日本がん看護学会誌
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24 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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原著
  • 黒澤 やよい, 田邉 美佐子, 神田 清子
    24 巻 (2010) 1 号 p. 3-12
    公開日: 2017/01/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,子宮全摘出術を受けたがん患者が術後,いかに性的自己価値の認識を行い配偶者との関係を再構築してきたのか,辿ってきた心理的プロセスを明らかにし看護支援の検討を行うことである.

    半構成的面接法により対象者9名からデータ収集を行い,修正版グランデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を参考に質的帰納的分析を行った.

    子宮全摘出術を受けたがん患者は,【性的関係性の構築体験】と【配偶者との親密性の強化体験】を関連させ,配偶者との関係性を再構築している.【性的関係性の構築体験】においては〔性的自己価値観の動揺〕と〔性的自己価値喪失感の克服〕を体験している.動揺体験では,<性的自己価値の喪失感>,<性的変化の現状認識>,<性交による創部刺激への不安>,<性の情報取得へのためらい>,<配偶者の性的欲求の尊重>,<性交許可で自覚するジレンマ>を生じている.克服体験では,自己価値を再認識する過程において,性生活の実施を巡り3通りの体験があった.1つ目は,性交を避けては通れない大切なことと捉え<性交時の苦痛軽減への努力>を行い<性的自己価値の再認識>を持つ経験,2つ目は,性交があってもなくても関係は変わらないと<性的価値にとらわれない自己価値の再認識>を持つ体験,3つ目は性交を持つ気になれず<性生活回避への自責>から,<性生活を持たないことへの苦渋の意味づけ>を行い,<性的価値にとらわれない自己価値の再認識>に至る体験である.

    【配偶者との親密性の強化体験】においては,〔配偶者の理解と支え〕を受けると同時に,自身も〔配偶者への気遣い〕を行い,連帯感を深めている.

    看護支援においては,子宮摘出術を受けるがん患者が術後に経験する心理的背景を理解し,配偶者との関係が円滑に再構築できるようシステムを整え,情報の提供と心理的支援を行う重要性が示唆された.

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  • 人見 貴子, 田中 真琴, 佐藤 栄子, 数間 恵子
    24 巻 (2010) 1 号 p. 13-22
    公開日: 2017/01/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    同種造血細胞移植レシピエントは長期に亘って生活制限や療養環境の調整を要し,主体的な対処の支援として情報提供が重要であるが,療養行動に関する勧告にはエビデンスが不足し,情報提供内容に基準はない.加えて,本邦の移植実態から,単施設での情報提供経験の蓄積は困難である.本研究では,療養生活に関して看護師からレシピエントへ伝える必要がある情報を明らかにし,その重要度を階層的に示すことを目的として,Delphi法による調査を行った.レシピエント用説明資料と専門家らへの面接調査から集積した【易感染性】,【GVHD】,【晩期障害】,【一般的日常生活管理】,【緊急時連絡先】に関する80項目を用い,全国18施設の移植看護経験を持つ看護師240名を対象に,2回意見を求めた.最終的に126名(53%)から有効回答が得られ,75項目が『伝える必要がある情報』と合意された.うち,生命の危機に直結する問題への対処行動などの9項目は『特に重要な情報』,多数のレシピエントに有用な具体的な生活行動などの30項目は『次に重要な情報』,『伝えるほうがよい情報』の36項目は,理論的に推奨される行動とその前提知識,活動の調整などであった.『伝える必要があるとの合意が得られなかった情報』となった5項目では,エビデンス不足や説明の困難さ,表現の不適切さが指摘された.今回の合意結果は,レシピエントの個別性に合わせて看護師が情報提供する際の有用な参照資料となりうる.

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研究報告
  • 齋藤 智子, 佐藤 冨美子
    24 巻 (2010) 1 号 p. 23-34
    公開日: 2017/01/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は外来で化学療法を受けるがん患者のセルフケア行動と自己効力感の関連を明らかにすることを目的とした.A県内2病院で病名および化学療法に関する説明を受け,外来化学療法を受けているがん患者56名(平均年齢62.1±13.4歳)を対象に自記式質問紙調査を行った.消化器系および乳腺がん患者が全体の8割を占めた.セルフケア行動得点は142.9±14.8(最小―最大:101―170)で先行研究より高く,クラスターおよび判別分析による「全体的高得点群」が対象者の約半数を占めていた.セルフケア行動と関連がみられた個人変数は3変数で,性別,化学療法間隔,相談者(医師)であった.すなわち,女性は男性と比べて,化学療法間隔の長い者は短い者と比べてセルフケア行動得点が有意に高かった(p<.05).また相談者が医師である者はそうでない者と比べてセルフケア行動得点が有意に高かった(p<.01).自己効力感得点は27.6±4.2(最小―最大:20―39)でがん患者を対象とした先行研究よりも低かった.セルフケア行動と自己効力感(全体),日常生活行動の効力感,感情統制の効力感ともに有意な相関はみられなかった.

