再生可能エネルギーを大量に導入する際には，様々な時間，空間スケールの気象現象の変動の影響を考慮することが必要である．本研究では，太陽光発電や太陽熱利用へ影響する日射量を対象とし，時系列データの複雑性を示す量としてSample Entropy（SE）を導入することで日射量の変動の特徴を解析した．SEは日射量の分スケールから月スケールの変動の特徴をよく表すことが確認された．また，日射量の変動には地域による特徴があることを示唆する結果を得た．このような日射量の変動の複雑さが日射量予測の精度に影響する可能性も考えられる．

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分数階微積分とは，従来の整数階で表された微積分を非整数階へ拡張した作用素であり，分数階微積分を用いることでリチウムイオン電池のインピーダンス特性を少ないパラメータで正確に表現できることが知られている．本研究では分数階微積分で表されるシステム（分数階システム）を対象とした適応観測器をリチウムイオン電池に用いることで，電池の状態推定を行えることを示す．

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本稿では，曲げ・せん断モードで動作するＬ字型ＰＺＴ振動発電装置によるエネルギー回生について実験的に解析し，電力とエネルギー出力が従来型曲げモードのＰＺＴ振動発電装置より優れていることを検討したので報告する．

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電力系統の新しい制御手法として確率モデルに基づいた最適制御アルゴリズムの導入が検討されている．それらの提案は理論上，通信障害に対してロバストに設計されている．しかし万全を期すという観点から，想定される通信インフラを用いた大規模EMSをシミュレータ上に構築し，実際のネットワーク環境下での性能を評価しておくことが必要不可欠である．そこで本研究ではOMNeT++を用いて実際のEMSを想定した大規模なシミュレータを構築し，8000ノードまでの評価を行った．コンセントレータ1台に対し，800ノードを超えた場合に通信遅延が著しく大きくなることがわかった．

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近年，電力システムに対するサイバー攻撃に対するセキュリティへの関心が高まっている．電力系統と監視制御用通信の双方の情報を利用したサイバー攻撃によって発生する異常の検知手法を開発するためには，電力系統ネットワークと制御通信ネットワークが適切に連携させた環境で，正常時の運用データに加えて，サイバー攻撃時の運用データを取得がある．しかし，現在，そのようなデータを容易に取得できるオープンテストベッドは存在しない．そのようなデータを取得するためには，実機を組み合わせて模擬環境を構築するしかなく，さまざまな状況を想定して研究を推進することは非常に困難である．本稿では，我々のグループで構築している電力系統ネットワークと制御通信ネットワークの連成シミュレーションフレームワークについて紹介する．

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本研究では耐戦略性と個人合理性を考慮した直接負荷制御により，系統周波数制御の安定化を行う事を考える．まず，電力需要家と電力系統について数学的なモデル化を行う．そして，電力需要家と電力系統運用者の経済的効率性を考慮した直接負荷制御による系統周波数の制御方法を提案する．それと同時に，GrovesメカニズムとClarkeメカニズムを用いた電力料金の設計を行う事で耐戦略性と個人合理性の保証を行う．最後に，数値シミュレーションを通した検証を行う事で提案手法の有効性を確認する．

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本稿では電力市場参加者の行動不確かさを考慮したH∞制御に基づく動的電力価格決定について扱う．動的電力価格決定では市場参加者である各地域の電力需要家および電力供給者の電力消費および発電行動に基づいて電力価格の決定を動的に行うが，その各市場参加者の行動には不確かさが存在する．そこで本稿ではH∞制御に基づいて電力価格を決定することにより，市場参加者の行動不確かさに対してロバストな地域別電力価格決定手法を提案し，さらに数値シミュレーションによりその有効性の検証を行う．

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本研究では， 太陽光発電出力の予測を行い， その予測値から電力需要の計画を立て，MPCによりその誤差を修正した当日運用をする．まず， 太陽光発電実験機, GPV, 気象庁のデータから回帰モデルを立てる． その回帰係数から翌日のGPVデータを用いて太陽光発電出力予測を行う． 次にビルの空調をモデル化し，時変な電力コストの中で需要家の利益が上がるかつピークカットが施工されるようにシステムを設計して需要計画を立てる．さらに予測値と真値との誤差をMPCにより修正していく． 最後にシミュレーションにより， その有効性を検証する．

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This paper proposes a robust decentralized output feedback control scheme for a two-area interconnected power system. The control objective is to reduce frequency and tie-line power deviations due to load variations. The decentralized control problem is converted to scaled H-infinity control problem and an algorithm based on LMI is offered to obtain the decentralized controller. Further, parameter uncertainty is taken into account in the controller design to achieve robustness. Simulation results show the proposed method is effective.

