日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第21回秋季シンポジウム
選択された号の論文の811件中201~250を表示しています
  • 森 昌史, 劉 宇, 橋本 真一, 竹井 勝仁
    セッションID: 1M21
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    固体酸化物形燃料電池発電条件では、セリア電解質はリーク電流を生じ、開回路電圧(OCV)が低下し、効率低下の要因となる。OCVは電解質の厚みやセル構造に影響を受け、500℃のOCVはアノード支持形(電解質厚み 約15 μm)では0.89 V、カソード支持形(約12 μm)においては0.78 Vと低い。本研究では、Ce0.9Gd0.1O1.95電解質の電極支持形セルを作製し、リーク電流量を推算し、セリア形SOFCの効率を検討した。
  • 森 昌史, 橋本 真一, 劉 宇, 王 臻偉, 舟橋 佳宏, 藤代 芳伸
    セッションID: 1M22
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    電気化学反応を利用したセラミックリアクターは、エネルギー-物質間の高効率変換が可能であり、燃料電池(SOFC)、環境浄化、水素製造(SOEC)分野への応用が期待できる。本研究では、Zr0.89Sc0.1Ce0.01O1.95電解質形リアクターを用い、650~700℃の水蒸気電解による水素製造を検討した。
  • 舟橋 佳宏, 鈴木 俊男, 藤代 芳伸, 島森 融, 淡野 正信
    セッションID: 1M23
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    セラミックリアクター開発プロジェクトにおいて、2mm径のチューブ型セルを1cm3に集積したキューブ型集積体で、2 W/cm3の高出力密度を得ているが、集積体単位が小さく、kWクラスのモジュールを作製するためには、多くの接続が必要となり、接続ロス、コスト的な観点から厳しい面も有する。そこで、キューブ型集積体を出来る限り大きくするとともに、集電ロスを小さくするため、薄膜電解質の研削や、銀ペーストによる緻密な端子形成、セラミックス部品への三次元的な導電性パス構築技術などを組み合わせ、チューブ型セルを直列接続した集積体を作製した。その詳細を報告する。
  • 山口 十志明, 清水 壮太, 鈴木 俊男, 藤代 芳伸, 淡野 正信
    セッションID: 1M24
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    小型高効率のセラミックリアクターは燃料電池でのモバイル電源や排ガス浄化等の機能性フィルターとして重要である。さらに、小型で反応面積の高い高密度のセラミックリアクターモジュールを連続的に形成する技術はそれらリアクターを容易に製造する技術として必要である。本研究では、ハニカム型SOFCの端面処理方法および処理の有無による性能の差について報告する。
  • 清水 壮太, 山口 十志明, 藤代 芳伸, 淡野 正信
    セッションID: 1M25
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    小型高効率のセラミックリアクターは燃料電池でのモバイル電源や排ガス浄化等の機能性フィルターとして重要である。さらに、小型で反応面積の高い高密度のセラミックリアクターモジュールを連続的に形成する技術はそれらリアクターを容易に製造する技術として必要である。本研究では、ハニカム型SOFCを作製する上で最も重要なチャンネル内への電解質製膜について、膜質向上と膜厚制御に取り組んだ結果について報告する。
  • 岩永 卓朗, 高瀬 聡子, 清水 陽一
    セッションID: 1M26
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    湿式法による多成分系パイロクロア型酸化物触媒の合成と、得られた各触媒のXRD、BET、TG-DTA、SEMなどによるキャラクタリゼーション、さらに、PEFCにおける酸素還元特性等の燃料電池電極触媒特性を検討した。
  • 河崎 亮, 佐々木 一哉, 村中 実, 鈴木 晶大, 寺井 隆幸
    セッションID: 1M27
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3-δ (LSGM)はジルコニア系電解質より高い酸化物イオン伝導性を有し、低温作動の固体酸化物型燃料電池(LT-SOFC)の電解質材として有望である。しかしSOFCセルの焼結過程においてアノード構成材料であるNiやジルコニアと反応相を形成し電解質/アノード界面抵抗が増大してしまう。 RFマグネトロンスパッタリング法により作製した膜は一次粒子が非常に小さいため、比較的低温でも焼結可能となる。 そこで本研究では、各アノード構成材料とLSGMとの反応性を調べ、RFマグネトロンスパッタリング法によって作製したLSGM薄膜の電解質抵抗や緻密さを評価した。
  • 出崎 亮, Radoslaw Wach, 杉本 雅樹, 吉川 正人
    セッションID: 1P01
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    我々はこれまでに、ポリカルボシラン(PCS)とポリビニルシラン(PVS)からなるケイ素系ポリマーブレンドから放射線酸化不融化を利用して壁厚が5ミクロンのSiCマイクロチューブや、水素/窒素の分離比が12のSiC水素分離膜を開発してきた。これまでの研究から、PCS-PVSポリマーブレンドの放射線酸化不融化は、PCSのみの場合と比較して、低線量で達成できることが実験的に分かっている。本研究では、PCS-PVSポリマーブレンドの放射線酸化メカニズムをガス分析、赤外分光分析等により調べ、PVSのブレンド効果について検討した。
  • Kwang-Young Lim, Young-Wook Kim, Sang-Kuk Woo, In-Sub Han
    セッションID: 1P02
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    Porous self-bonded silicon carbide (SiC) ceramics were fabricated at temperatures ranging from 1700 to 1850 oC using SiC, silicon, and three different carbon (C) sources, including carbon black, phenol resin, and xylene resin. The effects of the Si:C ratio and carbon source on properties were investigated as a function of sintering temperature. It was possible to fabricate self-bonded SiC ceramics with porosities ranging from 36% to 53%. The maximum strength of self-bonded SiC ceramics was obtained when the carbon source was carbon black and the Si:C ratio was 5:1.
