Chem-Bio Informatics Journal
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4 巻, 4 号
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  • 角元 慶二, 山中 生太, 浜田 知久馬, 吉村 功
    2004 年 4 巻 4 号 p. 121-132
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/10
    ジャーナル フリー
    標的タンパク質の受容体のタンパク質構造を特定し,対象となる被験物セットを定めたとき,in silico法の1つであるDOCKによるスクリーニングを行うと,単純にin vitro試験を用いるのに比べて,活性化合物選択がどれくらい効率化できるか,またそのためにはDOCKの出力変数をどのように利用するのがよいかを統計学的に検討した。検討では,327個の化合物のDOCK出力データと,ある基質に対して酵素反応を起こさせて生成物を測定するin vitro試験のデータを用い,in vitro試験で活性が50%以上のものを活性化合物とした。各被験物に対する108個のDOCK出力変数の中で相互に相関が高いものを一つの変数で代表させ,ロジスティック回帰モデルの変数増減法でゆるやかな変数選択,あるいは厳しい変数選択を行ったところ,それぞれ16個,3個の変数が選ばれた。これらの変数を用いてロジスティック回帰式でスクリーニングをしたときの性能評価を,ジャックナイフ法 (1個の測定値を除いた残りの測定値で除いた測定値を予測する性能評価法) で行ったところ,DOCKを用いたin silicoスクリーニングで被験物を約80%削減しても,感度80%,偽陽性率15%が確保できるという結果を得た。ロジスティック回帰による予測モデルを用いたin silicoスクリーニングは有用である。
  • 水田 智史, 棟方 光, アブリミティ エイメイティ, 大澤 研二, 清水 俊夫
    2004 年 4 巻 4 号 p. 133-141
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/10
    ジャーナル フリー
    人間の視覚による検知に基礎をおくカラーコーディング(CC)法を用い、3人の検索者によって Yersinia pestis, Deinococcus radiodurans, そして Haemophilus influenzae ゲノムから多くのタンデムリピートを検出し、検出されたタンデムリピートを比較することによってタンデムリピートを検索する上での検索者の個人差を調査した。我々はまた、CC法とタンデムリピートのアルゴリズミックな検索手法の一つである Tandem Repeats Finder (TRF) とを検索能力の上で比較し、CC法はTRFに比べてより長くかつより一致度の低いタンデムリピートを検出することができるということを示した。
  • 五味 雅裕, 園山 正史, 美宅 成樹
    2004 年 4 巻 4 号 p. 142-147
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/01/10
    ジャーナル フリー
    シグナルペプチドの3つのドメイン構造のアミノ酸配列に見られる物理化学的特徴に着目し、高精度なシグナルペプチド予測システムを開発した。予測システムは、疎水性の高いセグメントの検出、シグナルアンカーを含むシグナル配列の予測、シグナルアンカーとシグナルペプチドの判別という3つのモデュールからなる。このシステムでは高精度な予測のために、疎水性指標に加え、SS指標、SP指標を新たに考案した。真核生物のシグナルペプチド配列を、従来の方法より高精度で判別することができた(Matthewsの相関係数が0.89)。また、SOSUIsignalで最適化するパラメータはわずか5個であるため、極めて高速な予測が可能である。
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