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近年，再生可能エネルギーに対する期待が高まっているが，太陽光パネルや風車等の電源は従来電源に比べ発電量の不確実性が高いため，大量導入に際しては適切な設備投資を行うことが必要不可欠である．本研究では，再生可能エネルギーの大量導入を目的とした，最適な太陽光パネル・蓄電池のサイズを決定するための投資計画問題を考える．太陽光発電量の不確実性に対処するため，ロバスト最適化手法を用いて設備投資計画問題を構築し，効率的な解法の提案を行う．

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再生可能エネルギーの大量導入が求められているが，同時に系統故障等のリスク抑制が必要である．電力貯蔵装置の導入はリスク抑制のための有効手段であるが，高コストのため最小限の導入が望ましい．本研究は，太陽光発電と電力貯蔵装置の配置と系統運用を同時に考慮できる最適化問題を定式化し，基幹系統故障時に発生する供給不足・余剰電力の抑制を目的とした太陽光発電と電力貯蔵装置の最適配置を得た．その結果，供給不足と余剰電力の双方を考慮した場合の耐故障性が配置と系統運用に与える影響を示した．

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電力系統に太陽光発電を導入する際，発電量の不確実性により蓄電設備の設置が不可欠であるが，高額な設置コストが問題であった．高いため導入は必要最小限とする必要がある．そこで本研究では，電力不足・余剰量の期待値に制約を課しつつ，設置コストを最小化する問題を解く． 提案手法を用いることで，系統上の各ノード・各時刻における電力の需給バランスや，電力潮流を考慮に入れた電力網の最適化を実現できる．

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本論文は常電導吸引式懸垂形磁気浮上搬送装置の非可動式分岐装置に用いる電磁石の配置と磁気特性について実験を行ない非可動式分岐が可能であるか検討した．新たに考案した非可動式分岐レール部は非可動式構造なので，分岐用センサの取りつけ位置と分岐用電磁石の制御を検討する必要がある．そこで，水平面上に分岐用センサを用いて，浮上装置の側面に取り付けた電磁石により軌道変更可能であるかを実験により検証したので報告する．

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磁気浮上搬送車では，搬送車側に電力を供給する方法として従来パンタグラフのような一部接触を許す方法が用いられてきた．本研究では，太陽光発電技術を応用し電力を供給して，完全非接触である搬送装置の製作と特性を取得した．

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著者らは，単一の電磁石あるいは単一のアンプを用いて複数の浮上体を同時に制御する多重式磁気浮上システムを提案し，その基本特性を明らかにしている．電圧制御型並列接続式並列二重磁気浮上システムにおけるゼロパワー制御では，制御電圧，片側のコイル電流，およびコイル電流の和の積分値を局所フィードバックする方式のコントローラが考えられる．本報では，これら三つの方式のゼロパワーコントローラを内包したシステムにおいて，極配置を用いた比較を行った結果を報告する．

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薄鋼板生産ラインの搬送工程において，鋼板は主にローラによる接触搬送が行われているために表面品質の劣化という問題が発生している．この問題に対し，当研究グループでは柔軟鋼板を塑性変形しない範囲で曲げた状態で浮上させる湾曲磁気浮上を提案している．これまでに湾曲浮上させることで浮上中の振動が抑制され，浮上安定性が向上することを確認している．しかし，浮上中の薄鋼板に外乱を入力した検討は十分になされていない．そこで本報告ではランダム外乱を入力した湾曲浮上性能について検討を行った．

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薄鋼板は各種工業製品に広く用いられているが，搬送工程におけるローラの接触によるメッキの不良や表面品質の劣化が生じている．この問題の解決方法として，当研究グループは水平方向からの磁場のみを用いて柔軟な鋼板を非接触支持する手法を提案している．本報告は電磁石中心から鋼板が大きく変位した際に，水平方向からの磁場によって鋼板に加わる鉛直方向の支持力について電磁界解析を行い，得られた解析結果について検討を行った．

