環境経済・政策研究
Online ISSN : 2188-2495
Print ISSN : 1882-3742
ISSN-L : 1882-3742
13 巻, 2 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
学術研究論文
  • ―欧州エコデザイン規制の唱道連携フレームワークおよび制度論的分析―
    大木 孝拓
    2020 年 13 巻 2 号 p. 1-17
    発行日: 2020/09/28
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    本稿では,欧州環境エネルギー政策決定プロセスにおける産業界のロビー活動について論じる.既存研究で産業界は,EU政策決定に大きな影響力を及ぼしうるアクターとして認識されてきたが,本稿では,エコデザイン規制における2重規制を事例研究対象に,産業界のロビー活動に関するこの既存見解を再考した.2重規制が大きく取り上げられたファン実施措置改訂プロセスを中心に唱道連携フレームワーク及び新制度論を相互補完的に活用し分析した結果,精力的なロビー活動にも関わらず最終製品メーカーが求める政策変更がなされなかったこと及びその要因を明らかにした.

  • 福冨 雅夫, 三谷 羊平
    2020 年 13 巻 2 号 p. 18-30
    発行日: 2020/09/28
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    政策案実施か現状維持かを問う住民投票は,その政策案の実施により,便益を得るグループと損失を被るグループを生み出し,グループ間の分配に帰結する.しかし,分配に関する社会的選好が投票行動に与える影響は十分に検証されていない.本論文では,住民投票が有する戦略空間とグループ構造をもつ複数人複数グループ独裁者ゲームの実験を用いて,戦略的投票を制御した上で,社会的選好が個人の投票行動に与える影響を考察する.実験結果より,自己利得最大化と矛盾する選択割合は平均6.7%と極めて低いこと,また,金銭的インセンティブの除去,匿名性の減少,選択理由の表明により分配を考慮した選択が大幅に増加することが示唆された.

研究展望
  • 松本 茂
    2020 年 13 巻 2 号 p. 31-43
    発行日: 2020/09/28
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    資源・環境・時間の3つの制約は,いずれも我々の行動を規定している重要な要件だが,環境経済・政策学の研究者は,これまで時間制約に対してあまり関心を向けてこなかった.しかし,環境経済・政策学の分野でも,今後は時間利用の研究の重要性が増すものと予測される.本稿では,初めに,家計内生産モデルを使って,個人の時間利用と環境負荷の関係性について考察する.その後,エネルギー消費とリサイクル活動を例にとり,個人の時間利用と環境負荷の関係性について考察する.最後に,現在の個人の時間利用と環境負荷の研究において不足していると思われる知見を述べ,今後の研究の発展可能性について言及する.

  • 生田 孝史, 藤井 秀道
    2020 年 13 巻 2 号 p. 44-56
    発行日: 2020/09/28
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    企業の持続的な成長には,財務パフォーマンスだけではなく,ESGを考慮した経営が必要という考えが浸透している.ESG経営や非財務情報の金額換算評価の取り組みは始まったばかりであり,研究機関や企業が試行錯誤しながら指標や計測・定量化方法の開発・改善を図っている状況である.本稿では,ESG経営に関する最新の調査・研究事例について紹介した上で,今後の研究展望について述べるとともに,研究を発展させる上での課題について紹介する.特に,持続可能な開発目標とESG経営の関連性は,企業活動が社会に与える影響評価を行う上で注目される点であり,いかにステークホルダーに対して両者の関係性を分かりやすく説明できるかが重要となる.

環境論壇 環境・エネルギー共同体としてのアジアのエネルギー環境政策協力
書評
その他
feedback
Top