コージェネレーションシステムの騒音を効率よく低減するためには,騒音予測技術の確立が必要である。その中でも騒音源の音源モデル化技術の占める割合は大きい。本研究の目的は,主たる騒音源であるガスエンジンの音源モデル化技術の確立である。最初に,逆音響解析を用いて,音源モデルを構築した。しかし,構築した音源モデルは複雑な形状のため,解析における計算工数が大きく,騒音予測を行う環境に限界がある。そこで,音源モデルの簡略化を行った。この簡略化音源モデルを用いて,音源と音圧観測点の間に壁を設置した条件下における放射音を予測した。この結果を実測値と比較することで,提案したモデル化手法の有効性を確認できた。
道路交通騒音の等価騒音レベル(LAeq)の計算では大型車は単一の車種として扱うのが一般的である。一方,LAeqの計算値の正確さは大型車のうち車軸数が多く重量が大きいトレーラ連結車の混入率の違いの影響を受けることが懸念されていたが,これまで定量的な影響は明らかにされていなかった。本稿では公道での調査に基づいてトレーラ連結車のA特性音響パワーレベル(LWA)がその他の大型車より2.5 dB大きいこと,及びトレーラ連結車の混入率がLAeqの計算値の正確さに及ぼす影響を明らかにした。さらに道路交通騒音の計算においてトレーラ連結車の混入を考慮することが望ましい条件を提案した。