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我々は，システム構成が簡単な一点支持式磁気浮上装置を製作した．搬送装置として利用する際には加減速時に振動が生じるが，振動の収束時間が自然収束より明らかに短いことが確認できた．そこで３次元リアルタイム磁場解析ソルバQmで鉄板に流れる渦電流を解析し，速度抵抗および角速度抵抗を求めてシミュレーションを行い実機の動きと比較し振動減衰の原因が渦電流であることを確認した．本稿では鉄板だけでなく永久磁石と鉄心に流れる渦電流から速度抵抗および角速度抵抗を求めてより精度の高いシミュレーションを行い実機の動きと比較する．

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隈取巻線形誘導電動機を応用した磁気浮上モータを提案する．本磁気浮上モータは１つのアンプにより浮上・回転が可能なため，従来の磁気浮上モータに比べ構成を簡略化できるという特長を持つ．本稿では，理論展開により，単相交流でロータの浮上・回転制御ができることを示す．そして，ＦＥＭ磁場解析によって，理論展開の妥当性を示す．さらに，磁場解析結果に基づいて実験装置を設計する．

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精密品を搬送するとき，振動などの動的外乱を受けて損傷することがある．現状はクッション材包装により危険を軽減しているが，外乱の影響を制御するような防振搬送装置が望まれる．ここではムービングコイルを用いた搬送台を設計試作し，定電圧駆動実験から搬送台の磁界分布とコイルに作用する摩擦力を求めた．これをもとに外乱に対する位置決め制御実験とシミュレーションを行った結果，搬送台位置は目標値に収束し，ムービングコイルを用いた防振搬送装置が可能であることを示す．

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本稿では5軸能動形磁気軸受における不釣り合い振動補償器の切替方法について示す．PVCはゲインと位相を任意に操作することができ，PGC，ABSの両特性を得ることが可能である．PGCは低速回転(0-1,600 rpm)において，ABSは高速回転(1,600-6000 rpm)において，振れ回り抑制に効果的であると指摘されている．PVCを用いて，位相進みを与えたまま，PGCからABSへ連続的に切り替えることによる切替時の振れ回りを考慮した切替方法を提案する．さらに，実機実験から提案する切替方法が最も振れ回りを抑制できることを示す．

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近年，安定多様体法と呼ばれる，Hamilton-Jacobi方程式の数値解法が開発されたことにより，非線形最適制御はより現実的な制御設計法となってきた．この手法は，POD-Galerkin法による縮約を導入することで，非線形分布定数系にも適用が可能になってきた．本稿では，この安定多様体法により設計された，非線形分布定数系の最適制御器の外乱に対するロバスト性について述べる．

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半凹制御Lyapunov関数(半凹CLF)による不連続状態フィードバック制御則は，非可縮多様体上のシステムに対する有力な制御系設計法である．しかしながら，バックステッピング法のように，システムの構造を利用して，階層的に半凹CLFを設計する方法は提案されていない．そこで本発表では，半凹CLFを用いた，非可縮多様体上のシステムに対するバックステッピング法を提案する．提案法は，半凹関数が微分可能関数の最小値として表される性質を利用して，拡大系に対する半凹CLFの設計を行うものである．

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近年，非線形システムを取り扱う手法として，システムを線形に変換して制御を行う一般的な方法とは別に，非線形性を直接取り扱う理論も盛んに研究されてきている．非線形最適制御はその一つであり，近似を用いない本来のシステムに対し最適性を導入できるという面で大きな利点が得られる．ここでは非線形制御のテストベッドとしてAcrobotと呼ばれる非線形性の強い劣駆動装置の制御について考察する．非線形最適制御則を設計するためのハミルトン・ヤコビ方程式の数値解を安定多様体法と呼ばれる手法を用いて計算し，それによって得られる最適制御則をAcrobotに適用する．

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従来の状態予測制御に基づく最適制御理論は，入力遅れを有する線形システムに対して有効であった．そこで状態予測制御理論を拡張し，入力遅れを有する非線形システムに対する最適制御法を提案する．状態変数の変換を行うことで入力遅れを有する非線形システムを集中定数系で表せることを示し，変換された集中定数系に対してハミルトン方程式を導出，安定多様体法により解を求める非線形最適制御系設計手法の提案を行う．

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線形制御論において，伝達関数行列が対称行列となるようなシステムは，ある種な宇宙構造物を表現するなど，いくつかの特徴をもつクラスのシステムである．本研究では，非線形系に対する対称性，特制御系を入出力の写像であると見なしたときに，対称性がどのように定義されうるかについて議論する．

