環境経済・政策研究
Online ISSN : 2188-2495
Print ISSN : 1882-3742
ISSN-L : 1882-3742
16 巻, 1 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
研究展望論文
  • ―世代を超えた公平な社会に向けて―
    尾上 成一, 田崎 智宏
    2023 年 16 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2023/03/20
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

    気候変動対策の遅れなど,政治的短期志向の弊害が顕在化するとともに将来世代の利益や権利を考慮することへの関心が高まっている.このような背景から,本稿では政治的短期志向が生じる4つの要因とそれに対処すべき2つの論拠を整理した.さらに,幅広い分野にわたる将来世代の考慮に資する国内外の実在の制度をレビューし,11の制度類型としてそれらを概観した.将来世代考慮の制度の機能には,大別すると意思決定内容に係る監視的機能と意思決定主体の長期志向を促す醸成的機能があると考えられた.それぞれの制度類型における課題とともに,将来世代考慮の制度に残された課題を提示し,今後の研究展望を示した.

  • ―環境・資源経済学における実験的アプローチからの知見―
    若松 美保子
    2023 年 16 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 2023/03/20
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

    行動変容を促す手段として,ナッジが注目を集めている.本稿では,政策への活用が進むナッジの効果について,主に実験経済学における検証から,政策への活用が進むナッジの効果を整理する.特に,環境や資源の問題の根本的な原因である社会的ジレンマの状況において,ナッジが有効となり得るかを考えるために有用となる研究を紹介する.また,消費者に環境を配慮した購買行動を促すためのナッジとして,食品のラベル表示に加えてどのような情報を提供すべきか,消費者への情報提供のありかたについてもレビューする.

  • ―環境資源経済学を中心に―
    三谷 羊平
    2023 年 16 巻 1 号 p. 18-29
    発行日: 2023/03/20
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

    環境政策の現場では,金銭的インセンティブを用いない非金銭的介入への期待が高まり,介入費用が低いナッジの政策利用に注目が集まっている.そこで,本稿ではナッジの分類枠組みや介入効果を検証する実験手法を解説しつつ,環境資源経済学におけるナッジ研究の動向を整理する.さらに,研究と政策から得られた大規模なナッジ介入データを用いたメタ分析の結果を紹介し,ナッジ政策の可能性と限界を議論する.

環境論壇 海の環境・資源問題
書評
その他
feedback
Top