パラジウム合金と 4META/MMA-TBBO レジンの接着において 3 種類のプライマーの 混和使用は,各プライマー単独で用いた場合よりも熱サイクル 200,000 回後には高い接着強さを示すことが明らかと なった.
  • 井上 孝, 宮越 照一
    2014 年 32 巻 1 号 p. 36-62
    発行日: 2014年
    公開日: 2022/04/02
    ジャーナル オープンアクセス
    本総説は,4-META/MMA-TBB レジンの直接覆髄の影響に関して,我々の前に報告された報告と未発表のデータ をまとめたものである.  この総説では,Ⅰ:歯髄組織の特性,Ⅱ:4-META/MMA-TBB レジンとその特徴のある重合反応機構,Ⅲ:4-META/ MMA-TBB レジンの直接覆髄による歯髄組織の変化,Ⅳ:軟部組織と他の材料の湿った表面の上で重合した 4-META/ MMA-TBB レジンの特性,Ⅴ:歯髄組織だけでなく歯周組織への 4-META/MMA-TBB レジンの将来での応用可能性, そして,Ⅵ:4-META/MMA-TBB レジンの創傷治癒を目的とした生体組織接着剤としての可能性について述べる.
  • 山田 敏元, 宇野 滋, 杉崎 順平
    2014 年 32 巻 1 号 p. 63-71
    発行日: 2014年
    公開日: 2022/04/02
    ジャーナル オープンアクセス
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