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DC-DCスイッチングコンバータおよび直流モータ駆動回路における制御特性の重要性について講演する．スイッチング電源では，ＬＣの２次特性に回路の遅延特性が加わり，非常に不安定になりやすい．この解決には一般に，位相進み補償で対応するが，最適な位相補償が望まれる．また，電圧オフセットの解消には，一般に位相遅れ補償により直流ゲインを十分高くして対応する．この場合も，補償フィルターの極・零点の設計が重要になる．このような位相補償の最適化により，スイッチング電源の過渡応答特性の改善が望まれる．

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　SMPS(Swiching-Mode Power Supplies)の負帰還設計は一般的な増幅器の負帰還設計と異なり，出力コンデンサのESRの影響やCCM(Continuous Conduction Mode),DCM(Discontinuous Conduction Mode),過剰位相系等の事項を考慮しなくてはならない．このため電源回路の負帰還設計は難しいと感じている電子回路設計者が多い．　筆者は群馬大学で組織された若手電子技術者養成プロジェクト「アナログナレッジ」のSMPS実習セミナでシミュレータを使った設計方法を解説している．　実習では受講者にシミュレータを使って負帰還設計させ，教材基板に素子を実装し，FRA(Frequency Responce Analizer)で実測・評価させている．この論文ではその一例を解説する．

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This paper describes a simple-yet-effective control method for a DC-DC buck converter with voltage mode control (VMC), with a triangular wave generator (TWG) which regulates the slope of triangular wave based on the input and output voltages of the converter. Using the proposed TWG, both the load and line transient responses are improved. Since the TWG provides a line feed-forward control for the line transient response, it increases the open-loop bandwidth, and then better dynamic performance is obtained. Additional required circuit components are only a voltage controlled linear resistor (VCR) and a voltage controlled current source (VCCS). Compared with the conventional voltage control, the proposed method significantly improves the line and load transient responses. Furthermore this triangular wave slope regulation scheme is simple compared to digital feed-forward control scheme that requires non-linear calculation. Simulation results shows the effectiveness of the proposed method.

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FPGAやASICなどのLSIの直近に配置される電源回路であるPOL(Point of Load)コンバータは，通常は非絶縁型の降圧DC/DCコンバータが用いられ，これらは電源ICとして集積回路化されている．このような電源ICの設計には，トランジスタ・レベルの集積回路設計から制御システムの上流設計まで幅広い知識が求められる．特に重要なのは制御システムの設計であり，これが最終的な電源性能を決定するが，この制御システムの設計は容易ではない．本講演では，非絶縁型の降圧DC/DCコンバータを題材とし，制御システムからのトップダウン設計を試みたのでこれを発表する．

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非線形なDC-DCコンバータのスイッチング素子の電流・電圧波形をスイッチングの１周期で平均化した回路モデルを解説する．平均化された波形に線形化された小信号を加えることによりDCと小信号ACモデルが導き出される．これによりスイッチング周波数より十分低い回路の固有周波数領域で周波数応答特性を予測でき，物理イメージを押さえた制御が可能になる．本方法は，PWM型（電流連続モード及び電流不連続モード）と共振型のDC-DCコンバータに適用できる．

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熱音響システムが発振開始する臨界温度比を実験的に推定するために，各温度比で管内圧力が一定となるように音源で強制加振することが行われている．しかし，その駆動信号の周波数を温度比毎の共振周波数に一致させ，振幅を手動調整する必要があり，計測の省力化が望まれる．本研究では，圧力を音源の駆動信号とする閉ループ制御のゲインを大きく設定・自動調整することにより，閉ループ系を不安定化・一定振幅で発振させる適応制御を提案する．実験により圧力振幅が目標値に収束すること，ゲインと温度比が臨界温度比でほぼ 0 となる直線関係となること，従来結果と同様の発振周波数が得られることを示す．

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これまでに，秋場らにより最小射影法とQ-learning用いて格子状迷路における学習結果を反映した準大域的な制御Lyapunov関数(CLF)の設計法が提案されている．行動価値関数に初期値を与えることにより学習を高速化できる可能性があることが示唆されているものの，従来法では行動価値関数に初期値が与えられている場合にどのように影響があるのかという議論はなされていない．そこで，本研究では秋場らの手法において，行動価値関数の初期値を変化させたときの，CLFが設計可能になるまでの探索回数について調査を行う．

