日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
第34回ファジィシステムシンポジウム
選択された号の論文の223件中151~200を表示しています
論文集
  • 北島 慧, 遠藤 靖典
    セッションID: TC3-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    クラスタリングは、教師データを必要としないデータ分析手法である。最適化に基づくサイズ均等クラスタリング(ECBO)は、クラスタサイズを均等にするという制約を持ったアルゴリズムである。しかし、ECBOはノイズの影響を受けやすいという問題点がある。この問題は、ノイズクラスタリングの手法を応用することで解決できると考えられる。ノイズクラスタリングはノイズをノイズクラスタとして分類することで、ノイズの影響を小さくしている手法である。この論文では、ノイズクラスタリングに基づいた新たなサイズ均等クラスタリングアルゴリズムを提案し、数値実験により有用性の評価を行う。

  • 木本 直也, 遠藤 靖典
    セッションID: TC3-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    c-回帰法とは独立変数と従属変数のデータの組で, 回帰分析とクラスタ分類を同時に行うクラスタリング手法である. c-回帰法は回帰分析に基づいてクラスタ分類を行うため, データの持つ傾向ごとに分類することができる. ところで, 実社会におけるクラスタリングでは, 人数に制限がある場合や, 予算に制限がある場合など, 各クラスタのデータの個数が揃っている方が望ましい状況がある. そこで本研究では, c-回帰法のクラスタサイズに注目し, サイズ均等の概念を導入することで, クラスタサイズに制約を与えたc-回帰法を提案する.

  • 神澤 雄智, 宮本 定明
    セッションID: TC3-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    エントロピー正則化ファジィクラスタリング(Entropy-Regularized Fuzzy c-Means: eFCM) は代表的なファジィクラスタリング手法であり,その性質が詳細に調べられている.特に,対応するファジィ分類関数の無限遠点における値が,ある条件の下で0 または1 になる,すなわち,クリスプになることが理論的に証明されている.本報告では,上記の条件を満たさない場合の無限遠点におけるファジィ分類関数の挙動について議論する.

  • 吉岡 武雄, 大北 正昭, 徳高 徳高平蔵
    セッションID: TD3-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    球面SOMは非常に有力なクラスタ分析ツールでありクラスタが均等な位相関係を持って球面に写像される.しかし,位相関係が保存出来ない平面SOMは解析結果の全体が見渡せない.今回,今見ている面(front)と同時にその裏(back)が同時に見えるツールを開発し,全体が見渡せる平面SOMに近づけた.一方、各地の公園、学校、河川沿いなどにあるサクラの名木・古 木のデータを収集し,上記の球面SOM法を用いて,分布状態及び特性を調べたので報告する.

  • 宅野 将司, 権田 英功, 宮田 仁志, 佐々木 惣一郎, 大呂 忠司
    セッションID: TD3-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    近年の日本において大気汚染は環境問題の一大テーマである。汚染物質である微小粒子状物質(PM2.5)や光化学オキシダントによる呼吸器官等への健康被害も報告されていることから,私たちの生活において大気汚染物質濃度情報の開示,また大気汚染物質濃度予測の必要性が高まっている. しかし、現状の数値モデルを用いた予測手法は,膨大な調査・高度な科学知識・数学知識を要する.また、東アジアスケールで定性的に予測する精度はあるが,都市スケールの精度や定量的な精度について,不十分な部分が存在する.そこで,高度な知識を必要とせず地方自治体等でも新たな資金投入なしに適用できる手法として自己組織化マップを用いた予測を検証した.

  • 高橋 慎之介, 権田 英功, 宮田 仁志, 前田 晃弘
    セッションID: TD3-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    近年、鳥取県内の湖山池では、汽水化にともなう赤潮の発生が問題となっている。湖沼の水質状況の因果関係を把握するための手段として数値モデルを用いた手法が存在するが,数値モデルを用いた水質シミュレーションは検討対象とする現象を支配する要因についての理解が必要であり、流動・水質特性に応じて適切なモデルを選択しなければ良好な結果が得られない。また、圧力や乱れといった特性に関するデータが少なく取り扱いが難しいため、数値モデルを使用する場合,新たな設備や資金投資が必要となる可能性がある。そこで本研究では、自己組織化マップを用いて湖山池の水質状況の分類を行い,水質状況の予測を行った.これにより、湖山池における赤潮発生メカニズムの解明の助けとなることが期待できると共に,事前に赤潮の発生を予測することで周辺地域への赤潮被害を抑制することが期待できる.自己組織化マップによる手法では新たな設備や高度な数学的知識を必要としないため、これまで取得してきた水質のデータを入力するだけで、総合的な視点から水質状況の分析が行えるといった利点がある。

