本研究の目的は,オペーク材料と支台材料,および装着材料の違いが小臼歯部ジャケットクラウンの破折抵抗性に
与える影響について検討することである.支台歯は歯科用合金(ME)またはコンポジットレジン(CR)のいずれか
で作製した.また,ジャケットクラウンの内層には2 つの異なるオペーク材料のいずれかを使用した.1 つは従来型
のMetacolor Prime Art Top Opaque(TO)であり,もうひとつは,ファイバー添加型のMetacolor Prime Art
Jacket Opaque(JMO)である.装着材料は,コンポジットレジン系のPanavia F2.0(PA)とPMMA レジン系の
Super-Bond C&B(SB)を使用した.これら合着材料,支台材料,オペーク材料の組み合わせにより8 つのグループ
に分けられた48 試験片(n=6)に,280 N の繰り返し衝撃荷重を1 Hz にて付与した.破折を引き起こすまでに要し
た衝撃回数を,そのジャケットクラウンの破折抵抗値とした.3 元配置分散分析の結果,オペーク材料(p<0.001,
TO<JMO)と支台材料(p<0.001,ME<CR)に有意差が認められたが,セメント(p=0.92)には有意差が認められな
かった.また各セメントにおいて,JMO/CR 群が最も高い抵抗性(PA 群:平均1,174,625 回,SB 群:平均1,067,541
回)を示した
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