日本原子力学会 年会・大会予稿集
2009年春の年会
選択された号の論文の705件中651~700を表示しています
安全・炉内挙動
  • 今出 亮一, 上山 裕, 秋吉 優史, 森谷 公一, 高木 郁二, 森山 裕丈
    セッションID: M06
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
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    タングステン薄板を重水素プラズマに曝しながら、表面近傍の重水素の濃度分布を核反応法で測定した。測定した重水素は全て溶解していると考え、物質収支から、プラズマ側表面における重水素の再結合定数を求めた結果、428K~654Kの温度範囲では10-26~10-23cm4s-1であった。一方、核反応法と同時に測定した重水素の透過量からプラズマと反対側表面の再結合定数を推定すると10-27 cm4s-1以下であった。反対側と比べてプラズマ側の再結合定数が大きいのは、プラズマに曝されることによって表面が清浄になるためであると考えられる。
  • 田辺 哲朗
    セッションID: M07
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
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    トリチウムの炉内蓄積量がどれほどになるかは、トリチウム安全性のみならず、トリチウム経済の観点からもきわめて重要であるが、現状では供給燃料の50%以上が炉内に蓄積するTORE-SUPRAの場合から、JT-60Uで壁飽和に達した100%排出の場合まで、装置による差がきわめて大きい。この講演では、各種大型装置のデータを比較しながら、問題点の抽出をはかり、今後の研究方向を探る。
同位体効果・安全
  • 小林 和容, 林 巧, 山西 敏彦
    セッションID: M08
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
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    ITERを始め、トリチウムを燃料として使用する核融合炉では、放射性気体のトリチウムが施設内の広範囲で循環利用されるため様々な機器にトリチウムが存在する。このトリチウムは、異常事象の際に、また保守・補修時に核融合炉施設内に放出され、建屋内での汚染を生じる。そのため、トリチウムの挙動、特に、核融合炉施設構造材料(コンクリートや有機系材料等)とトリチウムの相互作用(吸着・脱離、溶解、拡散等)を把握することは非常に重要である。これら挙動を把握することにより更に、効率的な除染方法を確立することが可能となる。本研究では、作業従事者の被ばくの低減、環境へのトリチウムの放出抑制の観点から、材料表面及び内部でのトリチウム水蒸気の挙動を把握し、効率的な除染方法を確立する。
  • 宮原  直哉, 杉山 貴彦, 山本 一良
    セッションID: M09
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
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    トリチウム除去用水蒸気膜分離装置について、過渡応答特性のシミュレーションが可能なモデルを提案する。高分子膜への水蒸気収着と、それが気体の透過に及ぼす影響をモデルに取り入れることによって、実験結果の傾向をシミュレーションすることができた。
  • 金属界面における水素同位体移行挙動に関する水分子の機能に関する考察(II)
    林 巧, 中村 博文, 磯部 兼嗣, 小林 和容, 山西 敏彦, 稲垣 祐治, 大矢 恭久, 奥野 健二
    セッションID: M10
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
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    金属-水界面での水素同位体移行挙動を、高純度トリチウムを内蔵した純鉄配管から水蒸気含有パージガス中へ移行するトリチウムの化学形を監視しながら連続測定する方法で調べた。界面に酸素が存在すると水分子との同位体交換によりHTOの化学形で、金メッキにより可能な限り界面酸素を減らすと界面で再結合してHTの化学形で移行することが解った。
  • 山本 靖, 登尾 一幸, 小西 哲之, Pattrick Calderoni
    セッションID: M11
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
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    リチウム鉛へのトリチウムの溶解度は、リチウム鉛を用いる先進核融合ブランケットにおいて、ブランケット内のトリチウムインベントリー評価、トリチウム回収システムの設計において重要なパラメータであるが、これまで報告されている測定結果は数桁の違いがある。 我々は、日米協力事業のTITANプログラムのタスクとして、トリチウムを実際に用いた溶解度測定を計画している。 今回、トリチウム実験に先立ち制作したプロトタイプ装置により、水素及び重水素の溶解度測定を行ったので報告する。
燃料回収
核融合機器工学(第1壁,ダイバータ,マグネット等)
ITER-TBMおよび先進ブランケット
  • 荻原 寛之, 谷川 博康, 廣瀬 貴規, 榎枝 幹男, 秋場 真人
    セッションID: N07
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    水冷却固体増殖方式テストブランケットモジュール・第一壁の熱間静水圧加圧法を用いた接合プロセスおよび接合部の評価法について報告する。接合部強度特性評価においては、シャルピー衝撃試験を採用し、接合プロセス最適化により、接合部を有さない母材のものと同等の衝撃特性を有する接合材の製作に成功した。
  • 加藤 剣一, 星野 毅, 名取 ゆり, 中村 和, 佐々木 一哉, 寺井 隆幸, 蓼沼 克嘉
    セッションID: N08
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