  • 何 啓源, 窪田 諭
    セッションID: TE3-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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     日本には高度成長期に集中的に建設された道路構造物が数多くあり、その高齢化による公共サービスの水準を維持する課題に直面している。災害発生時の応急・復旧対策、破損防止や補修強化などの理由から、維持管理を効率的に実施する必要がある。現状の道路維持管理では2次元データの利用が主流であるが、それでは点検や補修の箇所などを管理するためには不十分である。 本研究では、地上設置型レーザスキャナによって計測した点群データとUAV(Unmanned Aerial Vehicle)に搭載したカメラの画像から生成した点群データを融合して3次元データを構築し、道路構造物を3次元で維持管理することを提案した。3次元点群データを用いることによって、道路維持管理の高度化に期待できる。提案を長野県軽井沢町の白糸ハイランドウェイで実践し26箇所で計測した結果、高密度にデータを取得可能な範囲は地上設置型レーザスキャナの半径約10mであり、現場環境による制約と機器の性能による制約を明らかにした。

  • 中村 健二, 塚田 義典, 梅原 喜政, 田中 成典, 西川 啓一, 中畑 光貴
    セッションID: TE3-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    道路は,我々の生活にとって欠かせないインフラ設備であり,その維持管理の責務は重大である.道路の維持管理は,巡視員が定期的に目視で道路の変状を確認することで行われており,我々の生活の安心安全を担保している.しかし,定期巡視は,人が実際に現場に赴き,膨大な範囲の道路地物を確認するため,非常にコストがかかる問題が指摘されている.一方,現在,レーザ計測機器の発達に伴って,MMS,UAV,地上設置型レーザ,航空レーザ等により地上の3次元形状を点群データとして計測する手段が多様化している.そのため,道路の維持管理業務への点群データの適用が期待されている.点群データは道路の3次元形状を精緻に計測することができるため,2時期の点群データから差分を抽出することで,道路の変状の抽出が可能であると考えられる.そこで,本研究では,道路地物を対象として2時期の点群データから差分を抽出する手法を提案する.

  • 塚田 義典, 田中 成典, 中原 匡哉, 瀬合 勇也
    セッションID: TE3-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    我が国では,スポーツとITの融合による競技力向上に係る取り組みを推進している.特にバレーボールでは,戦術分析ソフトウェア「データバレー」の活用により,顕著な成果を上げている.このソフトウェアでは,専用のコードを手動で入力することにより,選手ごとの動きや得点率などを可視化でき,フォーメーション分析や自己分析に活用できる.しかし,このソフトウェアにコードを入力する際には,選手ごとの動きを目視で識別して入力する必要がある.そこで筆者らは,試合映像を用いて選手の動きを追跡するシステムを開発した.しかし,特定の選手ごとの追跡結果を取得するためには,選手ごとに一意な背番号を認識する必要がある.既存研究では,印刷された文字や手書き文字を認識する技術がある.しかし,試合中の選手の体の向きが変化することにより背番号に歪みが生じる場合や,背番号を視認できない場合に背番号の認識が困難となる課題がある.そこで,本研究では,試合映像を用いて認識した背番号と追跡結果から特定の選手の動きを識別するシステムを開発する.

  • 今井 龍一, 石田 大輔, 松島 敏和, 池本 智, 中西 良成
    セッションID: TE3-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    120万km以上もの道路ストックがある我が国では、目視点検や高精度な計測器を用いた路面性状調査が実施されている。路面の劣化状況を定期的に点検するには、定量的評価が可能な後者の調査が望ましいが、費用的制約から時宜に即した実施が困難なことも往々にしてある。このため、後者の調査技術の進展に加えて、同技術を用いた点検対象区間の絞込みができると、道路劣化分析、点検、そして修繕・補修の一連の維持管理サイクルの効率化が期待できる。著者らは、過年度につくば市においてカープローブデータの挙動履歴と国の基準に則したMMSによる路面性状調査結果との照合分析を実施した。その結果、両調査による路面の劣化箇所の相関関係が確認できた。本稿では、過年度の結果を踏まえ、様々な地域における路面への適用を目的とした効果的な簡易診断として、カープローブデータの挙動履歴の評価およびMMSによる路面性状調査結果から路面劣化箇所の抽出手法を考察する。

  • 強力 萌花, 竹内 なつみ, 浦田 大貴, 中村 剛士, 加納 政芳, 山田 晃嗣
    セッションID: TF3-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    オノマトペは,感覚的で説明しづらいものを直感的に言葉にする事ができるという利便性があり,日本語には欠かせない言葉である.また,オノマトペが持つとされる音象徴性によって,人々はその意味や用法の推定ができると考えられている.一方,日本語を母国語としない人にとっては,オノマトペのイメージ推定は容易でない.オノマトペの理解の手助けするため,我々はこれまでオノマトペの意味・意味的用法に関する自動類推の研究を行ってきた.しかし,先行研究では,「人の動作」に関するオノマトペのみを対象としていた.そこで,本稿では,それ以外のオノマトペとして「自然」を対象とし,その意味的用法の自動分類について議論する.