  • Jung-Hye Eom, Young-Wook Kim, In-Hyuck Song, Hai-Doo Kim
    セッションID: 1P03
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    Porous silicon carbide ceramics were prepared from a carbon-filled polysiloxane by carbothermal reduction. The fabrication process involved three step: (i) the pyrolysis of polysiloxane at 1100oC, which leads to the conversion of polysiloxane to silicon oxycarbide (SiOC); (ii) the carbothermal reduction of SiOC and C mixture at 1450oC, which converts the mixture to a SiC ceramic; and (iii) liquid phase sintering of the SiC using Al2O3-Y2O3 as a sintering additive at various temperatures.
    By controlling the template content and sintering temperature, it was possible to adjust the porosity in a range of 39% to 88%. The flexural and compressive strengths of porous SiC ceramics with ~40% porosity were ~100 MPa and ~290 MPa, respectively.
  • Myong-Hoon Roh, Wonjoong Kim, Young-Wook Kim
    セッションID: 1P04
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    Sintering additives play an important role not only on the densification but also on the microstructural development and the resulting properties of SiC ceramics. In this work, the effect of additive composition on the sinterability of SiC powders was investigated. Various additives (B, Al, AlN, Si3N4, CuO, and Sc2O3-AlN) were investigated for sintering SiC powders. The Sc2O3-AlN composition showed the highest sintered density (99.8%) among the compositions investigated herein. The effect of annealing on sintered density and microstructure was investigated for the composition. Microstructure, electrical resistivity, and strength of some selected SiC ceramics are presented.
  • 山根 純一, 今井 雅三, 吉田 克己, 矢野 豊彦, 三輪 周平, 逢坂 正彦
    セッションID: 1P05
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    使用済み核燃料の処分に関する研究。超ウラン元素は長期にわたる毒性を持つため、原子炉等で核変換処分することが考えられている。核変換処分時の保持材料として窒化ケイ素セラミックスに注目した。長寿命核種の模擬材として二酸化セリウム、二酸化ウランもしくは二酸化プルトニウム(16~50 mass%)を添加し、さらに焼結助剤としてシリカ(3 mass%)、マグネシア(5 mass%)を添加した窒化ケイ素焼結体を作製した。焼結温度は比較的低温の1450~1650℃とした。セリウム添加試料について、密度測定、微構造観察、室温~800℃までの熱伝導度測定を行った。ウラン、プルトニウム添加試料については、密度測定、外観観察を行った。
  • 崔 大鎬, 榎本 尚也, 北條 純一
    セッションID: 1P06
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    本研究では放電プラズマ焼結(SPS)法によって窒化硅素に焼結助剤に添加した多孔体窒化硅素を作成した。SPS法は原料の粒子間での急速局部加熱が可能であると言われている。この方法により粒成長を抑制した状態で粒子間の結合が強固になるため、機械的強度の向上が期待される。SPS法により試料を作成するにあたって焼結条件の調査、焼結助剤の調査を行うことで、多孔体窒化硅素の制御を行った。
  • 森山 拓磨, 峯川 恵典, 若田部 貴哉, ヌルハズワニ クサイニ, 堀田 憲康
    セッションID: 1P07
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    本研究は,酸化タンタル粉末を原料とした流動層還元反応により,窒化物および炭化物セラミックスの合成を試みたものである.高純度アルミナ管を電気炉の中心に設置したものを反応器とし,加熱を6℃/minで行った.反応ガスは窒素とアンモニアを使用し,別途導入管より窒素をキャリアガスとしてヘキサンを装置中央部に導入した.反応条件は900℃で試料投入後に60 min保持した.その後1100~1400℃まで6℃/minで昇温し1~2hr保持した.得られた生成粉末はXRDによる相の同定,BET比表面積測定,内部標準法による格子定数の算出,粒度分布測定,SEMによる形態観察により評価した.
