韓国民主化運動記念事業会は、1948年の大韓民国政府樹立以後のあらゆる民主化運動を記念し、その精神を継承するための事業を行うことを目的として、2001年に設置された。同事業会は現在、李承晩政権以来の「すべての記憶され、記録されなかった」民主化運動を包括する韓国民主化運動記念館の設立を、2007年度の開館を目指し準備中である。本論文で扱うアーカイブズは同事業会の下部組織である。アーカイブズの使命は、①民主化運動に関連する史料を収集して安全に保存する役割を担うこと、②無秩序に散逸している民主化運動史料を集合的な記憶として再構成すること、③関連史料を効果的に利用することのできる方法を開発することである。
1995年におこった阪神・淡路大震災は、アーカイブズ学にとっても画期となる出来事だった。すなわち、災害によって過去の資料が滅失してしてのに対し、資料を救出保全しようという動きがおこなわれ、一方災害そのものの記録や資料を未来に保存してしていこうという動きがはじまったのである。本稿でとりあげるのは、そのうち災害の記録を保存していこうという「震災資料」保存活動である。 この活動は、地震直後から、ボランティアグループ、図書館、行政などさまざまな機関によってはじまった。そして、アーカイブズ学の分野に、何を資料とするか、なぜ資料を集めるか、といった根本的な問いかけを投げかけた。災害とひと、専門家と市民、さまざまな出会いの中で、「震災資料」というアーカイブズが生まれた。
国家記録院、韓国学中央研究院、国史編纂委員会などの地方記録に関する収集状況を通じて、全般的な地方記録の収集現況と、同時に新しく模索されている地方記録管理を取り囲んだ主張や動きを紹介することによって、最近の韓国記録管理の動向に対する理解を深めたい。
本研究の目的はリアルのア一カイブとデジタルアーカイブの両者が相互補完的な役割を果たすようなアーカイブの設計を行なうことである。アーカイブの対象となる資料は大正期に建設された坪井誠太郎邸の建築資料であるが、これらの資料は私達が調査してしいる坪井家の「家の記録」を構築する上で重要な資料でもある。そのため、建築資料に関するアーカイブと家の記録を保存するアーカイブの両面から、リアルとデジタルが両立するアーカイブ構築を行った。本論文ではその内容について解説する。
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