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    高温・400秒パルスのITER運転条件においても安定に使用可能なITER-TBM用先進トリチウム増殖材料の開発を目指し、Li2TiO3よりLi/Ti比の大きいLi添加型Li2TiO3合成法の探索を行った。始発原料である水酸化リチウムとメタチタン酸を数日間混合させることにより、常温にて始発原料の反応が進行し、ゲル状となった。このゲル状試料を焼成し、エックス線回折(XRD)測定を行ったところ、Li添加型Li2TiO3は無添加Li2TiO3のXRD回折ピークと一致し、他の相(Li4TiO4等)は観察されなかった。更に、ICP測定による合成前後のLi/Ti比の分析から、合成後のLi/Ti比は若干の減少がみられるものの、ほぼ同じ値となったことから、本合成法により、結晶構造安定性が高いLi添加型Li2TiO3と思われるLi2+xTiO3+y単一相を得ることが可能であることを明らかにした。
  • 橋本 拓也, 尾本 和樹, 佐々木 一哉, 寺井 隆幸, 星野 毅, 八島 正知
    セッションID: N09
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
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    トリチウムブリーダー材料の候補となっているLi2TiO3について、材料として基本特性となる空気中での結晶構造・高温における相転移・熱膨張挙動を、オリジナルに設計、高エネ研PF-BL4B2に設置した高分解能高温放射光X線回折測定装置を用いて解析した。一般に使用されているCuKα線を用いたX線回折測定より高精度で、格子定数やその温度依存性を決定することに成功した。また本物質には450°Cで格子定数やモル体積の温度微分に不連続が存在、つまり高次相転移がある事が確定した。これは熱伝導測定や焼結体の熱膨張測定の結果と対応した。
  • 星野 毅, 寺井 隆幸, 蓼沼 克嘉
    セッションID: N10
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
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    核融合炉の燃料となるトリチウムは、6-リチウム(6Li)と中性子との核反応により生産するが、天然のリチウムには6Liが約7.6%しか存在せず、必要なトリチウム量を確保するためにはより高濃縮の6Liが必要となる。海外からの高濃縮6Li調達は近年困難であるため、イオン液体含浸有機隔膜を用いたリチウム同位体分離技術の基本原理の確認試験を行った。 イオン液体を含浸させた有機隔膜を用いた電気透析セルを用意し、両極に電圧を印加させ、6Li分離係数と電流値の関係を測定した。測定結果より、水銀アマルガム法(同位体分離係数:約1.06)を凌ぐ同位体分離係数が得られる結果が得られ、イオン液体含浸有機隔膜によるLi同位体分法は、濃縮6Li製造の実用化に向けた最有力の手法であることを確認した。
  • 中道 勝, 米原 和男
    セッションID: N11
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
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    日本の原型炉開発に向けた先進中性子増倍材料として、高温での安定性に優れたベリリウム金属間化合物(ベリライド)の製造技術の開発研究及びその特性評価を進めている。金属ベリリウムは、高温下においてスウェリングや水蒸気との水素生成反応が問題となっているが、ベリライドはそれらの耐性に優れていることが明らかになっている。しかしながら金属間化合物は、その性質上非常に脆く加工性に乏しいため、実用化に向けた製造技術開発が必要不可欠である。本発表は製造プロセスの検討の一環として、ベリライドの代替材料の金属間化合物を用いて実施した予備的設計試験の結果について報告する。
  • 廣瀬 貴規, 荻原 寛之, 安堂 正己, 谷川 博康, 榎枝 幹男, 秋場 真人
    セッションID: N12
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    ITERテストブランケット開発の一環として、ベリリウムとフェライト鋼F82Hの異材継手を試作した。強度試験及び金相試験から、 F82Hの焼き戻し温度付近で優れた接合強度が得られることを見出した。また、接合強度は接合界面に形成された反応層の厚さの二乗に反比例する関係を見出した。このことは、より低温での接合の可能性を示唆しており、溶接後熱処理によるF82Hの軟化を抑制する方法の一つであるといえる。
ダイバータ,第1壁
  • (1) ITERダイバータ評価試験体の製作および加熱試験
    江里 幸一郎, 鈴木 哲, 関 洋治, 横山 堅二, 大楽 正幸, 榎枝 幹男, 森 清治, 山田 弘一, 毛利 憲介
    セッションID: N13
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    ITERダイバータの実機調達を行うためには、クオリフィケーション試験体を製作し、ITER機構が行う調達能力認証試験に合格する必要がある。原子力機構ではダイバータ製作の鍵となる、モノブロックと冷却管の接合工程を大量生産に適したものにするための調達準備活動を行っており、本科活動の最新の成果を報告する。
  • (2) 赤外熱画像を用いたITERダイバータ非破壊検査手法に関する研究開発
    関 洋治, 鈴木 哲, 江里 幸一郎, 横山 堅二, 榎枝 幹男, 秋場 真人
    セッションID: N14
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    核融合ダイバータの品質評価試験のために、赤外熱画像を用いた非破壊検査装置を開発した。実際に、ITERダイバータ評価試験体に対して試験を実施し、ITER機構の要求する検査が可能であることを実証した。
  • 芦川 直子, 柳生 純一, 吉河 朗, 三代 康彦, 吉田 雅史, 稲垣 祐治, 相良 明男, 西村 清彦, 堤 和昌, 大矢 恭久, 奥野 ...