  • 若田部 貴哉, 峯川 恵典, 森山 拓磨, 吉川 知里, 堀田 憲康
    セッションID: 1P08
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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     TiNは高硬度、高融点という特性を持つ。しかし、難焼結性のため単独では扱いにくい。  そこで本研究では、TiNとAl2O3とを組み合わせた複合材料の作製を目的としている。  原料粉末はTiNとAl2O3を混合したものを使用した。TiN粉末は市販のTiO2を浮上式還元窒化することによって得たものを使用し、Al2O3粉末は市販のものを使用した。原料粉の混合比はTiN20wt%とした。Al2O3の粒径は3種類使用した。焼結は多目的高温炉で行った。真空焼結とホットプレス焼結を行い、それぞれ比較した。  得られた焼結体の評価は、密度測定、ビッカース硬度測定、SEM写真観察により行った。
  • 峯川 恵典, 若田部 貴哉, 森山 拓磨, 小林 知裕, 堀田 憲康
    セッションID: 1P09
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    ナノオーダーのTiO2粉末(粒径約30nm)を原料として,流動層還元炭窒化反応を行い焼結性に富む微細なTiCN系化合物粉末の合成を試みた.反応温度は1550℃,反応時間は2時間とした.窒素源及び流動化ガスとしてはN2ガスを用い,反応装置内に別途,還元剤及び炭素源となる炭化水素(C6H14(ヘキサン),C6H6(ベンゼン),C6H12(1-ヘキセン))をN2ガスをキャリアガスとして導入した.各実験条件で生成した粉末についてXRDによる相の同定,内部標準法による格子定数測定,粒度分布測定,SEMによる形態観察を行い評価した.
  • 古畑 哲, 秋山 憲司, 青井 芳史
    セッションID: 1P10
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    異なる物質の単層薄膜を周期的に積層させた積層薄膜では、周期性を制御することによって新たな物性を引き出せる可能性が示唆されている。そして実際に、積層薄膜の積層周期を変化させることによって、積層に用いた物質の単層薄膜よりも高硬度の薄膜が得られることが多数報告されている。本研究では、イオンビームスパッタリング法を用いて、CrNとTiNの単層薄膜を積層周期と積層比率を変化させて成膜を行い、CrN/TiN積層薄膜を作成した。それぞれのCrN/TiN積層薄膜の構造および機械的特性の評価を行い、積層周期と積層比率の変化による積層薄膜の硬さ向上の機構について検討した。
  • Sukasem Kangwantrakool, Anurat Poowancum
    セッションID: 1P11
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    This work reports on the effect of CeO2 and/or Cr2O3 addition on the mechanical properties of Al2O3-mullite-ZrO2 composites. The amount of additives added was 1.5wt%CeO2, 1.5wt%Cr2O3 and the mixture of 1.5wt%CeO2 and 1.5 wt%Cr2O3. Bulk composites have been sintered by using pressure-less sintering method. Phases, microstructure, density and porosity of sintered composites were characterized. Flexural strength and fracture toughness were also determined. The results from mechanical tests showed that the highest flexural strength was obtained with the mixture of CeO2 and Cr2O3 addition, while the highest fracture toughness was obtained with CeO2 addition.