  • 浦田 大貴, 石野 柊輔, 中村 剛士, 加納 政芳, 山田 晃嗣
    セッションID: TF3-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    オノマトペは,音や物事を直感的に表現できるため,日本では日常的な会話で活用されている.一方で,日本語学習者は, オノマトペを学習する手段が少ないといった課題がある.本研究では,オノマトペ間の意味的な類似関係が把握できるシソーラスマップを作成を試みる.発話オノマトペを2次元ベクトルに定量化した後,2次元マップ上に配置する.実験では,オノマトペの意味的な類似関係を2次元マップ上の局所的関係として表現できるか否かについて評価する.本報告では,一例として,「人間の動作に関するオノマトペ」を対象としたマップを作成し評価した.

  • 石野 柊輔, 浦田 大貴, 中村 剛士, 加納 政芳, 山田 晃嗣
    セッションID: TF3-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    オノマトペは,自然界の音や声,物事の状態や動きを表し,日本の書物や日常会話を情感豊かなものにしている.一方で,日本語学習者は,そのようなオノマトペの理解が困難であり,それを学習する手段が少ないといった課題がある.本研究では,発話オノマトペを2次元ベクトルに定量化し,2次元マップ上に配置することにより,オノマトペ間の意味的な類似関係が把握できるシソーラスマップの作成を試みる.実験では,オノマトペの意味的な類似関係を2次元マップ上の局所的関係として表現できるか否かについて評価する.本報告では,一例として「事物の音・道具に関するオノマトペ」を対象としたマップを作成し評価した.

  • 槫松 理樹
    セッションID: TG3-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    本稿では、ラフセット理論を元に構築した決定ルールを用いて、特許公報の分類を推定するシステムを提案する。具体的には、ユーザが事前に分類ラベルを付与した特許候補に対し、語句とその出現の有無を条件属性、分類ラベルを決定属性とし、決定表を作成する。この決定表から、下近似、上近似それぞれのルールを導出する。これを用いて新たな特許の分類を推定する。専門家と共に行った実験では、上位20%以内での正答率は最高62%であったが、既存手法に対する優位性を示すことはできなかった。

  • 楠木 祥文
    セッションID: TG3-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    複数のルールの重み付き和で与えられるルールアンサンブルの学習における正則化関数の効果について考察する.ルールアンサンブルはルールを変数とする線形識別関数と捉えることができる.一般に,データに含まれる可能なルールの数は非常に大きいため,重要なルールを選択する必要がある.一方で,ルールの数が多いため,相関をもつルールが多く存在し,多重共線性が発生する.ルールの選択にはL1正則化が適しているが,多重共線性の解決にはL2正則化が適している.本研究では,著者が提案した,ルールの数を調整できる正則化を用いることで,この二つの問題を解決する.

  • 山村 健太, 簡 志文, 中田 典規, 酒井 浩
    セッションID: TG3-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    表データマイニングにより表データから有益なルールを生成し、得られたルールを用いる意思決定支援環境を検討し、この際、あれば望ましい機能をSQLの環境において実現した。

  • 中田 典規, 酒井 浩
    セッションID: TG3-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    下近似と上近似から成るラフ集合が連続的な定義域を有する不完全情報テーブルにおいて記述される。値が持つ識別不能領域は閾値によって決定される。識別不能関係はこの識別不能を用いて導かれる。先ず、ラフ集合が、識別不能関係を直接使うことによって、完全情報テーブルにおいて記述される。次に、ラフ集合が不完全情報テーブルにおいて記述される。不完全情報は、値集合あるいは区間値で表される。識別不能関係は、確実性と可能性の二つの観点から構成される。結果として、4種類の近似が得られる。これらの近似を用いて、下近似と上近似は区間集合で表される。4種類の近似から4種類のルールが導かれる。

  • 小竹 康代, 王 丹? , 中嶋 宏
    セッションID: TH3-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    In ordinary manufacturing lines, worker’s proficiency degree in the manufacturing operations was evaluated by a unit time or cycle time of making products. In this manner, it is hard to understand how the worker accomplishes the manufacturing operation and tasks with specific motions and objects derived from the hands, body and/or eyes. To overcome this limitation, we investigated the degree of worker’s proficiency of four elemental processes with methods of evaluation to estimate the connectivity between the sensory and motor integrations in human brain information processing. We measured eyes and body movements when workers manufactured products through three months. The developed method could differentiate the worker’s proficiency degrees between experts and novices. Coincidentally, expert workers had relatively high levels at every elemental process compared to novice workers who had low levels in two of the four elements. These results show the possibility that novices are not as proficient as experts when memorizing correct procedures as they are more likely to discriminate a specific point to accomplish tasks due to immature memory functions within the brain.