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中村らによって提案された動的な銅損最小化を考慮した埋込磁石同期電動機(IPMSM)のトルク制御では，IPMSMのパラメータ変動を考慮しておらず，不安定な動作を観測した．この問題に対して青木らは，パラメータの変動に対応した適応制御に拡張し，制御則を設計した．シミュレーションによってその有効性は確認されたが，実機実験による検証は行われていなかった．そこで本研究では，青木らによって提案された適応制御則の有効性を実機実験によって明らかにする．

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近年，船舶の運航は，自動化の必要性が高まっている．しかし，従来から自動操船に用いられてきたPID制御は，外乱や船舶の非線形等の影響に より著しく制御性能が低下してしまう場合がある．本研究では，操船性能を向上させるため，スライディングモード制御器に未来の目標値を利用した予見制御を付加した予見スライディングモード 制御系に適応機能を付加した制御手法を提案し，船舶の幅寄せ制御に適用した．提案手法の有効性は実船実験によって検証した．

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入力を有限通りに制限した倒立振子に対して，各サンプル時刻で適切な入力を与えることにより振子の終端位置・速度を制御し，ある目標とする位置に設置された物体に衝突させることを目的とする．　探索に基づく最適化により制御目的を達成する入力時系列を取得し，それらからニューラルネットワークにより制御器を設計する手法を提案する．また，その効果をシミュレーションにより確認する．

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本発表では，耐故障性を有する多入出力サーボ系における故障発生時の過渡応答を抑制する手法を提案する．具体的には，故障発生を故障前のモデルから故障後のモデルへの切り替わりと見なすことで，システムの切り替わりに伴う過渡応答の大きさの評価指標（切替えL2ゲイン）を設計の評価関数として導入し，従来の同時H∞設計問題を同時切替えL2ゲイン設計問題に置き換える．さらに故障箇所からの外乱の影響も考慮することで，故障発生に伴う過渡応答の乱れを抑制する．また，提案法の有効性を数値例を通して示す．

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本発表では，周期時変系を扱うためのサイクリングと呼ばれる手法を活用した，線形周期時変系および線形時不変系のロバスト安定解析のアプローチ（周期時変スケーリング）について論じる．Part 1 では，まずこの手法において重要な役割を果たすセパレータと呼ばれる周波数依存の行列に関する無限行列表現を導出する．そして，同じく周期時変系を扱うための手法であるリフティングを通した周期時変スケーリングのアプローチとの比較をこの無限行列を通して行うことで，上記２つのスケーリング手法の間に成り立つ関係を示す．

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本発表では，サイクリングに基づく周期時変スケーリングによるロバスト安定解析のアプローチについて論じる．Part 2 では，ロバスト安定解析におけるサイクリングに基づくスケーリングの性質を解明するため，このアプローチにおいて扱うセパレータのクラスを，理論的かつ数値的に取り扱いが容易な FIR で特徴づけられるものに限定する．そして，その限定のもとでサイクリングに基づくスケーリングに関して成り立つ事実を，Part 1 で得られた結果を活用して明らかにする．また，得られた結果の妥当性を示すために数値例による検証を行う．

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The simple multi-period repetitive control system was proposed by Yamada et al. in order to specify the input-output characteristic and the disturbance attenuation characteristic more easily than the multi-period repetitive control system. In addition, Yamada et al. clarified the parameterization of all stabilizing simple multi-period repetitive controllers. Recently, Sakanushi et al. proposed the parameterization of all robust stabilizing simple multi-period repetitive controllers for multiple-input/multiple-output time-delay plants with uncertainty. However, using their method, it is complex to specify the low-pass filter in the internal model for the periodic reference input of which the role is to specify the input-output characteristic. Because, the low-pass filter is related to three free parameters in the parameterization. To specify the input-output characteristic easily, this paper proposes the parameterization of all robust stabilizing simple multi-period repetitive controllers for multiple-input/multiple-output time-delay plants with specified input-output characteristic such that the input-output characteristic can be specified beforehand.