  • 安藤 正美, 青島 利裕, 宮地 淳
    セッションID: 1P12
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    半導体素子の微細配線化に伴い、静電チャックは半導体製造装置中でSiウエーハを吸着する機構として広く用いられてきている。我々はJRタイプの静電チャック用素材としてAl2O3にTiO2を微量添加し、体積抵抗率を108~1011Ωcmに制御した素材を開発した。これまでに本素材はアルミナの粒子径が1~3μmで、その粒界部に酸化チタンが偏析すること、さらにこの酸化チタンが導電パスを形成することを報告している。本報では、粒界部を球面収差補正走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて、高角度散乱暗視野(HAADF)像による観察及び電子エネルギー損失分光(EELS)による分析を行なった。その結果、粒界部に偏析したTiは約2nmの幅で存在していることが分かった。
  • 家住 久美子, 井上 正良, 山崎 純一, 七尾 勝, 坂本 典正
    セッションID: 1P13
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    積層型圧電素子の内部電極をAg/PdからCuに変更することで大きなコストメリットが得られるが、Cuは酸化し易く還元雰囲気で焼成する必要がある。当社では内部電極とPZTの一体焼成に成功しているが、内部電極から拡散したCuにより圧電特性が約10%低下するという課題があった。今回は複数の添加物の複合効果により特性を改善した実験例について報告する。
  • 阿部 直晃, 廣瀬 左京, 中山 晃慶, 新見 秀明, 景山 恵介, 鷹木 洋
    セッションID: 1P14
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    ダブルペロブスカイト構造を有するSr2FeMoO6の粒界散乱型磁気抵抗効果について、Sr2Fe1-xCaxMoO6試料で磁気抵抗効果の改善が見られた。これはCa添加やFe欠損が酸素欠損を保障する役割を果たしBサイトの整列性を高めたことが影響していると推測している。そこでメカニズムの解明のため、Caの他にSrやBaを置換した試料を作製し、比較を行った。またTEMによる高分解能像や電子回折、構造像の観察を行い粒内および粒界での局所的なBサイトの整列性の違いについて調査を行った。
  • 野澤 あい, 桑原 哲夫, 和田 智志, 内田 寛, 森吉 千佳子, 黒岩 芳弘
    セッションID: 1P15
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    不均一な応力場により、単位格子の構造が徐々に変化する構造傾斜領域における巨大物性の発現が、ナノ粒子、ドメイン壁、人工超格子などで報告されている。このような構造傾斜領域を積極的に利用するには、化学組成や結晶構造は異なるものの、大きさの揃ったナノキューブを用い、3次元のチェッカーボード構造を作製する必要がある。そこで、本研究では、大きさの揃ったチタン酸バリウム(BaTiO3, BT)とチタン酸ストロンチウム(SrTiO3, ST)のナノキューブを作製し、それらの集積化について検討を行った。
  • 立道 諭, 杉山 直大, 工藤 静真, 吉村 昌弘, 松下 伸広
    セッションID: 1P16
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    BaTiO3は強誘電体材料として多岐に渡って実用化されているが、結晶配向型のBaTiO3薄膜作製は困難である。 本グループでは、RFマグネトロンスパッタ法によりガラス基板上にTi(002)を堆積させた後、Ba(OH)2水溶液中で高周波誘導加熱処理を行うことで結晶配向型BaTiO3薄膜の作製に成功している。 本研究では、誘電特性評価を目的とし、ガラス基板上に下地電極としてPt(111)を堆積させた後、Ti(002)を作製した。得られた下地層基板にBa(OH)2中で誘導加熱を施し、Ti(002)をBaTiO3(111)に改質した。発表ではGlass/Pt(111)/ BaTiO3(111)の結晶配向性及び誘電特性について報告する。
  • 近藤 修平, 和田 智志, 森吉 千佳子, 黒岩 芳弘
    セッションID: 1P17
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    最近の積層セラミックコンデンサ(MLCC)の小型・大容量化に伴い、チタン酸バリウム(BaTiO3)原料粒子も微細化が求められている。しかし、粒子径の減少に伴い比誘電率が減少する”サイズ効果”が問題であり、その克服が求められてきた。昨年、保科ら1)によりBaTiO3ナノ粒子の表面立方晶を数nm以下まで薄くできれば、100nm以下でも室温での比誘電率が減少せず、逆に増大するモデルが提案された。そこで本研究では、原料として30nm程度のナノシュウ酸塩を用いることで、表面立方晶層の厚さが薄く、かつ比誘電率の高いBaTiO3ナノ粒子を合成することを目的とし、検討を行った。また、ナノシュウ酸塩を用いることで、分散性に優れたBaTiO3ナノ粒子も得られたので報告する。
  • 今井 公士, 脇谷 尚樹, 坂元 尚紀, 篠崎 和夫, 鈴木 久男