  • 永田 将人, 佐々木 俊介, 山野辺 将太, 野本 弘平
    セッションID: TH3-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    就活生の情報取得の認知的技能を明らかにするために,どの情報に興味を示すのかを知ることは重要である.著者らは,企業データを見ている間の眼球運動を測定する実験を行った.その結果,企業を選ぶ際に,経験者は入社してから続けられるかどうかに注意を払い,未経験者は,待遇が良いかどうかに注意を払うことが明らかになった.

  • 長澤 朋哉, 佐藤 亮, 野本 弘平
    セッションID: TH3-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    この研究は観光地における歩行中の視行動を扱う.実験協力者に視線計測装置を装着した状態で街路を歩いてもらう実験を行った.住民は前方に広がる空間を見る傾向にあり,観光客は左右の空間に存在する対象を見る傾向にあることを明らかにした..

  • 中島 智晴, POMAS Tanguy
    セッションID: WB1-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    RoboCup サッカーシミュレーションにおいて数値情報を使用せずに画像情報からフィールドを評価する手法を提案する.試合中のフィールド状況を画像で保存し,ゴールまでのサイクル数を基準とした出力値を教師用データとした学習用データを準備する.畳み込みニューラルネットワークを回帰モデルに用い,画像情報からスカラーに写像するような学習を行う.学習用データの生成方法や学習後のニューラルネットワークの性能について議論する.

  • 山岸 拓海, 五十嵐 治一, 山岸 準, 入倉 雅春
    セッションID: WB1-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    RoboCupサッカーシミュレーション2Dリーグは,コンピュータ上の仮想フィールドにおいて,敵味方合わせて22人のプレイヤがサッカーを行う競技である.各プレイヤが自律していることから,マルチエージェントシステムのテストベッドとして利用されている.本研究で使用したRoboCupサッカーシミュレーション2Dリーグ用サンプルチームagent2dは,探索木とボールの位置座標に依存した評価関数によって行動を決定する.そこで本研究では,プレイヤの行動の評価項と試合局面の評価項からなる評価関数に変更し,ボールの位置座標によって評価関数中の重み係数を使い分けた.さらに,観戦者から与えられた正解行動を学習するシステムを作成し,学習によってそれぞれの重み係数を変更した.学習の結果,プレイヤが正解行動に一致する行動をとる回数が増え,得点や勝率が大幅に上昇した.

  • 秋山 英久, 厚田 航星, 荒牧 重登
    セッションID: WB1-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    RoboCupサッカーシミュレーション2Dリーグはサッカーを題材とした研究プラットフォームである.サッカーでは,対戦相手との戦術の相性が試合の勝敗に大きく影響する.そのため,チームの性能を改善するには,対戦相手の戦術に応じて自チームの戦術を適応させていくことが必要となる.そこで,本研究では,戦術適応の準備段階として対戦相手の識別手法を提案する.識別手法として時系列データを扱える3D-CNNを用いる.実験では,RoboCup2017に出場した16チームに対して80%程度の識別精度を得られた.

  • 金子 陽介, 久保 長徳, 西野 順二, 及部 智仁
    セッションID: WB1-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    複雑な行動決定ロジックを持つエージェントシミュレーションにおいて、特定のパラメーターの変更が、シミュレーター全体の振る舞いに対して与える影響の大きさを評価することは容易なことではない。このようなエージェントシミュレーターのパラーメータ調整において、大規模にマイクロシミュレーションを繰り返すことで、シミュレーターの振る舞いの変化を観察し、バラメーターの最適化を行うアプローチが考えられる。近年、クラウド環境の急送な普及などにより、これまでは計算リソースの制約などから、実施が難しかった大規模シミュレーションを比較的容易に実施することができるようになってきている。本稿では、RoboCup soccerにおけるエージェントシミュレーターのパラメーター調整が、シミュレーション結果に与える影響を、大規模シミュレーションを実施することによって検証した。

  • 森田 賢太, 高瀬 治彦, 川中 普晴, 北 英彦, 森田 直樹
    セッションID: WC1-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    本稿は順序列から指定した出現頻度の部分列順序列を自動抽出する手法を提案する.近年頻出パターンマイニングに関する研究が盛んに行われている.順序列データに多数含まれている部分列を頻出部分列と呼び,本研究は順序列から頻出部分列の抽出に焦点を当てている.頻出部分列の出現率はそれぞれで異なるため,指定した出現頻度をを超えた部分列を抽出できることが望ましい.指定した頻度の部分列を抽出するために,本研究ではスパイキングニューラルネットワークによる手法を提案する.このスパイキングニューラルネットワークは,STDP学習則により順序列を抽出することができ,ニューロンの発火頻度を適切に変更することにより指定した出現頻度の部分列を抽出することができる.乱数を用いてさまざまな出現頻度の部分列を含んだテストデータを作成し,ニューロンの発火頻度を適切に変更することで,提案手法が指定した出現頻度を超えた部分列を自動で抽出できることを確認した.

