運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
最新号
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巻頭言
原著
  • 東恩納 玲代, 渡辺 那奈, 神谷 義人, 大峰 光博, 奥本 正
    2022 年 24 巻 2 号 p. 87-98
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/10/30
    ジャーナル フリー

    目的:本研究の目的は,スマートフォンアプリを用いて歩数を評価し,新型コロナウイルス(COVID-19)感染症流行下における大学生の歩数の変化を性および生活スタイル別に明らかにすることとした。

    方法:対象者は,大学3,4年次の男女194名(男性85名,女性109名)とした。歩数は,COVID-19発生前である2019年12月から,ハイブリッド型講義期間である2020年10月までの期間内に,スマートフォンに記録されている連続した1週間を計10期抽出した。歩数の変化を性および生活スタイル(運動習慣およびアルバイトの有無,ハイブリッド講義期間での主な受講形態)別に検討するために,スマートフォンの携帯方法と携帯頻度を調整変数とした二元配置分散分析を行った。

    結果:本研究において,COVID-19の感染症流行下における歩数の変化のパターンは,性や生活スタイルにより差は認められなかったが,性および運動習慣の有無による歩数の差が認められた。歩数はCOVID-19発生前と比較して緊急事態宣言時が最も少なく,男性で48.3%,女性で54.9%減少していた。本研究の対象者において,完全遠隔講義期間から歩数は増加する傾向にあったが,ハイブリッド型講義期間においてもCOVID-19発生前の歩数に回復していなかった。

    結論:新型感染症流行下では,性や生活スタイルに関わらず減少した身体活動量の回復を促進する対策が必要であると考えられた。

統計資料
二次出版
  • British Journal of Sports Medicine に掲載された英語論文の日本語による二次出版
    門間 陽樹, 川上 諒子, 本田 貴紀, 澤田 亨
    2022 年 24 巻 2 号 p. 142-157
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/10/30
    ジャーナル フリー
    電子付録

    目的:成人において,有酸素性の身体活動の影響を考慮して,筋力向上活動と非感染性疾患および死亡リスクの関連を定量化すること。

    デザイン:コホート研究のシステマティックレビューおよびメタ解析

    データソース:2021年6月までの文献をMEDLINEおよびEmbaseで検索し,さらに文献のハンドサーチを行った。

    研究の適格基準:深刻な健康問題がない18歳以上の成人を対象に,筋力向上活動と健康アウトカムの関連を検討したコホート研究

    結果:16件の研究が適格基準を満たした。筋力向上活動の実施により,総死亡,心血管疾患(cardiovascular diseases: CVD),全がん,糖尿病,肺がんのリスクは10~17%低い値を示した。筋力向上活動とほかの部位別がん(結腸がん,腎臓がん,膀胱がん,膵臓がん)に関連はなかった。総死亡,CVD,全がんに関してはJ字の関連が認められ,約週30~60分の時点で最も大きいリスクの減少(約10~20%)が得られた。一方,糖尿病についてはL字の関連が認められ,週60分まで大きなリスク減少が得られた。筋力向上活動と有酸素性の身体活動を組み合わせて実施すると,どちらも実施なしと比較して,総死亡,CVD,全がんのリスクは低い値を示した。

    結論:筋力向上活動は総死亡および主要な非感染性疾患(CVD,全がん,糖尿病,肺がん)のリスクと負の関連を示した。しかしながら,総死亡,CVD,全がんにおいてJ字の関連が認められたことを考慮すると,筋力向上活動をより多く実施することの影響については明確ではない。

    登録番号: PROSPERO CRD42020219808

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