植生史研究
Online ISSN : 2435-9238
Print ISSN : 0915-003X
13 巻 , 1 号
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  • 守田 益宗
    2004 年 13 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/06/16
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    最終氷期最盛期の北海道中・北部の植生については,ツンドラあるいは森林ツンドラの存否が古くから論議されている。その解明には,森林が未発達な地域における花粉化石群の特徴を明らかにしておくことが不可欠である。そのため,根室半島から約3 km離れた森林植被のないユルリ島の湿原からミズゴケのmoss polsterを採取し,花粉分析を行い,植生と表層花粉の関係を調べた。島外から飛来した花粉は平均34.8 (19.7–54.5) %であったが,このうち平均9割を高木花粉が占めた。高木花粉のうち道南部以遠からの飛来花粉は平均2割を占め,その大部分はPinus subgen. DiploxylonとCryptomeriaであった。ユルリ島では夏の季節風の影響を強く受けて花粉が飛来・堆積する。採取地点周囲の非森林域の拡がりが大きい場合には,遠距離飛来してくる花粉の散布源も広範囲にわたり,花粉出現率に多大の影響を与える。遠距離飛来花粉と現地性の非高木花粉それぞれの多寡の判別により非森林域を区別できる可能性を見いだした。
  • 能城 修一, 鈴木 三男, 辻 誠一郎
    2004 年 13 巻 1 号 p. 13-23
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/06/16
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    浅間火山の東南部に位置する長野県北佐久郡軽井沢町の南軽井沢において,更新世最末期の埋没林の樹種を検討した。ここには浅間火山を起源とする過去25,000年にわたる多数の降下テフラと火砕流堆積物が堆積し,盆地状の地形の底にあたる部分に,標高950 mほどの平坦な面が広がっている。降下テフラ層や火砕流堆積物層の間には泥炭あるいは泥炭質の堆積物や土壌が堆積しており,しばしば埋没林を含んでいた。埋没林は浅間-雲場軽石流堆積物(As-Kb)の下位からMK-15の上位の更新世最末期の堆積物中に見られ,浅間-板鼻黄色軽石(As-YP;13,320±130~13,710±130 yBP)直下でとくに発達していた。浅間-板鼻黄色軽石(As-YP)直下の埋没林はトウヒ属とハイマツ近似種を主体とし,ネズミサシ属が伴っていた。埋没林は苔泥炭上と比べて草本泥炭上のほうが発達していた。トウヒ属とハイマツ近似種の植生が発達しない地域や層準では,トウヒ属とモミ属,カラマツ属が優占しており,乾いた立地上には現在の亜高山帯の針葉樹林のような森林が成立し,より湿った立地上にトウヒ属とハイマツ近似種の林が成立していたと想定された。As-YPで埋積された群馬県前橋市の同時期の木材化石群ではトウヒ属が優占し,カラマツ属とマツ属単維管束亜属がともなう組成となっており,この時期,針葉樹を主体とした森林がかなりの標高に渡って広がっていたことが想定された。
  • 大井 信夫, 三浦 英樹
    2004 年 13 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/06/16
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    北海道北部の最終氷期前半の泥炭質堆積物には利尻火山起源のテフラが数多くみられ,地層の対比や環境変遷を議論する上で重要な鍵層となる。豊富には後期更新世のテフラ,利尻アチャル(Rs-Ac)を挟む泥炭層がある。その花粉分析結果を周辺地域の分析結果と比較することで,火山灰層序から洞爺(Toya)の上位,阿蘇4(Aso-4)の下位に位置することが知られている利尻アチャルの降下時期を詳細に検討するとともに,北海道北部の最終氷期前半の環境変遷を明らかにした。Rs-Ac1降下を境に,この泥炭層の花粉群は落葉広葉樹の優占からトウヒ属の優占へ大きく組成を変え,明らかな気候の寒冷乾燥化を示す。Rs-Ac2降下後,カラマツ属が増加しさらに寒冷乾燥化が進む。この結果を近隣の羽幌・苫前におけるAso-4,Toya,クッチャロ羽幌(Kc-Hb)を挟む泥炭層の花粉分析結果と火山灰層序を基に対比すれば,Rs-Ac1は酸素同位体ステージ5bの寒冷期のはじめごろ,Rs-Ac2は最も寒冷な時期の直前に降灰したと結論される。
  • 能城 修一
    2004 年 13 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/06/16
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  • 佐々木 尚子, 河野 樹一郎, 高原 光, 杉田 真哉
    2004 年 13 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 2004年
    公開日: 2021/06/16
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