  • 小野田 憲悟, 高瀬 治彦, 北 英彦, 川中 普晴
    セッションID: WC1-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    近年,人や物の動きや変化といった時系列情報を解析,活用しようという動きが活発である.時系列情報を取り扱うことができるモデルとして,booijらにより提案されたSpikePropが存在する.これはスパイキングニューラルネットワークの一種であり,あるスパイク列が入力された際に望みの別のスパイク列へと変換するよう学習可能である.従来研究では単一パターンを入力した際には望みの出力が得られたが、複数パターンを狭い間隔で逐次入力した際には望みの出力が得られなかった。そこで本稿では,この問題がSpikePropの出力メカニズムによるものであることを議論し,スパイクが入力された際の内部応答関数の変更,および複数パターンを組み合わせた新たな学習法を提案する.提案手法を用いることで,従来研究と比べ複数パターンを狭い間隔で逐次入力した際の出力を改善することができた.

  • 野津 亮, 榊原 雅也, 生方 誠希, 本多 克宏
    セッションID: WC1-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    差分進化は実装しやすく,性能の良い最適化アルゴリズムであり,さまざまに応用されている.差分進化における探索点群はランダムに初期化することが多いが,探索性能はその初期探索点群に大きく依存している.これに対しては進化アルゴリズム中に突然変異やノイズなどのランダムな要素を導入することで解決することが可能ではあるが,必要以上に導入すると探索速度は低下してしまう.本研究では理想的な探索点群が信頼区間内に存在することを仮定し,次探索点候補をその信頼区間内でランダムに変動させる.数値実験においてこの提案法が差分進化アルゴリズムの性能を向上させることを確認した.

  • 林 滉之, 大前 佑斗
    セッションID: WC1-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    工学や医学など様々な分野において、信頼のあるデータを取得するためにはノイズ除去は重要な課題である。既存のノイズ除去手法はノイズの原因となる周波数帯に対する知見が要求される。対照的に近年提案されたデノイジングオートエンコーダはその知見が要求されない。本研究ではより高精度なノイズ除去手法を実現するため、直並列型デノイジングオートエンコーダを提案する。本稿では提案手法について述べ、その性能評価を示す。

  • 秋山 孝夫
    セッションID: WD1-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    本論文では,外乱を含むファジィモデル追従形サーボ系の設計を扱う.微分演算子に関する多項式行列の簡単な代数演算で制御系を設計する.さらに,制御系の内部状態の有界性を証明する.数値例を示して外乱が存在している場合でも制御対象の出力がモデル出力に漸近的に追従することを示す.

  • 深山 諒, 金山 光希, 岡崎 光晃, 関 弘和
    セッションID: WD1-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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     近年の日本の超高齢社会において、車いすは今後需要が増すと予想される福祉用具の1つとして挙げられる。中でも電動アシスト車いすは操作力が弱い人でも使用することができ、ハンドリムを漕ぐことによるリハビリテーション効果があるという利点もある。しかし一般的には、漕ぐ力に対して一定のアシスト比でしか補助を行わないため,急発進や急停止などになりやすいことや、バッテリの容量により行動範囲が制限されるなどの問題がある。 そこで本研究では、効率的走行を実現するためのファジィ推論型制御手法を提案し、漕ぎ方を様々に変えてその効果を検証する。具体的には、使用者が漕いでいる間は加速に必要な最低限のアシストトルクを出力して省電力化を行い、手を離した後はアシストトルクの減少量を調節して惰性走行を延ばすような制御システムを構築する。さらに漕ぎ方を漕ぐ強さと時間間隔で漕ぎ方をパターン分けして、電力効率と人力効率を測定する。効率が良い操作パターンにおいて提案手法の実験検証を行った結果、市販の電動アシスト車いすと比較して電力効率と人力効率の向上が実現されうることが示された。

  • 岩瀬 惟真, 田中 基康, 田中 一男
    セッションID: WD1-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    本研究では有理多項式ファジィ制御による無人航空機(Unmanned aerial vehicle,UAV)の経路追従安定化制御手法を提案する.まず,風外乱下でUAVの経路追従安定化制御を実現するため,風を考慮したUAVのキネマティクスモデルと完全に等価な多項式ファジィモデルを作成し,与えられた経路に追従するための有理多項式ファジィコントローラの設計条件をSum-of-Squares (SOS)形式で導出する.最後に,シミュレーション実験により提案手法の有効性を検証する.

