目的:調査における協力者,非協力者の特徴の違いは選択バイアスの原因となる。本研究の目的は地域住民を対象とした加速度計調査への協力者の社会人口統計学的および生活習慣の特徴を明らかにすることである。
方法:日本の4都市の住民基本台帳から無作為抽出した地域住民4,000人(男性50%,20~69歳)に対して郵送による横断調査を行った。1,508人より一次調査への協力が得られた(一次調査協力者)。このうち786人が加速度計を7日間装着する加速度計調査(二次調査)に協力した(加速度計調査協力者)。性別,年齢,居住都市を加速度計調査協力者とそれ以外の3,214人(加速度計調査非協力者)で比較した。更に,社会人口統計学的および生活習慣の特徴について,加速度計調査協力者と質問紙による一次調査のみに協力した722人(1,508-786人:質問紙調査のみの協力者)とで,多重ロジスティック回帰分析を用いて比較した。
結果:加速度計調査協力者は加速度計調査非協力者と比較して女性,中高年が多く,居住都市も有意に異なった。加速度計調査協力者と質問紙調査のみの協力者を比較した多重ロジスティック回帰分析では,加速度計調査協力者は非喫煙者(調整オッズ比1.35,95%信頼区間1.02-1.79),余暇ウォーキング実施者(1.56,1.21-2.01)が多かった。
結論:性別,年齢,居住都市,喫煙状況,余暇ウォーキングが加速度計調査への協力と関連していた。この結果は郵送による加速度計調査の選択バイアスの可能性を示すものである。
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