    セッションID: 1P18
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    ソフトフェライトは磁気記録、高周波用のトランスなどの磁芯材料としての応用が期待されている物質である。その中のZnFe2O4は室温で通常は常磁性体だが、共沈法、超急冷法など特定の方法で作製したものはフェリ磁性を示す。その中でもダイナミックオーロラPLD装置を用いて磁場をかけながら作製したものは他の方法で得られる飽和磁化よりも2倍近い値を示すことが報告されている。そこで本研究ではZnFe2O4以外のフェライトにおいても同様に磁場印加効果があるのかを(Ni0.5Zn0.5) Fe2O4を用いて検討した。また今回はシード層としてYSZを用いることで(111)配向したNZF薄膜を作製し、磁気特性、結晶構造に及ぼす磁場印加効果について調査した。
  • 高橋 雅也
    セッションID: 1P19
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    リチウムイオン電池に用いられる負極活物質は、負極と固体電解質の間で、Li+イオンの受け渡しと電子の受け渡しが容易に行われなければならないため、混合伝導体で高容量の材料が望ましい。本研究では、酸化リチウム―酸化チタン系の薄膜をゾルゲル法により作製し、薄膜の導電性や温度依存性、活性化エネルギー、薄膜の安定性などを評価した。得られた薄膜は半導体的性質を示し、薄膜の導電性はLi2O含有量の増大と共に一旦低下するが、20mol%付近の組成で極小を示した後増大した。極小の組成では電子伝導性とイオン伝導性のバランスのとれた混合伝導性を示す負極活物質に適した組成と考えられる。
  • 大垣 武, Yao Yongzhao, 松本 研司, 坂口 勲, 大橋 直樹, 羽田 肇
    セッションID: 1P20
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    MBE法により、サファイア(0001)基板上にAl14N/Al15N同位体超格子を作製した。成長したAl14N、Al15N薄膜は、サファイア基板上にエピタキシャル成長しており、0002面のロッキングカーブ半値幅が90-100 arcsecと極めて結晶性の高い薄膜であった。格子定数は、a-b軸長、c軸長ともに、Al14NよりもAl15Nの方が小さい値であった。同位体窒素による変化は、ラマン分光法でも確認され、Al14NとAl15Nのラマンシフトのスペクトルピーク位置に変化が確認された。
  • 伊藤 豊大, 伴 隆幸, 大矢 豊
    セッションID: 1P21
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    水酸化テトラメチルアミンにペンタエトキシニオブを混合し、更に水を加えることにより、ニオブ酸コロイドが分散した透明な溶液を調製することができた。ディップコーティングによりこのニオブ酸コロイドを基板にコーティングした後、種々のナトリウム塩水溶液に浸漬することで前駆体を合成し、これを加熱してニオブ酸ナトリウム膜を合成した。更に、ニオブ酸コロイド水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を添加することで白濁した溶液を120℃で乾燥することで粉末を調製した。これを再び水に溶解させることで0.2 Mの安定なニオブ酸ナトリウム前駆体水溶液を調製した。これを基板にコーティングし加熱することでニオブ酸ナトリウムを合成した。
  • 松本 研司, 安達 裕, 坂口 勲, 大橋 直樹, 齋藤 紀子, 羽田 肇, 稲田 幹, 北條 純一
    セッションID: 1P22
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    様々な応用の観点から、液相を介したナノ粉体の合成に関する研究が、活発に行われている。液相由来の粉体は、他の方法に比べて微細なものが、比較的低温で得られるという利点がある。一方、微細であっても、圧密体性状が芳しくなく、必ずしも易焼結性とはならない等、問題点も指摘されている。本研究で対象としている酸化亜鉛では、Znの蒸気圧が高く、これが焼結性を阻害すると言う特有の問題がある。我々は、以上の点を考慮に入れつつ、表面活性あるいは粉体性状とZnO粉体の反応性との関係を明らかにする研究に取り組んでいる。今回は、その一環として、有機成分を含む液相から合成されたZnO粉体性状について報告する。
  • 渥美 太郎
    セッションID: 1P23
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    酸化亜鉛バリスタのI-V特性におけるブレークダウン電圧は,電流が急激に変化する部分のある電流値,例えば1 mA,における電圧として定義される.したがって,この電圧が前降伏域と降伏域の境界を表しているとは限らない.本研究では,バリスタに繰り返し電圧を印加して,そのときの低電圧領域の電流の変化を測定することで,前降伏域と降伏域の境界を示すブレークダウン電圧を明らかにした.
  • 安達  裕, 大橋 直樹, 大垣 武, 坂口 勲, 羽田 肇, 吉川 英樹, 上田 茂典, 小林 啓介, 大西 剛, Lippmaa Mik ...
