ヒトプロテオームにおいて電荷の28残基周期性を持ったタンパク質(PCP28)が発見され、PCP28の多くは核に局在していることが分かった(Ke
et al., Jpn. J. Allp. Phys. 2007)。核PCP28と細胞質PCP28のアミノ酸配列の物理化学的性質を解析し、物性の差からそれら二つのPCP28を分類するシステムを開発した。核PCP28と細胞質PCP28の間で、配列全体からのグローバルパラメータと高い電荷密度を持つセグメント周辺のローカルパラメータにおいて大きな違いが見られた。グローバルスコアではプロリン密度、システイン密度、負電荷密度に差があり、ローカルスコアでは電荷分布のシンメトリ、システイン密度、正電荷密度に差が見られた。これら二つのスコアを用いて予測システムを開発した結果、予測精度は感度が92%、特異性が97%であった。また、核へのタンパク質の輸送メカニズムを、予測システムに関連するパラメータから議論する。
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