  • 石原 聖司, 五十嵐 治一
    セッションID: WD1-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
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    ファジィ推論と強化学習の典型的な融合方式は,マルコフ決定過程を仮定したQ学習のような価値ベースの強化学習法を用いるものである.一方,これまでに我々は,価値ベースではなく方策を直接学習する強化学習法である方策勾配法とファジィ推論との融合方式を提案してきた.当該融合方式では,メンバシップ関数とルール重みの積和からなる目的関数をもつBoltzmann分布で定義された確率的方策を示した.さらに,出力値の期待値操作に基づく重心モデルによる非ファジィ化と,出力値の変動に関する拘束条件とを用いた目的関数による確率的方策を導入してその学習則を示した.本研究では,これらの目的関数を自動車の速度制御シミュレーションに適用して比較した.その結果,重心モデルと拘束条件の導入により,速度の振動が抑制されやすく制御タスク達成までのステップ数の少ない方策を学習できたことを示す.

  • 櫻井 淳, 中村 健二, 田中 成典, 平 謙二
    セッションID: WE1-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    常時観測用のレーザスキャナは,点群データを高精度に取得できるため、施工管理や斜面変位の把握への活用が期待される。 しかし、これらの目的のためには、点群データを用いて時系列の地表面の差分を検出する手法が必要となる。 既存の研究では、構造物の経年変化や建設現場における土量の可視化を把握する手法がある。 しかし、日々の地表面の時系列差分を可視化する取り組みは見当たらない。 そこで、本研究では、レーザスキャナを用いて時系列の地表面の差分を検出する手法を提案する。

  • 大月 庄治, 田中 恭介
    セッションID: WE1-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    ㈱アスコ大東では,2017年よりハンディレーザスキャナを導入し,地形測量の作業効率の向上を目的とした新しい技術として現場への活用を検討すると同時に,本計測機器が保持する計測精度について,リアルタイムSLAM処理における自己位置推定の計測結果をもとに検証する.本論文では実際にハンディレーザスキャナで計測した精度検証結果を報告するとともに,今後の活用事例について紹介する.

  • 窪田 諭, 何 啓源, 黄瀬 勇太
    セッションID: WE1-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

     道路の3次元維持管理を実現するためには,基盤となる3次元データを構築することが必要である.一般的には道路空間の3次元データはMMS(Mobile Mapping System)や地上設置型レーザスキャナを用いる.レーザスキャナで3次元点群データを取得する場合には,手前の地物にレーザが当たり,歩道など奥の地物についてデータが取得できず,何度か移設して計測する必要がある.一方で,3次元データを構築する手法の一つとして,対象物をカメラの視点を変えながら撮影した複数の画像から3次元データを構築する技術であるSfM (Structure from Motion)技術がある.  本研究では,道路の3次元維持管理の基礎データとすることを目的にSfM技術を基に,市販のビデオカメラで撮影した映像データから道路空間の3次元データを生成する手法を検討した.

  • 横田 拓也, 今井 龍一, 栗原 哲彦, 谷口 寿俊, 伊藤 誠
    セッションID: WE1-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    コンクリート打設の作業は,機器の操作等の手動が主であり,技能者の経験に依存している.そのため,熟練技能者の経験知を経験の浅い技能者に継承することが極めて重要である.技能者の少子高齢化が進行し熟練技能者が大量に離職していることを踏まえると,技能継承が喫緊の課題である.その課題解決策として,近年普及・発展しているセンサ等の情報通信技術を用いて熟練技能者の経験知を計測・蓄積・形式知化し後進に継承することが一方策となる.しかし,現時点では経験知の計測可能性すら明らかにされていない.本研究は,多様な計測技術を用いた技能者のコンクリート打設の振る舞いに係わる計測可能性を検証する.

  • 濱治 伴典, 田野 俊一, 岩田 満, 市野 順子
    セッションID: WF1-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    近年,拡張現実感(AR: Augmented Reality)を利用したシステムが,医療や建築,娯楽などの様々な分野で運用されている.一般的にAR情報提示デバイスとして利用されるヘッドマウントディスプレイ(HMD: Head Mounted Display)は光学シースルー方式であるが,背景を遮蔽できないことから提示情報の視認性が背景の明度や色彩などに大きく左右されてしまう問題がある.本研究ではこの問題に対し,特殊な機能を搭載するHMDの制御による解決を提案する.

  • ガンバト ニャムフー, 田野 俊一, 青井 淳, 恒川 裕史, 橋山 智訓
    セッションID: WF1-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    日本をはじめとする多くの国では地震が発生し、ほとんどの建物が大地震を経験している. 大地震発生後に建物の損傷度を正確で速やかに把握することで余震による被害や人命、経済的損失を低減させることができる. しかし、ほとんどの建物に対して地震発生直後に建物健全性を速やかに評価することはできていない. 本研究では、地震発生後の建物損傷度を判定するシステムを提案し、新しい解析方法について検討する.

