熱帯農業研究
Online ISSN : 2187-2414
Print ISSN : 1882-8434
ISSN-L : 1882-8434
最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
研究報文
  • 澤岻 哲也, 安次富 厚
    2025 年18 巻1 号 p. 1-14
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/11/28
    ジャーナル フリー
    新分類に基づく沖縄産マンゴー炭疽病菌種複合体の種構成と菌種の諸性質は明らかではない.そこで,沖縄県全域の罹病果実から採集した炭疽病菌83菌株について,単一または複数領域の塩基配列による分子系統解析を行うとともに,菌種の形態,病原性と薬剤感受性を調査した.分子系統解析ではC. gloeosporioidesC.g)種複合体菌株でC. fructicolaC. asianumC. siamense他8種,C. acutatumC.a)種複合体菌株でマンゴーの病原として国内外で初確認となるC. fioriniaeC. miaolienseを含む3種の計11種が同定され,2クレードを形成した6菌株は新種の可能性が示唆された.全体の種構成の割合はC. fructicolaが42.2%と最も高く,次いでC. asianumが16.9%であった.C.g種複合体9種間で分生子と付着器に形態的差異はなかったが,C.a種複合体4種間ではC. fioriniaeは分生子が紡錘形で他種よりも付着器が大きく,PDA培地裏面が赤みを帯びる点で形態による識別が可能であった.マンゴー果実への病原性ではC.g種複合体9種間でColletotrichum sp. Clade Qが他種と比べて有意に病斑が大きく,優占種のC. fructicolaの病斑は小さかった.C.a種複合体4種間の病原性はほぼ同等であった.登録6殺菌剤のMIC値を調べた結果,全菌種(菌株)でアゾキシストロビンとクレソキシムメチル水和剤が共通してMIC値が低かった.一方,キャプタンとマンゼブ水和剤のように菌種間でMIC値に差異を示す剤も確認された.
  • 河西 寛太, 名執 陸, 橋山 智訓, 上原 直子, 遠藤 雅人, 諏訪 竜一
    2025 年18 巻1 号 p. 15-24
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/11/28
    ジャーナル フリー
    安価で調達容易な土壌水分センサおよびマイコンを用いて潅水システムを開発し,実現可能性を評価した.土壌水分量を測定するセンサとして静電容量式のSEN0193を用い,キャリブレーションを行って体積含水率への近似式を求めた.メロン(Cucumis melo L.)を供試材料とし,既存手法としてタイマー区,積算日射量に応じて潅水を行う日射区,提案手法としてSEN0193の出力値をもとに潅水制御を行う水分センサ区,バルクECを抵抗式水分センサであるLM393を用いて計測し,SEN0193の塩依存性を考慮したEC区を作成して実験を行った.いずれの処理区もメロン果実の品質に差があるとはいえず,十分量の潅水を行えていた.LM393はセンサ不良が生じやすく,出力値の振れ幅が大きかったため安定した潅水制御を行う現場運用への適応が難しかった.また,SEN0193における塩依存性は現場利用時においては考慮する必要のない範囲であったこと,一方,機差や出力値の挙動を安定させる処理の必要性が示された.総潅水量はタイマー区が56.5 L/株,日射区が47.8 L/株,水分センサ区が15.0 L/株,EC区が69.5 L/株と,水分センサ区が最も少なかった.この結果からSEN0193を用いることで土壌の状態をモニタリングし,潅水制御によって水資源が有効に利用できる可能性が示唆された.稼働に必要なプログラムはインターネット上に共有し,ダウンロードから導入方法までを動画で公開することで導入の容易さを向上させた.実験モジュールを導入するための費用においても実用可能性が高いことを示した.
短報
情報
2024年度 日本熱帯農業学会 学会賞学術賞特別講演要旨
2024年度 日本熱帯農業学会 学会賞奨励賞特別講演要旨
2024年度 日本熱帯農業学会 学会賞ヤングサイエンティスト賞特別講演要旨
2024年度 日本熱帯農業学会 磯永吉賞特別講演要旨
feedback
Top