    セッションID: N15
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    JT-60U装置では2005年よりフェライト鋼(8Cr2W)がプラズマ対向壁の一部として使用されており,これまでにトロイダル磁場リップル低下による高速イオン損失の低減およびプラズマの反方向回転の減少が確認されている.このタイルはトロイダル方向の全ポート間に1122枚配置され,真空容器内のタイル総数の約9.1%を占めている.実機における金属タイル損耗による混合堆積層の特徴,および混合層におけるガス吸蔵特性などに関してより詳細なデータを得るため,本研究ではJT-60Uの真空容器内に実験サイクル期間中試料を長期に渡り設置し,2006年度の大気開放時にその試料を取り出し炭素・金属混合堆積層に関して分析を行なった. X線光電子分光法による結果から,Si試料上の堆積層中に占めるフェライト鋼の構成元素の一つである鉄(Fe2P3) の原子組成比がポートセクション毎に異なることが明らかとなり,最も多いP-15セクションにおいて約40%であった.
  • 吉田 雅史, 田辺 哲朗, 柳生 純一, 三代 康彦, 林 孝夫, 正木 圭, 仲野 友英, 佐藤 正泰, 伊丹 潔
    セッションID: N16
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、最近問題となっているプラズマ対向壁タイル内部への水素蓄積について知ることを目的に、JT-60Uプラズマ対向壁のダイバータ及び第一壁で用いられた黒鉛タイルのバルク内に蓄積する水素量を昇温脱離法(TDS)によって定量した。その結果、ダイバータ、第一壁各バルク内には、表面よりもかなり少ないが、水素が蓄積されていることが確認された。またダイバータと第一壁とでは、バルク蓄積量に明瞭な差が見られた。これはプラズマからの熱負荷の違いにより、放電中に上昇するタイルの温度が異なることを反映しているものと考えられる。
核融合中性子工学/核融合炉システム・設計・応用
中性子工学実験・解析評価
  • 立部 洋介, 吉田 茂生, 今野 力, 佐藤 聡, 落合 謙太郎, 高倉 耕祐, 大西 世紀, 近藤 恵太郎, 和田 政行
    セッションID: N17
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    ITER/TBMの核特性測定手法として、マルチフォイル放射化法による中性子スペクトル測定を検討している。今回、ITER/TBM模擬体系とDT中性子源であるJAEA/FNSを用いて、マルチフォイル放射化法のITER/TBM内の中性子スペクトル測定への適用性を調べたので報告する。
  • 大西 世紀, 佐藤 聡, 落合 謙太郎, 高倉 耕祐, 近藤 恵太郎, 今野 力
    セッションID: N18
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    原子力機構FNSでは第2ターゲット室で大型コリメータ・遮へい体を用いた14MeV中性子ビームを利用できるが、そこで用いる大型トリチウムターゲットが入手困難になってきたため、実験のニーズにこたえられなくなっている。今回、入手が比較的容易なFNS第1ターゲット室の小型トリチウムターゲットを利用したビーム状14MeV中性子場の構築を目指して、14MeV中性子のコリメータ・遮へい体の設計を行ったので発表する。
  • 助川 篤彦, 正木 圭, 櫻井 真治, 逆井 章, 宮 直之
    セッションID: N19
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    設計検討中の超伝導トカマク装置は、既存設備を最大限利用するため限られた空間で効率の良い放射線遮へい方法が必要不可欠となる。高性能プラズマを閉じ込める真空容器は、放射線遮へい設計の観点から重水素運転に伴って発生する中性子の遮へいと超伝導コイルの核発熱を低減するため2次ガンマ線の影響を少なくするように設計しなければならない。その基本構造はステンレス鋼による2重壁構造で、2重壁間にはボロン水を充填する構造とした。ホウ酸の水に対する溶解度が水温により変化するため、熱中性子の吸収に有効な高い温度での利用が望ましいが、配管を含めたプラント全般にわたる温度管理を怠るとボロンが析出する技術的課題が生じる。そこで筆者らは、温度管理不用の室温未満でのボロン水を用いた遮へい設計に着目し、現有設備であっても超伝導トカマク装置の放射線遮へい設計が成立することを示した。
  • 染谷 洋二, 松本 哲男, 日渡 良爾, 岡野 邦彦, 朝岡 善幸, 小川 雄一, 後藤 拓也
    セッションID: N20