  • 佐藤 祐亮, 岩津 智士, 伊藤 一之
    セッションID: WF1-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    大規模災害時には、多数の避難所が開設されるとともに,避難生活も長期化することが予想され、それぞれの避難所に、絶えず必要な量の食料を供給し続けることが必要とされる.しかし,2016年に発生した熊本地震では、一部の避難所に救援物資が集中してしまい,必要な場所に十分な救援物資が行きわたらない一方で,劣化した大量の食料が破棄されたことが報告されている.このように,実際の災害時には,混乱のなかで情報を一元管理し,必要な場所に必要な救援物資を送るためのプランニングを行うことは現実的ではなく,救援物資を如何にして,必要とされる場所に必要とされる時間に届けるかは,早急に解決しなければならない重要な課題の一つとなっている.この問題に対し,本研究では,アリがコロニーを維持するために用いているとされるアルゴリズムを応用し,各避難所の情報を,単なるスカラー値としてボランティアに提示する分散型システムを提案する.また,提案したシステムを用いることで,情報を管理する中央集権型のシステムを用いることなく,非常に簡単な仕組みで,必要とされる場所に必要とされる時間に救援物資を届けることが可能となることをシミュレーションにより示す.

  • 影山 正幸, 岩村 覚三, 渡辺 俊一
    セッションID: WF1-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    This short note introduce essence of Uncertainty Theory and thenapply it to have more demand predictions of a mew LRT transportationsystem designed by Utsunomiya city.

  • 橋本 智己, 陶 星宇
    セッションID: WG1-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,自然なコミュニケーションの実現を目指し,話者ごとに異なる感情コーパスの生成方法を提案する.まず,Bag-of-wordsによって基本となる感情コーパスを生成する.そして,その感情コーパスを線形変換することによって,話者ごとに感情コーパスを生成する.

  • 白石 亮太, 竹之内 宏, 徳丸 正孝
    セッションID: WG1-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,ファジィ推論を用いた感性検索エージェントモデルを提案し,ファジィルールの最適化性能について検証している.感性検索エージェントモデルは,各ユーザの検索対象のものに対する感性評価を模倣する.先行研究では,数値シミュレーションにより,ファジィ推論のメンバシップ関数のみを最適化することで,ユーザの評価基準を学習し,ユーザの好みのものを提示するという観点での有効性が示されている.しかし,この先行研究ではファジィルールは最適化されていない.そこで,本研究では,ファジィルールを最適化することによる感性検索エージェントの最適化性能を検証している.その結果,提案手法は,ユーザの評価基準の学習における観点で有効性が示されている.

  • 本村 駿乃介, 高木 英行
    セッションID: WG1-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は,多目的問題である賃貸物件検索において,ユーザの検索感覚(受容度)を基に物件検索とランキングを行う手法の評価を行うことである.受容度を賃貸物件検索に適用し,各目的の受容度を統合した統合受容度を基に物件のランキングを行う検索システムと従来の検索システムとの比較を第1の評価項目,提案システムの検索結果とユーザの実際の検索嗜好との一致度合を第2評価として評価実験を行った.その結果,第1の評価項目では,大半の被験者が受容度により自動ランキングされる点で検索結果から物件を探し出す労力の少なさを評価した.第2の評価項目では平均順位相関係数が0.41,分散が0.15であり,基本的に高めの正の相関があり,受容度によるランキングの有効性を示唆している.

  • 佐井田 梓, 蛭田 崇寛, 関 弘和
    セッションID: WG1-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    車いすの需要は高齢社会による介護者の不足や高齢化のため高まると予想されるが、この中で電動アシスト車いすは小さな操作力で長距離の移動が容易な支援機器の一つである。しかし市販の電動アシスト車いすは万人向けに設計されているため、速い移動速度を好む使用者の場合にはその速度を出力させるような操作を自らが行う必要があり、快適な走行の実現は操作次第で決まることとなり、身体的・精神的負担は小さくない。そこで本研究では、使用者が好む走行を事前に把握して設計すれば負担は軽くなると考え、事前走行とSD法を用いて使用者の嗜好を抽出した嗜好推定マップに基づき、走行制御システムの適切な目標値を設定するようにする。またファジィ推論を用いてその目標値を実現するような制御システムの構築を行う。市販の車いすと提案手法を用いた実験により比較検証を行った結果、走行感覚等における有効性が確認された。

  • 小林 幹京, 大前 佑斗, 酒井 一樹, 塩野谷 明, 秋月 拓磨, 高橋 弘毅
    セッションID: WH1-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    我々は初級から中級競泳選手向けの単一慣性センサを用いた競泳指導システムの開発を目指して研究に取り組んでいる.この指導システムには競泳動作の区間をセンサデータから自動的に推定し,分割する処理が要求されている.この課題を解決するために本研究ではランダムフォレストを用いてバタフライデータの動作分類器を構築し,ターン区間を推定した.テストデータによる検証の結果,全てのターンイベントを検出し,ターンの開始点は.322±.251[s],ターンの終了点は.416±.186[s]の誤差で推定可能であることが確認できた.これらの結果より,本研究の手法ではターン区間を高精度に推定できることが示唆された.

