比較的長い軸受幅を有し, しかも, 一端に張り出し荷重を有する船舶の船尾管軸受では, 軸が傾斜するため軸受荷重が一端に片寄り, いわゆる, 片あたり状態となる.
したがって, この種の軸受は一般の軸受に比べ過酷なものである.これは特に船舶の大形化にともない大きな問題となる.
そこで, われわれはこの種の軸受の諸特性, 特に低速回転域における摩擦特性および焼きつき条件について, 軸受径200mmの軸受試験機により実験研究を行なった.
これにより次のような結果が得られた.
1) 起動時あるいは極低速回転域での摩擦特性およびその他の諸特性が得られた.
2) 流体潤滑と境界潤滑との境界を定量的に表わすことができるようになった.そして, また, 境界潤滑領域における摩擦係数を求める実験式が得られた.
3) 片あたり軸受の焼きつき条件を予測する手がかりが得られた.
抄録全体を表示