ユニフロー式二サイクルディーゼル機関の燃焼室壁部材の熱負荷の軽減を目的として, その供給空気量と燃焼室壁温度との関連を見出すべく, タービンノズル面積変更, ブロアディフユーザ内径変更, 掃気放出によって, 機関への供給空気量を系統的に変更する過給機変更実験および掃気温度, 燃料噴射時期, C重油燃焼について運転条件変更実験を実施してつぎの結果を得た.
(1) 熱負荷影響因子を検討し, 供給空気量に対するサイクル特性値としてシリンダ充てん空気量に対する空燃比および掃気体積係数を定義して測定壁温を解析して, 両因子の壁温に対する定量的影響特性を得た.特に, 掃気または吹抜け空気は燃焼室中央に対して残留ガス加熱効果をもつことがわかり, 熱負荷影響因子として考慮すべきことがわかった.
(2) 上記のサイクル特性値の代用として測定可能な総空燃比および掃気圧力係数を定義し, その壁温に対する影響特性を得た.特に, 後者が排気弁温度を, 前者がその他の部材温度を一義的に定めることがわかった.
(3) 上で得た影響因子の特性によって, タービンノズル面積, プロアディフューザ径, 給気量, 掃気温度, 燃料噴射時期, C重油燃焼に対する定量的壁温特性が明らかになった.
(4) 周方向, 断面, 表面温度分布を解析し, その特性を得た.
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