    セッションID: 1P24
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    ZnOは室温で大きな励起子結合エネルギーを有することから高効率な発光素子への応用が期待されている。ZnOはc軸方向に極性を有し、その極性はZnOの物性に大きな影響を与える。よって、ZnO薄膜の極性制御はデバイス応用にとって重要な課題である。我々は前回、a面サファイヤ基板上に作製した無添加のZnO薄膜は-c極性であるのに対し、Al添加ZnO薄膜は+c極性であることを報告した。本研究ではAl添加濃度および薄膜成長温度がZnO薄膜の極性に与える影響について調査したので、その結果について報告する。
  • 油谷 英明
    セッションID: 1P25
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
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    強誘電体の分域反転に伴うアコースティック・エミッション(AE)の活性より、材料内部における分域反転機構を考察する。AE法は非破壊検査で用いられ、弾性波として放出された材料内部に蓄えていた歪エネルギーを検出する技術である。セラミックスならびに単結晶チタン酸バリウムの電界印加時の誘起歪、P-Eヒステリシスループ、光学的分域観察およびAE特性から分域反転時の局所的に生じる歪エネルギーの解放過程について報告する。
  • 高嶋 秀行, 北村 尚斗, 井手本 康
    セッションID: 1P26
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    従来のLa系超伝導体とは異なり、Laサイトに価数によるドープのないREを置換することで超伝導が発現するという機構を調べるため、REとしてSm, Yを用いたLa2-xRExCuO4-δ(RE=Sm, Y)のバルク体及び薄膜試料を合成し、置換量、合成条件の違いによる物性、構造と導電率の関係について検討した。主相はほぼT´構造を示していたが、一部の条件でT構造やプレカーサーの第2相が見られた。抵抗率は金属的挙動を示した場合、低温領域で抵抗率の急落が見られたが、零抵抗は示さなかった。また、放射光X線回折から、Rietveld法を用いて結晶構造を解析し、酸素欠損量やそのサイト、及び導電率の関係についての検討を行った。
  • 加藤 雅恒, 設楽 誓吾, 野地 尚, 小池 洋二
    セッションID: 1P27
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    KOH溶融塩を用いて290℃という低温でわずか数分間の加熱で超伝導体(Ba,K)BiO3を合成することに成功した。290℃に加熱したテフロンビーカーにKOHと原料の混合粉末(BaO2,Bi2O3)を加え、さらに水を加えた。290℃で数分間加熱攪拌し、冷却後、蒸留水で洗浄し、乾燥して多結晶粉末試料を得た。添加する水の量で溶融塩の酸化力を制御し、その結果、K量を制御することに成功した。最高の超伝導転移温度は30Kで、固相反応法の結果と一致した。
  • 笠原 俊介, 松倉 啓介, 津田 晋佑, 三楠 聰, 常盤 和靖, 渡辺 恒夫, 秋本 順二, 阿波加 淳司, 木嶋 倫人, 高橋 靖彦, ...
    セッションID: 1P28
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    CaFe2O4型を有するNaMn2O4は数万気圧の超高圧化でのみ合成される物質である。CaFe2O4型NaMn2O4はイオン置換することによりLiMn2O4を合成することが可能であり、リチウムイオン電池正極材料として期待される物質である。これに対してCaFe2O4型NaTi2O4は常圧下で単結晶の育成が報告されている物質である。本研究ではCaFe2O4型NaMn2O4のMnサイトへのTi置換を試みた。結果として、何れのTi置換量においてもほぼ単一相試料を合成することが可能であり、Tiは連続的にMnへ置換することがわかった。当日は、これらの試料の電気・磁気的な性質も併せて報告する予定である。
  • 蓬莱谷 忠孝, 西川 博昭, 楠 正暢, 本津 茂樹
    セッションID: 1P29
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    反射高速電子線回折の強度振動(RHEED振動)を利用し、ペロブスカイト型酸化物薄膜の界面平坦性を原子レベルで制御した人工格子作製が盛んに行われている。これに対しコランダム型酸化物にもV2O3やCr2O3、Fe2O3など多様な機能性酸化物があり、原子レベルで界面制御されたコランダム型人工格子を作製することは、新規な機能性酸化物材料の創製に有効である。しかしながら、通常基板として用いられるAl2O3はコランダム型遷移金属酸化物に対して格子不整合が大きく、RHEED振動を伴った層状成長は困難である。そこでバッファ層を検討し、Al2O3(0001)基板上でRHEED振動を伴ったFe2O3及びTi2O3の層状成長を試みた。
  • 山口 真, 高野 秀和, 島内 理恵, 西澤 均
    セッションID: 1P30
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    固体電解質はその特性から広い分野における応用が期待されている.近年では多価金属カチオンを伝導種とするものなどさまざまなイオン伝導性物質が研究されているタングステン酸アルミニウムはアルミニウム-酸素八面体とタングステン-酸素四面体がそれぞれの頂点を共有した三次元ネットワーク構造をしており,イオン伝導に適した結晶構造である.本研究では水熱法及び高温固相反応法によりこのタングステン酸アルミニウムとそのモリブデン固溶体の均質な焼結用原料粉末の合成を目的とした. できたモリブデン固溶体の焼結体について20Hz~1MHzにおいて複素インビーダンス法により800℃までのイオン伝導性を調べた.
