現代イギリスの学士学位(Bachelor Degrees)は,1800年の試験学則(Examination Statutes)制定に始まるオックスフォード大学の学位試験制度改革にその淵源を求めることができよう.いわゆる優等学位試験制度(Honours Examination System)の成立であり,これはやがて他の大学にも拡がっていった.イギリスの学士学位プログラムとは一体,どのようなものなのか.学士学位の構造と内容はどのようになっているのか.本稿はこの問題を,1892年度版『学生便覧』(The Student’s Handbook to the Universityand Colleges of Oxford, Twelfth Edition, Oxford,1892)を手がかりに,学士学位のモデルとなったオックスフォード大学の古典学(Literae Humaniores)優等学士学位の事例に即して具体的に明らかにしようとするものである.
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