Chem-Bio Informatics Journal
Online ISSN : 1347-0442
Print ISSN : 1347-6297
ISSN-L : 1347-0442
7 巻, 2 号
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  • 北島 正人, 箕輪 洋介, 松田 秀雄, 奥野 恭史
    2007 年 7 巻 2 号 p. 24-34
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/01/12
    ジャーナル フリー
    医薬品開発において、できるだけ創薬初期の段階で有効性・安全性の両面で優れた化合物を効率よく絞りこんでおくことが、創薬の戦略として重要である。この絞り込みの手法として、化合物構造の多様性を利用した化合物空間からサンプリングを行い、薬理活性をスクリーニングする手法が用いられるが、効率よく目的の有効性・安全性を持つ化合物を創出ができていないのが課題となっている。我々は、これらの課題を解決するために、有効性・安全性として重要な薬物動態特性の良い化合物を選択するために、薬物動態で重要なトランスポータタンパク質の情報を加味した化合物空間の構築および相互作用モデルの構築・評価を実施した。最初に、化合物とトランスポータタンパク質の阻害に関する相互作用情報から相互作用マトリクスを構築した。さらに、タンパク質情報を反映した化合物探索を実現するために、化合物とトランスポータタンパク質の相互作用情報を利用した正準相関分析( Canonical Correlation Analysis)を行い、トランスポータタンパク質の相互作用モデルを構築した。このモデル評価としてクロスバリデーションテストを実施して、良好な結果を得た。さらに、CCA軸によるバイオ空間に基づいた化合物空間を構築し、相互作用と相関するケミカル空間を実現することができた。
  • 崎山 則征, 柯 閏聡, 澤田 隆介, 園山 正史, 美宅 成樹
    2007 年 7 巻 2 号 p. 35-48
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/01/12
    ジャーナル フリー
    ヒトプロテオームにおいて電荷の28残基周期性を持ったタンパク質(PCP28)が発見され、PCP28の多くは核に局在していることが分かった(Ke et al., Jpn. J. Allp. Phys. 2007)。核PCP28と細胞質PCP28のアミノ酸配列の物理化学的性質を解析し、物性の差からそれら二つのPCP28を分類するシステムを開発した。核PCP28と細胞質PCP28の間で、配列全体からのグローバルパラメータと高い電荷密度を持つセグメント周辺のローカルパラメータにおいて大きな違いが見られた。グローバルスコアではプロリン密度、システイン密度、負電荷密度に差があり、ローカルスコアでは電荷分布のシンメトリ、システイン密度、正電荷密度に差が見られた。これら二つのスコアを用いて予測システムを開発した結果、予測精度は感度が92%、特異性が97%であった。また、核へのタンパク質の輸送メカニズムを、予測システムに関連するパラメータから議論する。
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