日本統計学会誌
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会長就任講演
  • 照井 伸彦
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 53 巻 2 号 p. 247-273
    発行日: 2024/02/27
    公開日: 2024/02/27
    ジャーナル フリー

    本稿では大規模情報を背景とした超スマート社会で求められる人間および社会現象の統計分析について,ビジネス/マーケティングの問題と統計モデリングの観点から概観し,今後の展望について論じたい.具体的には,Society 5.0が描く現代社会で求められるビジネス分野の統計モデリングについて,トピックを (1) 個別化対応,(2) 高次元スパース性,(3) ネットワークとコミュニティの3つのカテゴリーに分け,筆者らの研究を振り返りながらこれらを展望する.さらに機械学習やAI手法の進展を背景にして,人間および社会に関するデータの統計モデリングをビジネス意思決定につなげる取り組み方についても議論する.

原著論文
  • 馬場 由羽貴, 廣瀬 慧
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 53 巻 2 号 p. 275-296
    発行日: 2024/02/27
    公開日: 2024/02/27
    ジャーナル フリー

    時系列データは欠測を含むことがしばしばある.欠測を含む時系列データに対処する方法の1つとして,状態空間モデルを用いた補完手法が挙げられる.しかしながら,この手法は欠測メカニズムとしてMissing At Randomを仮定しており,Not Missing At Randomのもとでは,推定した一部のパラメータにバイアスが発生することがある.そこで,本論文では欠測確率をモデリングすることで,バイアスを小さくする新たなパラメータ推定法と欠測補完手法を提案する.パラメータの推定値を求めるためにモンテカルロEM(MCEM)アルゴリズムを用いる.モンテカルロシミュレーションを通じて,提案手法の有効性を検証する.

日本統計学会賞受賞者特別寄稿論文
日本統計学会研究業績賞受賞者特別寄稿論文
  • 奥井 亮
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 53 巻 2 号 p. 349-372
    発行日: 2024/02/27
    公開日: 2024/02/27
    ジャーナル フリー

    本論文では,近年の計量経済学でのパネルデータ分析におけるクラスタ解析の応用を概観する.パネルデータとは複数の観測個体を複数時点にわたって観測したデータであり,観測個体間の異質性を考慮しやすいという利点がある.クラスタ解析は,異質性を少数のグループによって記述できるため,実装の上でも解釈の上でも有用である.しかし,経済分析への応用においては,経済データや経済モデルの特徴に合わせて既存の手法を発展させる必要がある.本論文では,比較的長期にわたる経済データを分析する際に問題となる構造変化を考慮した推定法を紹介する.また,内生性のあるモデルに対して使われる操作変数法や一般化モーメント法にクラスタ解析を組み込む方法についても議論する.

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