Background :日本における医薬品の有効性と安全性に関する比較観察研究は、わずかしかない。比較観察研究は、それらの問題に関する重要な情報を提供し得るものであり、我々は、このような研究を容易にするメカニズムを確立する必要がある。比較観察研究においては、選択バイアスによる結果の偏りを防ぐことが重要である。我々は、未だ薬剤疫学研究に利用可能なデータベースを持たないが、現在、多くの医療機関や保険薬局は、選択バイアスを最小にすることに用い得るコンピュータ化された処方データを持っている。コンピュータ化された処方データを用いる研究において、比較する2つ以上の医薬品のうち1つが処方された患者を特定するための優れた標準的な手順は、日本におけるさまざまな薬剤疫学研究の基盤となるだろう。
Methods :我々は、コンピュータ化されたデータを、ある特定の医薬品を使用した全適格患者を特定することに用いる施設の割合を推定するために、2753施設の病院と909の保険薬局に対する調査票による調査を実施した。
Results :2753施設のうち1942 (71%)、および909保険薬局のうち632 (70%) から調査票が返送された。回答のあった施設のうち、患者が特定された、患者リストがプリンターから印刷された、および患者リストの電子ファイルが作成されたのは、おのおの、1942病院の75、64、36%、632薬局の100、93、40%であった。
Conclusion :コンピュータ化された処方データを用いた手順により、比較観察研究のためのコホートを、大多数の病院や薬局において、選択バイアスが最小な状態で特定し得る。
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