電子写真学会誌
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28 巻, 3 号
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  • 岡部 哲夫
    1989 年 28 巻 3 号 p. 247-254
    発行日: 1989年
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
  • 及川 充, 大塚 正男, 菊地 卓, 小口 正信
    1989 年 28 巻 3 号 p. 255-263
    発行日: 1989年
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    アニーリング処理を施した水素化非晶質シリコン膜の特性は,アニーリング時間の経過と共に膜内での欠陥とかトラップの分布状態が変化するとか,膜内に含まれる水素量が減少する事が原因となって変化する.そして,その特性変化の傾向は,アモルファスシリコンの網目構造とか,Siと水素との結合様式に大きく依存していると考えられる.この考えを立証する目的で,種々のスパッタ条件で製作したa-Si:H膜を,150℃から350℃まで50℃置きにアニーリングし,各段階での累積効果を測定した.アニーリングの初期段階では水素濃度と光学的バンド幅が次第に減少する.そして,この傾向は不安定に結合している水素がアニーリングによって基板から逸脱することによる影響が低温基板の場合ほど大きいので,基板温度が低くなるほど顕著となる.
    アニーリング過程での電気的ならびに光学的特性変化の測定から,アニーリング処理の効果は中温アニーリング領域の基板温度近辺の加熱では,膜自体の特性あるいは構造によっているばかりでなく,また膜中の欠陥とかトラップの再配置にも依存している事が観測された.
    更にアニーリングの最終段階の高温アニーリング領域では,ほとんど全ての水素が膜から逸脱するため未結合手が増加し,それにともない局在準位が急増する効果が見られる.
  • 内藤 裕義, 成田 満, 飯島 俊幸, 中浦 康男, 奥田 昌宏
    1989 年 28 巻 3 号 p. 264-268
    発行日: 1989年
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    非晶質As2Se3薄膜の深い局在準位密度分布をゼログラフィック分光法により調べた.局在準位の特徴および起源を明確にするため,帯電・露光の周期,As:Se薄膜の組成を変化させた.その結果,非晶質As2Se3薄膜には価電子帯端上0.70から0.88 eVの範囲において,5つの局在準位が存在することがわ分った.また,5つの局在準位は2種類に分類できること,非晶質As:Se薄膜においても5つの局在準位が同様に観測されること,およびその密度は組成に敏感であることがわかった.局在準位密度の組成依存性から判断して,禁制帯中央寄りの3つの準位はSeに,価電子帯寄りの2つの準位はAsに起因すると結論した.
  • 北村 孝司, 上田 直史
    1989 年 28 巻 3 号 p. 269-273
    発行日: 1989年
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    無金属フタロシニアンを樹脂中に分散した単層型電子写真感光体における顔料の純度と電子写真特性との関係について検討した.顔料の精製にはトレインサブリメーション法を用いた.昇華精製により顔料の純度が向上すると感光体の帯電電位および光感度は向上した.
    光パルス法により求めたキャリア生成効率は1回の昇華精製により大きく向上するが,その後は,精製回数に対して減少を示した.昇華精製にともなう電子写真感度の変化はキャリア生球効率と輸送効率の両方の変化を反映していることがわかった.
  • &mdsh; “1ドラム色重ねプロセス” —
    山本 肇, 高島 祐二, 国重 秀則, 斎藤 憙
    1989 年 28 巻 3 号 p. 284-290
    発行日: 1989年
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    感光体上で直接イエロ・マゼンタ・シアンの各トナー像を重ね合わせフルカラー像を形成した後,紙に一括転写する新しいカラー電子写真方法“1ドラム色重ねプロセス”を開発した.この方法の技術ポイントは以下のようなものである.(1)トナー付着部と裸部の感光体の表面電位を等しく帯電するために,スコロトロン帯電器を用いた.(2)コロナ帯電時にトナー層ではなく,その下の感光体を帯電するために,静電容量の小さなSe感光体上にトナー層を薄く均一に現像する現像法を用いて達成した.(3)トナー像を通して感光体を露光し,次の静電潜像を形成するために,発光ダイオードを光源に用いY→M→Cの順番に像形成した.(4)色濁りを引き起こさずにトナーを重ね現像するために,直流電界飛翔現像法を用いた.
    この方法により,1分間に8枚(A4)の速度でカラープリントが得られるとともに,装置の小型軽量化を達成することができた.
  • 山本 泰永, 綾木 靖
    1989 年 28 巻 3 号 p. 292-298
    発行日: 1989年
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
  • 小澤 隆
    1989 年 28 巻 3 号 p. 299-305
    発行日: 1989年
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    従来低価格ファクシミリ向けイメージセンサと考えられて来たa-Si:H密着型イメージセンサに関して,高速高画質化の検討を行った.その結果ITO/a-Si:Hショットキー接合型の受光部での応答速度,a-Si:HTFTの最適化による電荷転送特性の改善及び微細加工技術による解像度の向上,マトリクス配線の最適化による階調性の向上により,400 DPI,256階調,0.5 ms/line以下の性能を達成する見通しが得られた.
  • 辻 健三
    1989 年 28 巻 3 号 p. 311-314
    発行日: 1989年
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
  • — シランおよび反応性ガスのグロー放電分解過程 —
    中西 達雄, 丸川 雄二, 高橋 智, 山崎 敏規, 森口 博行
    1989 年 28 巻 3 号 p. 274-283
    発行日: 1989年
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    シラン(SiH4)および他の材料ガス(X)のSiH4-X-Arブロー放電プラズマ中の分解効率(η)を質量分析法により測定し,SiH4およびガスXの解離反応におけるSiH4に対するXの相対的な反応速度定数(Kd,x/Kd,SiH4)を求めた.ここで,ガスXはジシラン(Si2H6),ゲルマン(GeH4),アセチレン(C2H2),アンモニア(NH3),メタン(CH4),炭酸ガス(CO2)、四弗化炭素(CF4)および四弗化珪素(SiF4)である.また,材料ガスがSiH4,CH4およびC2H2の場合について,シリコン源活性種と炭素源活性種がアモルファス・水素化炭化シリコン(a-SiC:H)膜に取り込まれる過程およびその結果である膜中炭素含有量[C]を分解効率ηSiH4,ηCH4およびηC2H2を用いて議論した.さらに,SiH4-CH4-Arグロー放電プラズマ中のηSiH4およびηCH4をコントロールしながらアモルファス・水素化シリコン/水素化炭化シリコン(a-Si:H/a-SiC:H)二層構造型感光体を作製した.そして、それらの電子写真特性を示した.
  • 奥村 藤男
    1989 年 28 巻 3 号 p. 306-310
    発行日: 1989年
    公開日: 2008/03/18
    ジャーナル フリー
    電子写真式プリンタの一種である液晶プリンタの高画質化,特に薄膜ICを集積化して画質を高める方式について詳述する.従来の液晶プリンタはドライバICと液晶素子との接続数の多さとそれにともなう高解像度化の難しさ,強誘電性液晶の光双安定効果を均一に得ることの難しさにともなう低歩留まり,マルチプレクス駆動によるコントラストの低下とこれらの相乗効果による高コストという問題を抱えてきた.これに対し,Poly-Siやa-Siの薄膜トランジスタからなる薄膜駆動回路をガラス基板上に形成した液晶光シャッタでは,配線がフォトリソグラフィで駆動回路と同時に形成されるため外部出力端子数が激減し,しかも高解像度化が容易に行えること,液晶をスタティック駆動できるため光双安定性が必要なくしかも高コントラストが保てるなど上記従来型の欠点を全て解決しており,液晶プリンタの高画質化という点では最も優れた方法である.
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