極限平衡法による非円弧すべり斜面安定解析にしばしば用いられるMorgenstern-Price法とSpencer法の力のつり合い条件式とモーメントのつり合い条件式を比較検討した。その結果より, Spencer法と近似的なモーメントのつり合い条件式を用いたMorgenstern-Price法とが同義であることを明らかにし, 両者の安全率にわずかな差が生ずる理由を示した。そして, 解析例をとおして, 両解析式の相違に起因する解の特徴を示した。また, これらの力学的つり合い条件には, 鉛直分割法としての一般性があるため, Janbu法と類似した内力の仮定式に基づいても, Spencer法の力学的つり合い条件を満足する解析が可能であることを示した。
抄録全体を表示