要旨:わが国のコウヨウザン林分のほとんどすべてを網羅する調査によって適地ではスギの約2倍の林分材積を示すことを明らかにするとともにこれまでの報告についてもレビューした。5林分の樹幹解析における連年成長の推移から、成長パターンを分析するとともに、個体によっては50年生を過ぎても連年成長が最大となる変曲点に達しておらず、成長が持続していることが明らかになった。コウヨウザン林分で散見される幹折れは林齢と負の相関があり、多幹については木材生産のために単幹にするのか、バイオマス生産のために多幹にするのか、生産目標に応じた林分管理が必要である。わが国で育種集団を形成するためには優良木選抜が必要で、由来の特定と系統管理にはDNAマーカーを用いることが重要である。
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