イモグサレセンチュウの寄生性とアイリス球根における本種防除法を主に検討した.
1) 本種寄生による明らかな病徴は地上部生育においては認められなかった. また貯蔵中球根のなかにもその症状をしめさないものもあった.
2) 新たに本種の寄主として, キャベツ, タイサイ, 紅菜苔 (フォンツァイタイ), アブラナ, サラダナ, ハツカダイコソ, キュウリ, カボチャ, トマト, トウガラシ, ニラ, コムギ, ササゲ, アネモネ, ヤグルマソウ, コスモス, キク, シクラメン, モジズリの19植物に認めた.
3) 本種が寄生する球根の防除は薬液浸漬より温湯浸漬(43℃・3時間) で効果が高かった.
4) 温湯浸漬より簡便な方法として乾熱による防除を乾燥器で試みたところ53℃・3時間処理で高い防除効果がえられた. しかし, 効果に若干の変動があった.
5) モミ乾燥器による防除を試みたが目標温度 (53℃) に達せず, 実用効果はなかった.
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