森林遺伝育種
Online ISSN : 2187-350X
Print ISSN : 2187-3453
ISSN-L : 2187-350X
12 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著論文
  • 岩泉 正和, 横山 桂一郎, 表崎 晃, 久保田 正裕
    原稿種別: 原著論文
    2023 年 12 巻 3 号 p. 85-94
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル オープンアクセス

    抵抗性種苗の効果的な普及を検討する上で、第一期(1980年代)の西南日本産抵抗性マツの抵抗性評価が九州で行われているが、他の地点での適用性については知見が十分でない。本研究では、関西育種基本区の香川県で実施された、21年間にもわたる抵抗性クロマツ・アカマツ採種園産種苗への母樹系統別の線虫接種試験データを解析した。生存率における母樹系統毎の最小二乗平均値から、抵抗性評価値の香川県版(香川ランキング)を構築するとともに、既往の九州の評価値との関係性について検討した。その結果、両樹種ともに接種後の生存率は母樹系統間で有意な違いが見られたが、年次間での変動も大きく、年次間での環境条件の違い等が接種強度の違いに影響したと考えられた。一方で、九州と香川県の評価値を比較したところ、両樹種ともに有意な正の相関係数が認められ、九州で生存率の高い系統は香川県でも高いことが明らかになった。このことから、多数系統を用いた特定の地点での抵抗性評価値が利用地域(育種基本区・種苗配布区)内の他の地点でもおおむね適用可能であり、地点特異性の確認をしつつ、利用地域内での早期の採種園改良等の検討に資すると考えられた。

解説
話題
資料
feedback
Top