本研究では, 陶材破折の修理に際し, 陶材表面の粗さの違い, および, ボンディング材を併用した場合のシラン処理時間の違いが, 陶材とコンポジットレジンとの接着耐久性に与える影響を検討した.
エアータービンに装着したダイヤモンドポイントおよび#100または#1,000耐水紙を用いて研削した陶材面の形状を測定した.
メーカー指示に従い焼成した焼付用陶材を#100または#1,000耐水紙で研削し, 10, 30秒, 1, 3, 10, 60分シラン処理後, コンポジットレジンを接着させた場合, または, ボンディング材を塗布し, コンポジットレジンを接着させた場合の24時間後およびサーマルサイクル負荷後の圧縮せん断接着強さを測定した.
その結果, #100陶材研削面はダイヤモンドポイントを用いて研削した陶材面より, わずかに粗さが細かく, #1,000研削面に比べて接着耐久性が高かったことから, 陶材破折修理におけるダイヤモンドポイントでの破折面の削除は効果的であることが示唆された. 一方, ボンディング材を併用した場合, シラン処理時間の延長とともに接着耐久性は高くなる傾向を示したが, 各処理時間で比較した場合, シラン処理のみを行った場合と同程度か低い値であったことから, ボンディング材の使用は効果的でなかった.
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