新規ユニバーサルアドヒーシブのエッチングモードの違いが,直接法および間接法を想定して使用した際のエナメル質および象牙質接着性に及ぼす影響について,剪断接着強さ試験および走査電子顕微鏡(SEM)観察から検討した.新規ユニバーサルアドヒーシブとして,BeautiBond Xtream(Shofu)を用いた.エッチングモードとしては,pre-etchingを行う条件(ERモード)およびこれを行わない条件(SEモード)の2条件を設定した.次いで,製造者指示条件に従ってBeautiBond Xtreamを塗布,光照射を行った.その後,直接法群においてはコンポジットレジンを填塞し,接着試験片とした.間接法群としては,レジンセメントとしてResicem EXを用い,ステンレスロッドを接着させて接着試験片とした.いずれの接着試片も24時間37℃水中保管した後,万能試験機を用いて剪断接着試験からそれぞれの接着強さを求めた.また,通法に従ってアドヒーシブ処理面および歯質との接着界面のSEM観察を行った.その結果,いずれの群における接着試片においてもエナメル質ではERモードがSEモードに比較して有意に高い接着強さを示したものの,象牙質においてはエッチングモードの違いによる差は認められなかった.SEM観察から,いずれの歯質においてもアドヒーシブ処理面および接着界面の微細構造は,エッチングモードの違いによって異なるものであった.