Chem-Bio Informatics Journal
Online ISSN : 1347-0442
Print ISSN : 1347-6297
ISSN-L : 1347-0442
4 巻, 1 号
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  • 木村 周平, 畠山 眞里子, 小長谷 明彦
    2004 年 4 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/04/24
    ジャーナル フリー
    マイクロアレイデータからの遺伝子ネットワーク同定問題は現在、バイオインフォマティクス分野における重要なトピックの一つとなっている。遺伝子ネットワークを記述するための有効なモデルの一つとしてS-systemモデルがある。しかし遺伝子ネットワークのS-systemモデル同定には多数のパラメータの推定が必要であるため、これまで少ない遺伝子数のネットワーク同定問題にしか適用されていなかった。以上のような遺伝子ネットワーク同定問題の高次元性を解決するために問題分割法が提案されている。これにより大規模な遺伝子ネットワークのS-systemモデルの同定が可能になってきた。しかしこれらの手法も、観測データ中のノイズを考慮していないため実際の遺伝子ネットワーク同定に適用することには問題がある。本研究では問題分割法を拡張することにより、ノイズの含まれたデータにも対応した手法の提案を目指す。具体的にはモデルのS-systemパラメータの他に、遺伝子の初期活性レベルを推定することにより、遺伝子間相互作用を正しく推定する確率を高める。
  • 森 健一, 畑 晶之, 根矢 三郎, 星野 忠次
    2004 年 4 巻 1 号 p. 15-26
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/04/24
    ジャーナル フリー
    我々は、イオン、コレステロール存在下において、生体膜の非対称性を考慮した2種類のリン脂質二重膜のモデルを構築し、その分子動力学(MD)シミュレーションを行ったので報告する。細胞膜の細胞外側はフォスファチジルコリン (POPC)で、細胞内側はフォスファチジルエタノールアミン (POPE)、及びフォスファチジルセリン (POPS)で構成した。MDシミュレーションの結果、コレステロールはより充填した構造を形成することにより、膜の安定化に寄与していた。さらに、膜の非対称性は、水分子の分布や膜厚にも影響していることが明らかになった。また、膜のPOPE/POPSによる混合性はイオン分布に影響し、その結果、Na+イオンはPOPSの分布に沿って分布していた。これらの結果から、膜の非対称や混合性は膜周辺の環境に大きく影響し、膜タンパク質にも何らかの影響を与えることが示唆された。
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