2021年4月より日本物理学会物理教育委員会委員長を仰せつかりました.本委員会は, (1) 物理教育に対する現代の社会的ニーズの探索, (2) 科学的な物理教育の理念探求, (3) 効果的な授業方法の探求,をミッションに掲げ,大学教育のみ
1.はじめに
本稿は2021年3月28日に開催された第11回物理教育シンポジウムでの,著者の講演内容と考察をまとめたものである.講演では,オンライン授業の概要紹介,授業の分析と評価,そこからみ
立命館宇治中学校・高等学校では緊急事態宣言下の2020年4~5月にオンライン授業を行った.その授業の一部を紹介し,その反省と注意点,そこから得られた課題を述べる.
2020年春の緊急事態宣言の発出により,多くの大学と同様に日本大学理工学部でも,多くの実験が,教員による実演実験ビデオ教材をネット配信し学生が解析をするメディア実験となった.し
筆者が勤務する電気通信大学 (以下,電通大) では,2014年度より学生による学習サポートを実施している.導入当初より少しずつ規模を拡大し,順調に発展してきた.しかし2020年度には
新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威を振るう中,大学や高等学校の教育現場ではどう物理を教えるか,どう生徒および学生の学びを止めないかということが課題となり,私もそうだが教育
1.社会と物理学の関わり
社会の動向が科学に影響を及ぼすという事態は,科学史では好んで取り上げられる話題であるが,ここでは逆の場合,つまり物理学が社会に衝撃を与え,歴史の流れを変えた事例を取り上げ
2020年度の後期に名古屋工業大学 (名工大) の情報工学科1年生を対象とする電磁気学の講義を担当することになった.私にとってはじめての講義である.感染症拡大防止のため,2020年度は,
電磁気学では基本的な現象であっても,言葉で表現しようとするとしばしば議論が起こる.本誌にも先日,変位電流に関する論稿が掲載され1),私が以前から考えていたことと重なる部分もあ
長年続いている変位電流をめぐっての論争は,「変位電流による磁場はゼロである」という誤解を招く主張1,2)に惑わされて,さまざまの方向に議論が拡散し,混乱状態が続いている3).
電磁気学の教科書に,電場を表す電気力線の図や磁場を表す磁力線の図は出ているが,ベクトルポテンシャルの図はない.
そこで,電磁気学の教育に利用されるようなベクトルポテンシャルの図をいくつか描いてみた.
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い,遠隔授業が導入され,広く研究も進められている1).工学院大学においても,2020年度は遠隔授業が実施され,それに伴い筆者らの学習支援センター
著者は大阪大学工学部と基礎工学部の初年次学生に,物理学的なものの見方と,物理学の基本法則とを理解させ,それらを自在に応用できることを狙いとして力学の講義を行ってきた.
東京都教育委員会は,科学技術分野に高い理解力と強い取組意欲をもつ高校生を育成するために,理数アカデミー校,理数教育重点校,理数研究校などを指定し,特徴的な教育を推進してい
大学初年次向けの教養物理の授業は主に座学中心となりがちであり,通常の講義室で実験を行うことは時間的にも設備的にも非常に難しい場合が多い.しかしながら,実際の物理現象を観察し,
電気回路においてブリッジ回路と呼ばれるものの平衡条件はよく知られている.ここでは,高校初年級程度の数学を援用することによりブリッジ回路の平衡条件に関する問題の理解が容易になる
1.高校物理における空気抵抗力
本校で採用している「物理基礎」の教科書1)では,運動方程式の基本的な活用方法を学んだ後で摩擦力などを扱う.ここで摩擦力とともに学ぶのは浮力と空気抵抗力であり,説明が費やしている
新型コロナ感染症の流行が収まらず,勤務校でも,実験は対面実施が許可されていますが,講義の方はオンライン授業が2021年5月現在で続いています.我々のところの物理実験は,本誌25巻1号pp. 38-42に書いたように,学生との面談を
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編集後記
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