日本看護技術学会誌
Online ISSN : 2423-8511
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3 巻, 2 号
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原著
  • 島田 多佳子
    2004 年 3 巻 2 号 p. 5-12
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2016/10/25
    ジャーナル フリー
    本研究は, 快 ・ 不快感情と皮膚深部温, 皮膚電気伝導水準 (SCL) の関連を明らかにすることを目的とした. 研究協力の得られた健康な20名の女性を対象とし, リラックスを伴った快感情を増加させる設定として, 39℃の湯を用いて10分間の足浴を施行し, 緊張を伴う不快感情を増加させる設定として計算負荷を施行した. 結果として, 足浴を施行しリラックスを伴った快感情を保持した快群 (n=13) は, SCLのみが10分後に有意に減少した. 計算負荷を施行し緊張を伴う不快感情の増強がみられた不快群 (n=13) は手掌皮膚深部温の有意な低下, 前額-手掌皮膚深部温の差の有意な増加, SCLの有意な増加がみられた.
     この結果から, 快感情とSCL, 不快感情と手掌皮膚深部温, 前額. 手掌皮膚深部温の差, SCLの関連が示された.
  • 山内 豊明, 渡辺 千尋, 三笘 里香
    2004 年 3 巻 2 号 p. 13-21
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2016/10/25
    ジャーナル フリー
     目的 : 現在いわれている血圧測定における安静時間の妥当性を検討するために活動後の血圧下降が収まり安静となるまでの時間を検証した.
     研究方法 : 23名の健常者に対して, 非観血的連続血圧測定装置 JENTOW-7700 (日本コーリン) を用い, 歩行終了後直ちに座位で20分間の連続血圧測定を行った. 20秒間を1ブロックとし, あるブロックとその前後のブロックとの血圧の平均値の有意差検定を行うことで歩行終了後の血圧下降が収まる時点 (安静時点) を判定した.
     結果および考察 : 歩行終了後に血圧下降がみられ, その後急激な血圧下降が収まる時点が各々の対象において認められた. ほとんどが15分間以内で安静と判定できたが, 安静と判定できるまでに歩行終了後16分10秒かかる対象もあった. 安静を必要とする時間を5分間以上や10分間以上としているだけでは適切な血圧測定ができるとはいい難く, これまで根拠なく設定されていた安静時間では必ずしも正しく血圧測定できるとは限らないことを明らかにした.
研究報告
  • 藤井 徹也, 佐藤 美紀, 渡辺 皓, 島田 達生, 中山 和弘
    2004 年 3 巻 2 号 p. 22-29
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2016/10/25
    ジャーナル フリー
     看護師養成における効果的な解剖学教育を考えるため, 総合病院に勤務する看護師を対象に, 臨床における援助場面での解剖学知識の必要性および臨床看護実践への知識の反映, 看護師養成機関で受けた教育内容などについて質問紙調査を実施した. 回答を得た680名中90%以上の者が, 解剖学知識の必要性を感じるケアとして吸引 ・ 穿刺 ・ 排泄の援助を回答した. 臨床において解剖学知識が重要であると感じている者は98.7%であり, 臨床場面で解剖学知識に関して困った経験がある者は66.2%であった. また, 臨床で解剖学知識に関して困った経験がある者は, 学生時代に解剖学に興味をもたず (p<0.001), 重要性を感じていなかった (p<0.01). 学生時代に解剖学へ興味をもたないものは, 解剖学実習をまったく経験していなかった (p<0.011). 継続教育として, 人体解剖セミナーへの参加を希望する者は, 臨床において解剖学知識に関して困っている者が多かった (p<0.04). これらのことから, 学生時代に解剖学に興味がもてるような教育内容や教授方法の検討が必要であり, 臨床で働く看護師が必要とする時に学習できる環境や機会をつくることが必要である.
特別寄稿
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