植生史研究
Online ISSN : 2435-9238
Print ISSN : 0915-003X
23 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 中山 誠二
    2015 年 23 巻 2 号 p. 33-42
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/03/17
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    本稿では,レプリカ法によって確認された縄文時代のダイズ属種子圧痕を集成し,比較することによって,それらの大きさや形態の時間的変化を明らかにした。その結果,中部日本において縄文時代早期中葉(紀元前8 千年紀後半)から存在するダイズ属の種子が,縄文時代を通じて大型化し,特に紀元前4 千年紀後半の縄文時代中期以降,栽培型ダイズの種子が顕在化することが明らかとなった。この現象は,植物の栽培化に伴う一つの特徴である種子の大型化現象を示している。さらに,縄文時代のダイズ属種子は4 つの形態に分類され,野生種の利用から栽培化の過程で形態的な変化が生じ,複数の品種に分化した可能性を指摘した。
  • 小畑 弘己
    2015 年 23 巻 2 号 p. 43-54
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/03/17
    ジャーナル オープンアクセス
    日本・朝鮮半島・中国の新石器時代から青銅器時代の土器圧痕として検出される雑穀(アワ)資料の中には,野生種のエノコログサ属に似た,アワよりも細長い果実が含まれている。このような果実はアワ畠に生えていたエノコログサ属の雑草の果実が,アワ穂の収穫時に紛れ込んだものと考えられてきた。しかし,現生アワ穂の脱穀実験の結果,野生種のエノコログサ属型の細長い有粰果はアワの同じ穂内の果実の形態変異の一部であり,頴果が未成熟であることが多いこと,脱穀後の試料の中にもこのタイプの有粰果が含まれることが明らかになった。現生アワとエノコログサ属果実の形態比較に基づいて,これまで野生種のエノコログサ属と同定された圧痕を再検討した結果,その大部分がアワに同定された。脱穀・風選別実験後の,頴果を含む果実の状態とその産出割合に基づくと,アワ圧痕の母集団が脱穀後の生産物である可能性を示唆していた。
  • 工藤 雄一郎, 四柳 嘉章
    2015 年 23 巻 2 号 p. 55-58
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/03/17
    ジャーナル オープンアクセス
    Urushi-lacquered combs are among the most important artifacts characterizing the urushi lacquer culture of the Jomon period in Japan. We conducted radiocarbon dating of two lacquered combs of the Jomon period, one excavated from the Mibiki site of the late phase of the initial Jomon period and another excavated from the Torihama shell midden of the early Jomon period. Their dates were 6290 ± 30 14C BP (ca. 7200 cal BP) and 5310 ± 30 14C BP (ca. 6100 cal BP), respectively. These results show the comb from the Mibiki site to be one of the oldest remains of urushi-lacquered artifacts of the Jomon period and that from the Torihama shell midden to be of the late phase of the early Jomon period.
  • 漆掻き村訪問
    鈴木 三男, 能城 修一
    2015 年 23 巻 2 号 p. 59-64
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/03/17
    ジャーナル オープンアクセス
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