アーカイブズ学研究
Online ISSN : 2434-6144
Print ISSN : 1349-578X
28 巻
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論文
  • 昭和20年代・30年代
    柴田 知彰
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 28 巻 p. 4-29
    発行日: 2018/06/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    秋田県内では、史料保存利用運動の第1期が、昭和20年代後半に県主導で展開された。これに関わった地方史研究者で教育次長の山崎真一郎は、老練な行政手腕で史料の散逸防止と保存を文書管理の諸施策に反映させた。30年代初め、東大史料編纂所の山口啓二が山崎と交流したことで、第2期が山崎による県立史料館構想を基に始動した。山口の影響を受けた県立史料館構想は、公文書引継ぎを行わない文部省史料館をモデルとした。

    36年に山崎は県会議員を動かし計画の具体化に成功したが、翌年の急逝で挫折に至る。海外アーカイブズ学文献を研究し組織および収集アーカイブズ型の両方を備えた山口県文書館、これに学んだ40年代の埼玉県立文書館と対比すると、30年代までは文部省史料館をモデルとする収集アーカイブズ型が主流であり、秋田県立史料館もその潮流上で計画されている。

  • 制度の確立と理論的発展
    湯上 良
    原稿種別: 研究論文
    2018 年 28 巻 p. 30-42
    発行日: 2018/06/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    本稿の目的は、イタリア半島内の旧体制国家で作成された膨大な文書遺産をどのような人材の育成の仕組みと方法を通じて継承しようとしていたのか、明らかにすることである。特に文書管理の専門家であるアーキビストに求められる能力や選抜の方法、学校組織の変遷や教育、そして20世紀初頭の代表的なアーキビストを通じて、アーカイブズ理論の発展について明らかにする。

    元々、古文書読解を主とした目的として、各地に古文書学校が設立された。しかし、アーキビストの職務が専業化するにつれ、求められる能力も高度化し、資格を取得するための門戸も狭められていった。一方で、アーカイブズ学を幅広い視点から高度に理論化し、実践的な能力を養うため、大学にも講座が設けられた。

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