Chem-Bio Informatics Journal
Online ISSN : 1347-0442
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ISSN-L : 1347-0442
7 巻 , 3 号
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Review
  • 九川 文彦, 渡辺 勝, 玉野井 冬彦
    2007 年 7 巻 3 号 p. 49-68
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/03/04
    ジャーナル フリー
    ケミカルバイオロジー/ ケミカルジェネティクス/ ケミカルゲノミクス(cb/cg/cg)は1990年代の後半に特にアメリカ合衆国(その誕生にはNIH Roadmapが大きな役割を果たした)で生まれた新しい学問であり、低分子量有機化合物を取り掛かりとして、生体内の生命反応をより詳細に明らかにしていこうとする、化学と生物学の橋渡しを目指した、非常にユニークな学問領域である。cb/cg/cgは3つのカテゴリー(ケミカルリブラリー、ハイスループッドスクリーニング、バイオインフォマティックス)から構成されるが、その中で特にケミカルライブラリーは重要である。ケミカルライブラリーは、天然物由来のそれと化学合成されたライブラリーの2種より構成される。天然物由来のライブラリーは、古くから(特に本邦を始めとするアジア諸国では)生薬由来の医薬品や抗生物質の起源として製薬業界で重用されてきた。これら天然物由来のケミカルライブラリーのもつ「化学物質としての多様性と複雑さ」をさらに向上させるために、1990年代末に、ハーバード大学のスチュワート・シュライバーのグループは、ダイバーシティーオリエンティッドシンセシス(DOS)という、低分子量有機化合物ライブラリー構築のための新しい概念を完成させた。DOSに基づいて構築された合成低分子量有機化合物ライブラリーは、NIH MLSCNを始めとするスクリーニングセンターや、UCLA MSSRのような独立型スクリーニングセンターにおいて活躍している。本総説では、cb/cg/cg研究の由来から説き起こし、天然物由来ならびに合成低分子量有機化合物ライブラリーをもちいたcb/cg/cg研究の最先端の成果をいくつか紹介する。また、シンプルな化合物を出発点とし、いかに複雑かつ多様な低分子量有機化合物を合成しているのかという、DOSの戦略についても考察したい。cb/cg/cgは、実質的には今世紀になって産声を上げたといってもよい新しい生命科学であるが、その「ポストゲノム時代」におけるインパクトは計り知れないものがある。
Original
  • 崎山 則征, 柯 閏聡, 澤田 隆介, 園山 正史, 美宅 成樹
    2007 年 7 巻 3 号 p. 69-78
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/03/04
    ジャーナル フリー
    ヒトの全タンパク質において電荷の自己相関関数の計算から、電荷の28残基周期性を持つタンパク質(PCP28)が最近発見された(Ke et al., Jpn. J. Appl. Phys. 2007)。PCP28の主な局在位置は核であった。核PCP28の生物学的意味を考察するために、我々が開発した予測システム(Sakiyama et al., CBIJ., 2007)を用いて、10種類の脊椎動物ゲノムと7種類の非脊椎真核生物から核PCP28を予測した。Swiss-Protデータベースによるとヒトの核PCP28の約90%は転写制御因子と考えられた。次に、脊椎動物ゲノムと非脊椎真核生物ゲノムに含まれる核PCP28の数を比較した。その結果、核PCP28は脊椎動物ゲノムにおいて顕著な増加を示すことが明らかになった。また、核以外のPCP28の割合は全ての真核生物でほぼ一定であった。これは、核PCP28が脊椎動物に特有のタンパク質である可能性を強く示唆している。
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