マツノザイセンチュウ抵抗性育種事業で 1985年に開発された抵抗性クロマツ11系統を用いて、1999年から2004年までの6年間、つぎ木によるクローン苗と採種園産の自然交配による実生の家系苗にマツノザイセンチュウの接種試験を行った。先行研究では、クローン苗と家系苗の生存率の間に相関はなかったが、本研究の相関係数は0.840(P = 0.001)となり、両者の間の正の相関関係が認められた。クローン苗と家系苗の生存率は、接種年の花粉親構成比率の違いや気象条件の影響を受けるが、接種年数を増やして解析することで、接種年におけるこれらの影響が小さくなったことが考えられた。したがって、クローン苗の生存率から採種園産の自然交配による実生家系苗の生存率も推定できることが示唆された。
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