    外来化学療法患者は副作用予防の重要性を十分に認識せざるをえない状況であり,侵襲の強い化学療法の影響を受け自己効力感が低いなかでもセルフケア行動を行っていることが明らかになった.看護師は外来化学療法患者の背景やセルフケアによる負担感を考慮し,ケアしていく必要性が示唆された.

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  • 川崎 優子
    24 巻 (2010) 1 号 p. 35-43
    公開日: 2017/01/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,大腸全摘術を受けた家族性大腸腺腫症患者が,術後の排泄障害への対処方法を獲得するプロセスを明らかにすることである.大腸全摘術を受けた家族性大腸腺腫症患者5名を対象に,半構成的面接法によるデータ収集を行い,内容分析を行った.対象者の平均年齢は34±7.96歳.術後経過月数は14.8±8.61カ月であった.

    大腸全摘術後の家族性大腸腺腫症患者が排泄障害への対処方法を獲得するプロセスとしては,【症状のアセスメント】,【体の状態に合わせた行動】,【コントロール感覚を取り戻す】,【親の体験を基準とした指標作成】,【予防的方略の模索】,【社会復帰への手がかりの発見】の6つのカテゴリが抽出された.家族性大腸腺腫症患者が大腸全摘術を受けた場合には,一般的な対処方法に加え,親の体験を参考にして術後の排泄障害に対処していることが明らかになった.

    家族性大腸腺腫症患者のケア携わる看護師は,患者が排泄障害を持ちながらも親の体験に基づいた指標をもとにコントロール感覚をつかむことができるよう,情報提供を行ったり対処方法を意味づけたりするようなサポートを継続していくことが必要であることが示唆された.

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  • 山手 美和
    24 巻 (2010) 1 号 p. 44-51
    公開日: 2017/01/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究の目的は,在宅で生活する終末期がん患者とその家族の”家族の絆”について記述することである.研究協力者は在宅で終末期がん患者と生活する家族6名であった.データ収集は半構成面接ガイドを用いて面接法にて行い,質的帰納的に分析した.結果,【もう治らないという現実に向き合う生活】には,《変わりゆく患者の姿を受け止める》,《がん患者のやりきれない苦悩を受け止める》,《家族としての関係性の終わりを感じる》,《死にゆく患者を大切に思う》,《家族としての生きた証を感じる》,《最期まで共にいる》の6カテゴリーが抽出された.【家族固有の文化を刻む家族の方略】は,《家族らしいペースで生活する》,《がん患者が家族に託す思いを未来につなげる》,《がん患者が亡くなった後の生活を見通す》の3つのカテゴリーが抽出された.終末期を住み慣れた“家”で生活しているがん患者とその家族は,残された日々の中で家族として歴史を振り返り,家族として共に存在した証や家族固有のものを未来につなげようとしていた.

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  • 佐藤 三穂, 鷲見 尚己, 浅井 香菜子
    24 巻 (2010) 1 号 p. 52-60
    公開日: 2017/01/13
    ジャーナル フリー

    要 旨

    本研究は,外来化学療法を受けているがん患者を対象に,不安,抑うつの関連要因について基本属性,疾患特性,および社会参加との関連から明らかにすること,また精神的サポートの獲得の現状,およびその不安,抑うつとの関連を明らかにすることを目的とした.外来化学療法を受ける20歳以上のがん患者90人を対象に配票調査を行い,回答の得られた77部(回収率85.6%)を分析対象とした.

    Hospital Anxiety and Depression Scaleを用いて検討を行った結果,配偶者のいる人で抑うつ得点が低く,副作用の程度が高い人,休職している人,社会活動をしていない人で不安,抑うつ得点が高いという結果であった.約7~9割の対象者が精神的サポートを獲得していると回答し,そのなかでも情報の獲得をしている人は不安,抑うつ得点が低く,気持ちの表出をしている人は抑うつ得点が低く,医療者へ相談している人は不安得点が高い結果であった.また交互作用の検討の結果,症状の程度と不安の程度の関連性に対する「気持ちの表出」の緩衝効果がみられた.

    外来化学療法を受ける患者が良好な精神健康を維持しながら治療を継続できるよう支援するためには,これらの要因を理解して関わることの重要性が示された.

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