日本物理学会の第78回年次大会 (2023年) の総合講演は,新田英雄氏 (東京学芸大学理科教員高度支援センター) から「物理教育におけるジェンダーギャップ」,ヨビノリたくみ氏 (YouTuber) から,「わからなくていいアウトリーチ」に
1.はじめに
日本の教育制度は,戦後大幅に変わった.旧制では,中学校4年,高等学校3年,大学3年であった.現行の新制は,中学校3年,高等学校3年,大学4年である.したがって,旧制高校は,
今日,日本物理学会には,領域13に「物理学史」の分科が設置されている.物理学史は,物理学とは異なる問題関心や分析手法をもつ分野である.そうであるにもかかわらず,物理学史が物理
ファン・デル・ワールスの状態方程式は,気体・液体の相転移を説明するため,現象論的な式として考案されました.超伝導を発見したカマーリング・オネスは,「この状態方程式が,液化実
1.なぜ腕の内旋か?
野球の上級者の投球には,図1のように,リリース直前に腕を内側にひねる動作がある.この動作は「肩関節の内旋」または「腕の内旋」と呼ばれ,テニスのサーブ,バドミントンのスマッシュ
生涯に物理学と化学の2つのノーベル賞を受賞したマリー・キュリー (1967-1934)1,2)は世界中の人から科学者のロールモデルとして尊敬され,今や「イノベーター」と呼ばれている.ところ
力学や電磁気学などの教科書に書かれている保存力と非保存力と言う言葉の使い方についての疑問や問題について議論します.力学の入門書には図1に示すような図を使って,非保存力の説明が
霜田光一先生は2023年5月29日逝去されました.102歳でした.数日後先生の机上にあったメモ数枚のコピーが,ご家族からの郵便で届きました.5/27また5/28と日付の記されたメモがありました.最後まで頭の中は物理だったのだと思
霜田先生は著者が恩師と仰ぐお一人である.ただし著者は先生の研究室でご指導いただいた者ではなく,物理教育に関連してお傍近くに居ただけの言わば門前の小僧であるから,自分で勝手にそう思っているだけで,先生は迷惑だと仰るかも知
私は,霜田先生の講義を聞いたことはない.初めてお目にかかったのは,本郷へ進学した1956年の五月祭で先生の研究室へ入った時である.特にご指導を受けたのではないが,そのころ話題の原子時計の説明などを助けていただいた.
物理学研究と物理教育に多大の貢献をされ,100歳を超えてもお元気だった霜田光一先生が,本年5月29日に急逝されました.
先生の名著『エレクトロニックスの基礎 (全訂版)』は,真空管時代からトランジスタ時代への
あれは10年以上も前のこと.地下鉄本郷三丁目駅の付近でばったり行き会った (お目にかかったというべきだが).それが先生の方から「なつめさん」というのに驚いた.先生の「量子エレクトロニクス」の講義を最前列で聴いて質問 (文
本誌に掲載されている霜田先生の記事を覚えておいでだろうか (大学の物理教育25(2019)114).「新世代の物理教育」と題されて,その冒頭に「教育の現場には,変遷を嫌う要素が少なくない.そのために教育はとかく保守的になり,努力しな
20年以上前,物理教育学会誌編集会議は毎回茗荷谷林野会館で行われており,編集委員として出席していた.会議室でいつも笑顔でいらっしゃったのが,当時物理教育学会会長の霜田先生であった.しかし直接お話する機会もないまま,先
霜田先生による「物理学会設立前後の思い出」が日本物理学会会誌 (以後,会誌) に掲載されたのが2022年6月です.これが先生による,会誌としては最後の記事となりました.この記事を担当させていただいたご縁から,霜田先生の想い出
先生のご著書に『歴史をかえた物理実験』 (丸善,1996) があります.「電磁気学と光学に関する実験の中から,自然科学の流れを変え,技術革新を導くことになった」ものを選んで,装置を中心に解説された本です.
開催情報/寄贈書リスト
『大学の物理教育』総目次 (vol.29)
General Table of Contents of Physics Education in University Vol. 29
編集後記
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