  • 岡田 友美, 菊池 直人, 飯田 努, 三楠 聰, 常盤 和靖, 渡辺 恒夫, 木練 透, 安盛 敦雄, 西尾 圭史
    セッションID: 1P32
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究ではp形透明半導体材料として注目されているデラフォサイト構造金属酸化物の中でキャリアの導入が容易であるとされているCuYO2の合成を行った。CuYO2ならびにCuY1-xCaxO2はクエン酸錯体の熱分解法により合成した。大気中においてクエン酸錯体の熱分解を行うことにより得られた前駆体相を低酸素分圧下、もしくは不活性ガス雰囲気中で熱処理を行うことによりデラフォサイト構造を有するCuYO2を得た。本方法では報告されている固相反応法に比べ、低温、短時間の合成が可能となった。得られた試料はヘキサゴナルとロンボヘドラルの混合相であった。現在、CuY1-xCaxO2の電気物性評価を進めている。
  • 坂口 勲, 中川 翼, 松本 研司, 安達 裕, 大橋 直樹, 羽田 肇
    セッションID: 1P33
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    チタン酸バリウムのセラミックス試料に関して、気相ー固相交換法にて酸素の自己拡散実験を行った。拡散試料内の酸素トレーサーの濃度プロファイルを2次イオン質量分析法で測定し拡散係数を求めた。さらに、酸素の自己拡散に関する粒界の挙動について詳細に調べた。
  • 小林 法之, 西澤 均, 島内 理恵
    セッションID: 1P34
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    タングステン酸カルシウムはイオン伝導体としての物性評価はほとんど受けてこなかったが,近年,リチウムイオンを固溶させることにより,イオン伝導性を示すことが明らかになった.[1].本研究では,リチウムイオンの代わりにナトリウムイオンを固溶させることを目指し,均質で均一な粉末を得ることが可能な水熱法による合成を試みた.ナトリウムイオンを固溶させる母体となる化合物CaMO4(M = W , Mo )をまず合成し,イオン伝導体としての物性評価を行った.
  • 富永 剛史, 青井 芳史
    セッションID: 1P35
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    炭素は電極材料として幅広く用いられており、特に、ホウ素の導入により導電性を付与したホウ素ドープダイヤモンド電極は、「電極反応の可逆性」、「小さい電気二重層容量」、「大きい水素、酸素過電圧」等の電極として優れた特性を持ち、理想的な電極材料の一つとされている。一方、ダイヤモンドに比べて低温でかつ容易に作成可能な非晶質炭素は、ダイヤモンドに似た特性を持つ材料として知られている。また窒素をドープすることによって導電性が向上することが報告されている。本研究では、パルスレーザー堆積法を用い非晶質窒化炭素薄膜を作製し、構造と電気化学的特性の評価を行った。
  • 遠藤 聡人, 明渡 純
    セッションID: 1P36
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、Al2O3/Ti/Pt 基板上にエアロゾルデポジション(AD)法を用いて厚さ28mのチタン酸鉛(PZT)膜を成膜し、各々のPZT膜を大気中で600℃、700℃、850℃でアニール処理した。そのPZT膜を用いて、超音波プローブを作製した。作製した超音波プローブは、ハイドロホンを用いて、1MHzから60MHzの音圧の周波数特性を測定した。700℃でアニール処理したPZT膜を用いた超音波プローブは、駆動周波数27MHzの時、1MPaの音圧を示した。また、短パルス駆動による周波数応答の結果、600℃、700℃および850℃でアニール処理したPZT膜を用いた超音波プローブの帯域幅は、3.0 %、2.5 %および12. 3%となった。
  • 山口 祐貴, 木練 透, 藤本 正克, 前 英雄, 安盛 敦雄, 西尾 圭史
    セッションID: 1P37
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究ではゾル−ゲル法によりPtナノ微粒子分散WO3薄膜の作製を行い、水素センサーへの応用の可能性の評価を行った。Ptナノ微粒子分散WO3薄膜は雰囲気中の水素を分解し、WO3構造中に取り込むことにより光吸収帯を生成し、またキャリアを生成することから光学特性、電気特性が顕著に変化する。作製した薄膜は100%水素により規格化透過率は0.2秒以下で50%以上変化させることができ、電気特性では100ppmと言う低濃度にもかかわらず電気伝導度は一ケタ程度の変化量を得ることが可能となり、水素の漏洩検知センサーへの応用が期待できる結果であった。
  • 川上 敬之, 山添 誠司, 松中 岩男, 白神 達也
    セッションID: 1P38
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    SrTiO3に対するPrの置換位置を調べる目的で、Pr-K殻のXAFS測定を行った。試料はAサイト置換を仮定してSr1-1.5xTiO3:Prx (x=0-0.08)の領域で合成したもののうちx=0.04のものを用いた。その結果、Pr-K殻EXAFSのフーリエ変換スペクトルにおいてAサイト-Bサイト間の距離を示す位置に第二近接ピークが見られた。このことはPrがBサイトに存在し、AサイトのSrがそのピークを与えているとすれば説明がつく。またx=0.04以上の高濃度試料では、XRDにおいて(3/2 1/2 1/2)と指数付けられる超構造ピークが見られた。これはTiO6の傾斜により現れたと考えられる。磁化率の結果もこれらの解釈と矛盾はない。
  • 村田 貴広, 吉田 英樹
    セッションID: 1P39
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    系統的に組成を変化させたフッ化物ガラスにドープしたCrイオンの原子価の組成依存性について調査を行った.ガラス試料の調製については,乾燥窒素気流中,800~900℃,30min,グラッシーカーボンルツボを用いた溶融急冷法で行った.Crイオンの原子価の評価については,吸収スペクトルに基づいて行った.Crイオン源にはCrF3を用いた.同一条件で溶融して調製したガラス試料の吸収スペクトルがガラス組成に依存して変化した.フッ化物ガラスにドープしたCrイオンの原子価に及ぼすマトリクス効果について考察を行った.
