ファジィ目標とファジィ制約を伴う多目的線形計画問題の解法には, まずクリスプな問題に変換し, 通常の最適化法によりその解を求める手法が多い.しかし, これらの手法の多くは変換後の制約式の数が数倍に増大し, 実行時間が飛躍的に増大したり, 変換後の問題が非線形となり, 計算が複雑になるという問題点をもっている.最近, これらの問題点を改善した実用的な変換法がLee-Liによって提案された.本論文では, Lee-Liの提案した2段階アプローチを改良し, 効率よくファジィ多目的線形計画問題を解くための新しい計算法の提案と, 数値実験による従来の手法との比較結果について報告する.すなわち, Lee-Liの手法の第1段階と第2段階を包含する問題の定式化を行い, その解法に逐次二分法の考え方を導入した手法を示す.提案手法は, 対話型の導入により, 得られた解に意思決定者が満足できないような場合にも対応できる利点をもつ.
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