日本語の研究

空間的配置動詞のアスペクト・テンス形式とテクスト : 「そびえる」の場合

呉揚

原稿種別: 本文
2015 年 11 巻 1 号 p. 1-17
発行日: 2015/01/01
公開日: 2017/07/28

DOIhttps://doi.org/10.20666/nihongonokenkyu.11.1_1

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空間的配置動詞「そびえる」は、金田一(1950)では終止述語になるとき必ずシテイル形式になるとされる。一方、影山(2012)では「そびえる」にはシテイル形式もスル形式もあるとし、両形式によって事象叙述と属性叙述が区別されると主張する。本稿では、テクストとの相関性を全面的に視野に入れ、「そびえる」のアスペクト・テンス形式のテクストにおける分布の実態を調査し、その意味と機能について考察した。その結果、「そびえる」は、非アクチュアルなテクストに現れ、恒常性を表す客観的用法を基本とするが、出来事の展開のあるアクチュアルなテクストでは、書き手と登場人物の捉え方や他の出来事との時間関係が浮かびあがってきて、主観的な側面とタクシス的機能が前面に出てくることが明らかになった。「そびえる」に限らず、空間的配置動詞のアスペクト・テンス形式を分析する際には、テクストとの相互作用を考慮しなければならない。

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能登島諸方言におけるアクセントの変化 : 「語頭隆起」とその後

平子達也

原稿種別: 本文
2015 年 11 巻 1 号 p. 18-35
発行日: 2015/01/01
公開日: 2017/07/28

DOIhttps://doi.org/10.20666/nihongonokenkyu.11.1_18

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金田一(1954[1975])は,石川県能登島諸方言のアクセントが京阪式アクセントから東京式アクセントへの変化の中間段階を反映しているとした。確かに,能登島別所方言における動詞活用形のアクセント交替現象などから,この方言の先史において金田一の想定する「語頭隆起」が起こったと考えられる。また,別所方言と近隣の向田方言との比較からは,向田方言において「語頭隆起」の後,隆起した語頭拍がアクセント核を担うようになる変化と,もとあったアクセント核の有無および位置を保持しつつ,語声調の対立を失うという変化が起こりつつあるものと考えられる。特に後者の変化は,現代東京方言と京都方言における複合語アクセントの対応関係とも符合するものである。「語頭隆起」の後の変化についても能登島諸方言のアクセントは東京式と京阪式とを結ぶ変化モデルとなるのである。

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田中ゆかり著, 『「方言コスプレ」の時代-ニセ関西弁から龍馬語まで-』, 2011年9月29日発行, 岩波書店刊, B6判, 296ページ, 2,800円+税

日高水穂

原稿種別: 本文
2015 年 11 巻 1 号 p. 36-41
発行日: 2015/01/01
公開日: 2017/07/28

DOIhttps://doi.org/10.20666/nihongonokenkyu.11.1_36

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益岡隆志著, 『日本語構文意味論』, 2013年10月21日発行, くろしお出版刊, A5判, 304ページ, 3,800円+税

天野みどり

原稿種別: 本文
2015 年 11 巻 1 号 p. 42-47
発行日: 2015/01/01
公開日: 2017/07/28

DOIhttps://doi.org/10.20666/nihongonokenkyu.11.1_42

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今野真二著, 『『言海』と明治の日本語』, 2013年9月10日発行, 港の人刊, 四六判, 286ページ, 2,800円+税

木村一

原稿種別: 本文
2015 年 11 巻 1 号 p. 48-53
発行日: 2015/01/01
公開日: 2017/07/28

DOIhttps://doi.org/10.20666/nihongonokenkyu.11.1_48

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石井正彦・孫栄奭著, 『マルチメディア・コーパス言語学-テレビ放送の計量的表現行動研究-』, 2013年2月28日発行, 大阪大学出版会刊, A5判, 204ページ, 3,400円+税

田中牧郎

原稿種別: 本文
2015 年 11 巻 1 号 p. 54-59
発行日: 2015/01/01
公開日: 2017/07/28

DOIhttps://doi.org/10.20666/nihongonokenkyu.11.1_54

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野村剛史著, 『日本語スタンダードの歴史-ミヤコ言葉から言文一致まで-』, 2013年5月30日発行, 岩波書店刊, A5判, 368ページ, 3,100円+税

大木一夫

原稿種別: 本文
2015 年 11 巻 1 号 p. 60-66
発行日: 2015/01/01
公開日: 2017/07/28

DOIhttps://doi.org/10.20666/nihongonokenkyu.11.1_60

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