創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
7 巻, 3 号
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原著
  • 榊原 俊介, 大澤 沙由理, 木谷 慶太郎, 高須 啓之, 寺師 浩人
    2016 年 7 巻 3 号 p. 110-117
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/01
    ジャーナル フリー
     NPWT 機器がわが国で保険承認されて以降,NPWT は創傷管理における重要なツールの一つとなった。一方で半閉鎖環境を形成するために感染制御に用いることは困難であり,場合によっては感染の増悪をきたす。諸外国においては創部の洗浄と NPWT を組み合わせたデバイスを利用できるが,わが国においてはまだ保険承認されていない。われわれは既存の NPWT 機器を,陰圧環境を作るためのモーター源として利用する工夫を行った。本法を 12 名の慢性骨髄炎症例など感染が沈静化しきれていない創部に用いた結果,その大半において良好に wound bed preparation (WBP) を行うことができた。また,本法では安定した陰圧環境の形成・ADL の向上が得られた。われわれが行っている “ 限局的洗浄型 NPWT法 ” について報告する。
  • 佐藤 大介, 櫻井 淳
    2016 年 7 巻 3 号 p. 118-123
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/01
    ジャーナル フリー
     骨皮質など血流のない組織に直接植皮を行うことは困難であり,教科書的には髄質を露出させることで植皮術が可能とされている。しかし,広範囲の頭蓋骨露出創では,外板をすべて除去することで術中出血量が増加し,頭蓋骨の強度が低下する恐れがある。そこでわれわれは,広範囲な頭蓋骨露出創 3 例に対して,異なる方法で植皮術を行い,頭蓋骨への植皮法について検討した。症例 1 は切除範囲全域にわたって外板を除去し,板間層に直接植皮術を施行した。症例 2 は部分的に外板を温存し,人工真皮を用いて二期的に植皮術を施行した。症例 3 は外板に格子状の溝を掘り,人工真皮を用いて二期的に植皮術を施行した。以上 3 例の結果から,植皮の生着は板間層上よりも外板上のほうが良好であった。広範囲の頭蓋骨外板露出創に対しては,強度の面からも外板は可及的に温存し,人工真皮を用いた二期的な植皮術が有用であると考えられた。
症例報告
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