日本語の研究
Online ISSN : 2189-5732
Print ISSN : 1349-5119
13 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
 
  • ——地域差・世代差に関する一考察——
    山岡 華菜子
    2017 年 13 巻 2 号 p. 1-17
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー

    本稿では, 筆者が調査をおこなった大阪・兵庫(淡路)・高知における若年層から高年層のアクセントをもとに, 現代語で「推定」の意味をあらわす助動詞〈ラシイ〉のアクセントについて検討する。これまで先行研究において, 〈ラシイ〉と前接の語のアクセントにはさまざまな傾向が指摘されてきたが, 本稿の調査結果においても同様に地域差や世代差として複数の傾向を示すことが明らかとなった。その理由として, 現代語において「推定」の意をあらわす〈ラシイ〉が, 形容詞を作る接尾語〈ラシイ〉の発展したものであるという点が関係していると指摘する。また, 基本形「らしい」のアクセントにおけるHLLのような-3型とHHL・LHLのような-2型のあらわれ方には, 形容詞の終止形アクセントとある程度の関連性が存することも述べる。

  • ——「ほど」「分」を対象として——
    蔡 薫婕
    2017 年 13 巻 2 号 p. 18-34
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/10/05
    ジャーナル フリー

    本稿は, 複文の連用節における程度修飾・数量修飾の内実および二者の関係を, ホド節・ブン節を対象としてスケール構造を用いて明らかにするものである。スケール構造を用いることで, 程度修飾・数量修飾の連続性および各自の特性を説明することができる。さらに, 単文と対照して考察することで連用節における程度修飾と数量修飾の重なりが見えてくる。具体的には, 「ほど」は程度修飾を本来の機能とするものであり, 「分」は数量修飾を本来の機能とするものであることがわかった。この違いは, 程度・数量の意味を持つ従属接続形式を体系づけるための手がかりとして活用することが期待できる。

〔書評〕
日本語学会2016年度秋季大会シンポジウム報告
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