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従来のロバスト性能に関する設計法は小ゲイン原理に基づいており，不確かさのゲイン情報のみを利用する．しかしながら，実際には位相情報に特徴を持つ場合がある．そこで，本研究では位相角が-90度から90度の範囲にある正実型不確かさを扱う．このシステムの入出力信号が持つ特性に着目し，ロバスト性能に関する設計のためのLMI条件を導出する．数値例を通し有効性を検証する．

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The multi-period repetitive control system is a type of servomechanism for a periodic reference input. When multi-period repetitive control design methods are applied to real systems, the influence of uncertainties in the plant must be considered. In some cases, uncertainties in the plant make the multi-period repetitive control system unstable, even though the controller was designed to stabilize the nominal plant. The stability problem with uncertainty is known as the robust stability problem. Chen et al. proposed the parameterization of all robust stabilizing multi-period repetitive controllers for time-delay plants. However, their method cannot be applied to multiple-input/multiple-output time-delay plants. In this paper, we propose the parameterization of all robust stabilizing multi-period repetitive controllers for multiple-input/multiple-output time-delay plants.

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マスタ・スレーブシステムにおいて， 時間遅れ要素はシステムを不安定化する要因である． 本稿では， 従来の保守的になりがちなロバスト安定条件をμ解析を用いてより厳密に表現し， 時間遅れに対し安定性を維持しつつ， 操作性や制御性能を向上させる手法を検討する． そして， 適切な周波数重みを導入することにより， シミュレーションでその効果を数値的に確認する．

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先行研究においてはモデルと制御対象とのギャップを小さくするためのモデル誤差抑制補償器を提案している．通常のロバスト制御では制御器の設計を行うのに対して，本手法はモデルとのギャップの抑制に特化した手法である点に従来にない特徴がある．本稿では，非最小位相系に対してモデル誤差抑制補償器を構成する方法について考える．

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非干渉化行列がノルム有界型の不確かさを持つシステムに対して，分散型PID制御系がロバスト安定となる条件を示し，ロバスト安定性を実現する設計法を提案する．

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本発表では，確率的ポリトープと呼ぶランダム行列からなる集合に関して，その族を導入する．そして，その集合族で特徴づけられる離散時間確率系に対するロバスト安定化状態フィードバック設計を論じる．確率的ポリトープを用いることで，対応する確率系の背後にある確率分布に関する不確かさを扱うことが可能である．本発表では，そのポリトープ集合を概念的に拡張することを通して，より広いクラスの不確かさを扱うことが可能なロバスト安定化設計の基礎を構築する．

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頭部伝達関数を用いて人の聴覚機能を模擬した音源分離システムは両耳聴モデルと呼ばれ，補聴器への応用が期待されるが，既存の両耳聴モデルは前後の音源を区別することが難しい．その理由は音源の方位特性を用いていることにある．そこで本報告では前後の音源を区別可能な両耳聴モデルの確立を目的として，単チャンネル音源分離を前処理とした両耳聴モデルを提案し，シミュレーションにより原理確認を行った．その結果，本手法により音源分離が可能であることが示された．

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本稿では，著者らが提案しているアフィン結合ラティスアルゴリズムに基づく適応ノッチフィルタの収束特性について議論する．提案法では，適応アルゴリズムにおける平均更新項の特性を改善することによって，従来法よりも理論的に高速な収束特性が得られる．本稿ではこの高速な収束特性を，単一正弦波の周波数推定の計算機シミュレーションによって実証する．さらに本稿では，定常状態における周波数推定値と真値との平均二乗誤差を考慮したシミュレーションを行い，この結果においても提案法が従来法よりも高速となることを示す．

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ディジタルフィルタのハードウェア規模削減の試みとして，フィルタ係数の個数を低減するスパースFIRフィルタが注目を集めている．スパースFIRフィルタの設計において単純に値が小さい係数を零にした場合は，フィルタの特性が劣化する問題がある．本稿では，IPSO(Independent-minded Particle Swarm Optimization)を用いたスパースFIRフィルタの設計法の検討を行う．検討手法では，まずスパースFIRフィルタを設計するために，評価関数に係数の値が零になるようなペナルティ項を組み込み，IPSOにより係数が零となる場所を見つける．次に，その係数が零となるような制約の下で，半正定値計画問題を用いてミニマックス近似を行う．設計例により，検討手法の有効性を確認する．

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本研究では，周波数標本化を必要とせず，帯域通過や帯域阻止といった周波数選択特性を有するディジタル微分器の設計法を紹介する．さらに，設計する有理伝達関数の最大極半径は指定可能であり，閉じた形で解が得られるという特長がある．

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