植生史研究
Online ISSN : 2435-9238
Print ISSN : 0915-003X
1 巻, 2 号
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  • 大井 信夫
    1993 年 1 巻 2 号 p. 49-57
    発行日: 1993年
    公開日: 2021/06/16
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    一遺跡内における花粉化石の空間的分布を解析し植物の分布,配置の復原を試みた。試料は兵庫県板井・寺ヶ谷遺跡の姶良Tn火山灰直下の泥炭を29地点で採取した。26の主要な花粉型の各地点の産出頻度の分布図を示し,その最大・最小・平均・変動係数(標準偏差/平均)を求めた。花粉型は産出頻度と変動係数に基づき,木本のA-I,A-II,A-III,草本のH-I,H-IIの5つのグループに分けられる。A-I,A-II,H-Iは変動係数が高く,局地的な要素と考えられ,A-III,H-IIは変動係数が低く,広域的な要素と考えられる。局地的な花粉型(A-I,A-II,H-I)の分布様式にもとづいて,遺跡内局所における親植物の分布を復原した。遺跡はトウヒ属・ヤナギ属・カパノキ属・トネリコ属・ハンノキ属の木本とミズバショウ属・キンポウゲ属・リンドウ属などの草本が生育する開けた林だった。
  • 百原 新, 藤澤 みどり, 小杉 正人
    1993 年 1 巻 2 号 p. 59-70
    発行日: 1993年
    公開日: 2021/06/16
    ジャーナル オープンアクセス
    東京湾北部,松戸市の開析谷谷底の縄文時代中期以降の大型植物化石群を記載し,植物化石群の堆積環境の層位変化を考察した。植物化石群を下位よりI帯,11帯,Ⅲ帯に分帯した。I帯の植物化石群は,縄文時代中期,約4500~4000年前の砂層に狭在し,自生堆積性が低いと考えられ,復元される古植生の広がりは開析谷谷底から谷壁斜面を含む広い範囲におよぶ。木本は主にコナラとハンノキを含む落葉広葉樹種から構成され,常緑広葉樹を含まない。11帯の植物化石群は,約4COO年前以降,谷底部に抽水植物が繁茂することによって形成された草本泥炭に含まれる。草本とハンノキ,フジは自生堆積性が高いと考えられるが,ハンノキとフジ以外の木本の種実は,谷壁の生育地から烏によって谷底部まで運搬され,堆積したと考えられる。Ⅲ帯の植物化石群は中世以降の水田堆積物に含まれ,水田雑草が多い。縄文時代の東京湾北部周辺で材や大型植物化石がまれにしか産出しないアカガシ亜属とスギは,当時の植生中での個体数は少なく,分布が限られていたと考えられる。
  • 杉山 真二
    1993 年 1 巻 2 号 p. 71-72
    発行日: 1993年
    公開日: 2021/06/16
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  • 百原 新, 印 開蒲, 山川 千代美, 古 明選
    1993 年 1 巻 2 号 p. 73-80
    発行日: 1993年
    公開日: 2021/06/16
    ジャーナル オープンアクセス
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