アーカイブズ学研究
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15 巻
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特集 日本アーカイブズ学会2011年度大会企画研究会報告 〈広がりゆく「デジタルアーカイブ」とアーカイブズ〉
  • 研究小委員会, 研谷 紀夫
    原稿種別: シンポジウム
    2011 年 15 巻 p. 2-3
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
  • 八日市谷 哲生
    原稿種別: シンポジウム
    2011 年 15 巻 p. 4-15
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    国立公文書館は、国の機関などから移管を受けた歴史公文書等について保存し、一般の利用に供するなどの業務を行っている組織である。平成13年、館は独立行政法人化されるとともに、アジア歴史資料センターが館の組織として新たに開設された。また平成23年4月に、「公文書等の管理に関する法律」(平成21年7月1日法律第66号)が施行され、新たな公文書管理制度下における業務が開始されたところである。

    本稿は、国立公文書館におけるデジタルアーカイブ化の取組みに関し、その基本的な考え方や方向性、インターネットを通じて館所蔵資料を利用できる「国立公文書館デジタルアーカイブ」、そして「ボーン・デジタル」への対応である「電子公文書等の移管・保存・利用システム」等について、その概要を紹介するものである。

  • ―NHK戦争証言アーカイブスのこころみ―
    宮本 聖二
    原稿種別: シンポジウム
    2011 年 15 巻 p. 16-27
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    NHKでは、2009年8月からインターネットで戦争体験を伝えていく「戦争証言アーカイブス」というサイトの公開を始めた(http://www.nhk.or.jp/shogenarchives/)。NHKが取材して、収集した国内外の戦争体験者およそ600人の証言を中心に、関連するコンテンツを広く公開している(証言者数は2011年8月現在)。2012年夏まで、月に1回20人から20人ずつ証言を増やし、最終的には1000人規模の証言アーカイブにする予定である。

    NHKは2007年に、「戦争証言プロジェクト」をスタートさせた。このプロジェクトの目的は、衛星ハイビジョンチャンネル(現在は衛星プレミアム)で放送する「証言記録兵士たちの戦争」(月に1回の放送)を制作し、その取材の過程で収集した戦争体験者のインタビューのビデオテープから、番組で放送したインタビューとは別に長時間の証言動画を作って、インターネットでも公開しようというものである。

    太平洋戦争終結から60年を超え、戦争体験をどのようにして継承していくかという、わたしたちの社会が抱える課題へのひとつの試みであり、動画コンテンツをテレビだけでなくインターネットで見る時代における公共放送としての試みでもある。戦争体験をインターネットで伝えるために証言の動画をどのように見せるのか、サイトの構造をどのようなものにするのか、証言の理解を助けるために証言以外のコンテンツに関してどのようなものを公開するのか、プロジェクトをスタートさせてから、公開に至るまでに議論と検討、制作に一年を費やした。制作の過程、アーカイブスの構造、公開から2年を経過してどのように利用され、何が課題なのかを検証する。

  • それが意味するもの
    笠羽 晴夫
    原稿種別: シンポジウム
    2011 年 15 巻 p. 28-37
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    デジタルアーカイブというコンセプトは今から15年近く前にあらわれてきた。当初は文化遺産がその主対象で、これらを高度なマルチメディア・デジタル技術で記録することが推進された。また地域振興の観点からは、デジタルアーカイブは各地域のアイデンティティ定義に適用された。いくつかの大きな事業が長続きしなかったなかで、当初一般的ではなかったアーカイブズ学とのタイトな結びつきを得ながら成長したデジタルアーカイブもある。そのアーカイブズ学についていえば、デジタル記録とネットワークによるアクセスは、現在必須事項となっている。本稿ではこのようなプロセスを、歴史的考察の観点から、事例を交えながら記述するとともに、将来への課題を提示する。

  • ―原理の整理の試みとして、あるいは「情報学は雄カマキリである」を想起して―
    水谷 長志
    原稿種別: シンポジウム
    2011 年 15 巻 p. 38-45
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
  • 谷口 知司
    原稿種別: シンポジウム
    2011 年 15 巻 p. 46-54
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
  • 発展的議論を進めるために
    森本 祥子
    原稿種別: シンポジウム
    2011 年 15 巻 p. 55-60
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー
論文
  • ―朝鮮総督府の山林資源記録を中心に―
    金 慶南
    原稿種別: 研究論文
    2011 年 15 巻 p. 62-88
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    本稿において筆者は、かつての帝国と植民地にまたがって記録が不均衡に残存する構造を分析するために,日本と植民地朝鮮の山林資源分野の行政決裁システムと原本の保存構造について検討した。その結果、法令、予算、人事に関する決定権限は日本の内閣にあり、主要な事項はすべて天皇の決裁を受けたことが明らかになった。これに伴い、関連する主要な記録の原本は全て日本の国立公文書館に所蔵されることとなり、韓国の国家記録院に残されている山林資源関連記録の原本は、そのほとんどが施行に関連する記録であることを示す。すなわち、朝鮮総督府記録が日韓に不均衡な形で残存することになったのは、戦争、日本人の引揚げなどによる廃棄・散逸も大きな原因だが、より根本的な理由として帝国と植民地の決裁システムにあることを指摘する。

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