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    現在、固体壁高繰り返しにおける高速点火方式の特性と問題点を明確にすると共に、開発課題を明らかにする為に、高速点火方式レーザー核融合炉FALCON-D(A Fast ignition Advanced Laser fusion reactor CONcept with a Dry first-wall)の概念設計を行っている。レーザー核融合炉の炉工学的観点で問題となる主要機器の一つに、爆縮および点火をするために使用するレーザー集光用最終光学系である。これは炉心プラズマから発生する高速中性子がストリーミングによって直接に到達し、しばしば集光用レンズを損傷させる。本発表ではFALCON-Dでの最終光学系における中性子ストリーミングを中性子輸送コードMCNPを使用して解析を行い、核設計の観点から設計案を提案する。最後にこの結果を下に、最終光学系のメンテナンス手法を検討する。
第VI区分 保健物理と環境科学
放射線医学
  • 水野 和恵, 津田 晃久, 遊佐 訓孝, 小西 輝昭, 石川 剛弘, 磯 浩之, 及川 将-, 加藤 宝光, 岡安 隆一, 今関 等, 上坂 ...
    セッションID: I25
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    高エネルギーX線と薬品送達システム(Drug Delivery System)とを組み合わせたX線DDSのための薬剤として、白金を含有したシスプラチンミセルが注目されている。キャリアと呼ばれる高分子ミセルに含有された薬剤は徐々に放出されるが、細胞に取り込まれているかどうかを確認することは難しい。そこで、放射線医学総合研究所のマイクロスキャニングPIXE(Particle Induced X-ray Emissions Analysis)を用いて、細胞内の白金分布を測定した。
  • 酒井 真理, 藤本 尚弘, 石井 克典, 浅野 智之, 村田 勲, 中村 浩之, 李 千萬, 金田 安史, 粟津 邦男
    セッションID: I26
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)とは腫瘍に取り込ませたホウ素に対して中性子を照射し、そこから放出されるα線やLi線によって腫瘍細胞のみを死滅させることのできる治療法である。現在BNCTは原子炉で行われており、これを加速器中性子源によって行えるようにする必要がある。本研究ではそのための細胞レベルでの基礎検討を行った。
  • 松尾 陽一郎, 清水 喜久雄, 秋山 庸子, 泉 佳伸, 西嶋 茂宏
    セッションID: I27
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    重粒子線によるDNA突然変異生成のメカニズムについて,出芽酵母及びプラスミドDNAを用い,分子レベルでの解析を行った.また,イオントラックの構造からエネルギー付与の空間分布を考慮し,生体での突然変異誘発のメカニズムを検討した.高LETである重粒子線照射は,低LET放射線とは生体中でのエネルギー付与の空間構造が異なるため,反応の初期過程が異なり,DNAに修復困難な損傷を誘発し,最終的に個体に固定される突然変異が特徴的な傾向を示すことが示唆された.
  • 横山 和也, 松尾 陽一郎, 秋山 庸子, 泉 佳伸, 西嶋 茂宏
    セッションID: I28
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/15
    会議録・要旨集 フリー
    紫外線やガンマ線を照射した場合、生体内に過剰に活性酸素が発生することが考えられる。活性酸素は脂質、タンパク質、糖、DNAなどを酸化し、疾病や老化を引き起こす原因となる。本研究ではこれら量子線が照射による生体影響を解析する手法として電気化学測定法(サイクリックボルタンメトリー)を用いた。 サイクリックボルタンメトリー(Cyclic Voltammetry)は、溶液内で電位を一定の速度で変化させ、反応物の酸化・還元電流を測定する手法であり、ピーク電流から電極反応物の濃度を測定できる。CV法は生体組織や細胞に非侵襲で測定可能な利点があり、電極反応物の酸化損傷の評価が可能である。本研究ではCV法を用いて、真核生物である酵母菌およびブタの皮膚に紫外線およびガンマ線を照射した場合の酸化損傷の評価を行うことを試みた。
クリアランス
線量測定
線量評価
SPEEDI-MP
環境放射能
ヨウ素129
feedback
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