この論文では、Dubois と Prade によって提案されたトール集合について、その補集合、t-ノルムおよびコノルムを考察する。また、トール集合の応用について2つの例を挙げる。すなわち、次のことを示す。1. トール集合Tの補集合を N(T) とするとき、N(N(T))=T となる補集合を定義する(これはDubois, Prade が提案した補修合の定義とは異なる)。2. この補集合を用いて、トール集合上のt-ノルムと t-コノルムを定義する。また、ミンコフスキーノルムの形の t-ノルムについて考察する。3. トール集合上の t-ノルムとt-コノルムとファジィ集合上の t-ノルムと t-コノルムとが、トール集合とファジィ集合との間の1-1写像によって完全に対応していることを示す。 4. 一つの応用として、意思決定問題に t-ノルムの最小化を利用することを考える。ミンコフスキーノルムの形の t-ノルムが凸関数となるため、比較的最適化しやすいからである。 5. トールグラフにもとづく階層的クラスタリングの意義について述べる。
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