  • 北島 良三, 野和田 基晴, 上村 龍太郎
    セッションID: WH1-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    本論文は地球磁気圏擾乱 (AL指数変動)を引き起こす最も大きな要因となる太陽風物理パラメータ (磁場及びプラズマ物理諸量) を知的情報処理手法を用いて抽出することを試みたものである。地球は太陽を起源とする高速の荷電粒子 (プラズマ) 流である,所謂“太陽風”に常に晒されており、太陽風からは磁気圏に擾乱がもたらされている。大規模な磁気圏擾乱は地上の電子機器類に様々な類の問題を引き起こす。どの太陽風パラメータあるいはそれらの変動が深刻な地球磁気圏擾乱を引き起こすのかを特定することは重要な課題である。深刻な磁気擾乱を引き起こす太陽風パラメータを抽出するために、我々は「入力ニューロンの潜在性」を考慮に入れたニューラルネットワーク (潜在学習) を用いることにした。また、本論文においては、2017年9月8日に発生した磁気擾乱時に衛星で観測された太陽風パラメータを解析対象とした。太陽風物理量を用いて、先ず、我々は地球磁気圏擾乱の予測モデルを作成した。この予測モデルは実測値と予測値の相関係数で評価され、汎化能力0.8195のモデルが作成できた。このモデルを解釈したところ、我々は「太陽風動圧」という太陽風パラメータを抽出することに成功した。今回取り上げた磁気擾乱を説明するためには「磁気圏収縮」というプロセスが重要な役割を果たしていることが考えられている。したがって「太陽風動圧」は今回観測された太陽風パラメータの中で磁気擾乱を引き起こす主な原因となっている1つであると考えられる。よって、この重要パラメータの抽出に成功した潜在学習はどのような太陽風パラメータが地球磁気圏擾乱を引き起こすのかを評価するのための重要且つ利便性の高い手法であると言える。

  • 宮崎 將太, 大音 翼, 岩堀 祐之, キジリクン ブンサーム
    セッションID: WH1-3
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    医療の現場では,ポリープ検出の自動化を目的として,近年Deep learning技術が期待されている.本稿では,一般物体認識の分野で高い評価を持つCNNに対し,Fine tuningにより内視鏡画像への転移学習による手法を提案する.方法としてDenseNet,AlexNet及びVGG16モデルを用いて,ImageNetで学習したそれぞれのモデルに対してFine tuningによる精度を検証し,ポリープ検出のための効果的な分類器を構築した.実験の結果,これまでのCNN特徴とSVMによる分類精度を改善することができた. 

  • 生駒 哲一
    セッションID: WH1-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    運転中の非安全行動として,スマートフォンの操作や携帯電話を持っての通話などがあり,重大な事故につながる事例が増えてきている.本研究では,ステアリング奥に設置した顔撮影カメラと,シートベルト巻取器上部にステアリングを見下ろす画角で設置したカメラとの,二つのカメラより取得される動画像から,状態空間モデルによる定式化に基づき,運転者の観察行動である頭部の姿勢と,操作行動の一つであるステアリングを操作する両手の挙動とを,同時確率分布の形式で推定する.さらに,その推定結果を,運転中のスマートフォン操作などの非安全行動の検知につなげる方法について考察する.

  • 髙橋 克樹, 西野 順二
    セッションID: WB2-1
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は、ゲームを楽しくさせるNPCの研究の一貫として、ユーザが面白いと感じる場面について調査することを目的とする。ロボカップサッカーシミュレーション2Dをゲームとして参加できるようにするOZ-RP実験システムを作成した。被験者実験を行い、面白い場面とはどういう状態なのかを調査した結果について報告する。

  • 提橋 凜, 西野 順二
    セッションID: WB2-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/09
    会議録・要旨集 フリー

    ターン制戦略ゲームは一回の手番に複数回の着手を行えるという特徴から探索空間が巨大である. 既存手法では, 着手をノードに対応させた木を用いたUCT探索が有望そうであることはわかっているがその理由はよくわかっていない. 本研究では,木を多段に展開することの効果に着目し,着手をさらに2段階に展開しそれぞれのノードに対応させた木でUCT探索をするプレイヤを作成し,既存手法を用いたプレイヤとの対戦実験を行った.

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