  • 平塚 亮輔, 中村 福綱, 植田 和茂
    セッションID: 1P40
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    蛍光灯に用いられている蛍光体の母体として使用されてきたハロリン酸カルシウムはアパタイト構造を持つことが知られている。我々は同じアパタイト構造をもつ部分的に窒化したTb添加La9.33(Si6O24-xNx)O2が強い緑色の蛍光を示すことを報告した。無機ELデバイスなどへの応用へ向け、本研究ではRF-スパッタリング法によって酸化物蛍光体薄膜La9.33(SiO4)6O2:Tb3+を作製した。それをさらにNH3雰囲気で窒化することにより酸窒化物蛍光体薄膜La9.33(Si6O24-xNx)O2:Tb3+を作製した。紫外光照射下において、酸窒化物薄膜は強い緑色の発光を示した。
  • 大幸 裕介, 荒木 貴葉, 今川 一輝, 嶺重 温, 小舟 正文, 村松 康司, 矢澤 哲夫
    セッションID: 1P41
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    軟X線をプローブとして利用する分光計測手法では、軽元素か ら重元素に至る広範な物質の電子状態や化学結合状態に関する情報を得ることが可能である[1]。光電子分光法では軌道電子のエネルギー準位や電子密度状態に関する情報が得られ、近年の分光器などの高分解能化にともない、軟X線領域において100 meV以下のエネルギー分解能での各種測定が可能になっている。我々の研究グループでは、これまでホウケイ酸ソーダガラスを加熱した際に生ずるスピノーダル相分離のダイナミクスやその構造変化を、固体NMRや赤外分光法などから調べてきた[2,3]。分相により分離したホウ酸ソーダ相は酸に溶解するため、様々な「形状」や「組成」の多孔質ガラスを作製することが可能であり、例えば細孔表面に光触媒能を有するチタニアナノ結晶が析出した多孔質ガラスの作製にも成功している[4]。これまでの研究より、分相構造およびダイナミクスはホウ素の配位数と関連の深いことが示されている。分相のダイナミクスや構造変化を詳細に理解することで、機能性ナノ結晶などの分散された新しい結晶化ガラスなどの創製にも繋がる。そこで、本研究では軟X線放射光を用いて、ホウケイ酸ガラスの組成や分相処理における構造変化を詳細に調べたので報告する。
  • 藤本 靖
    セッションID: 1P42
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    新しい蛍光材料であるBiドープシリカガラス中のBi元素周辺の構造解析を、ESR、EXAFS、XPS、27Al-NMR等の機器分析手法を用いて行った。Biの価数は5+であることが予想され、それぞれ6配位の構造を示す5+のBiと3+のAlが近接して存在する局所構造モデルが蛍光核の起源として提案されることが解った。これらの構造情報と蛍光・吸収スペクトル形状から、エネルギー準位図の考察を行った。
  • 岸 哲生, 安盛 敦雄, 矢野 哲司, 柴田 修一
    セッションID: 1P43
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    球の一部を切り取った形状のガラス超半球は、光の回折限界を超える分解能を有するSolid Immersion Lens(SIL)として機能する。我々はこれまでに、微小ガラス液滴を炭素基板上に保持することで、マイクロメートルサイズのガラス超半球を簡便に作製できるSurface-tension Mold(StM)法を開発し、Na2O-CaO-SiO2系ガラスで作製したガラス超半球がSILとして機能することを確認している。本研究では、ガラス超半球形状のバラツキを低減することを目的として、StM処理前のガラス形状が、得られるSILの形状に及ぼす影響を調査した。
  • 五十嵐 達博, 安盛 敦雄, 井上 悟
    セッションID: 1P44
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/07
    会議録・要旨集 フリー
    磁気ディスク駆動装置(HDD)の更なる高性能化や磁気記録の高密度化が要望される中、小型HDD の基板材料として、優れた強度と表面平滑性を有したガラスが使用されるようになり、ガラスの電子機器部材としての応用の期待が益々高まってきた。しかし、これら現行のガラス材料は一般に融点が高く、また必要とする強度を得るために、例えば結晶化などの後処理が施されている。本研究では、特殊な後処理を必要とせずに作製できる低軟化点・高硬度・低熱膨張ガラス材料の開発を目指し、コンビナトリアル手法による新規ボレート系ガラスの探索を行った。
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