本研究では、タイ東北部において成長形質により選抜された、Eucalyptus camaldulensisの成長特性およびパルプ特性に関する木材性質の家系間変異を明らかにするために、5年生のE. camaldulensis15家系90個体の胸高直径、樹高およびピロディン打込み深さを調査した。また、樹皮から2cm部位の容積密度、木繊維長およびリグニン量を測定した。木繊維長およびリグニン量を除く、成長形質および木材性質において、家系間に有意な差が認められた。成長形質および木材性質間の相関関係を調査した結果、胸高直径と樹高の間に高い相関関係が認められたが、胸高直径と容積密度、木繊維長およびリグニン量との間に、有意な相関関係は認められなかった。このことから、E. camaldulensisにおいて、木材性質は成長形質とは独立した形質であり、また、成長形質により選抜されてきた家系から、パルプ特性に関する木材性質の優れた家系を選抜できることが明らかとなった。
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